せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

倒壊せずにいてくれてありがとう!

2016年04月29日 | A04監理_熊本県X邸古民家再生


大きな地震があった場合に、
剛性の強い土壁や、外壁をまず崩落させ、

建物の骨格である軸組は粘り強さで、
倒壊を防ぎ、人命を守る。

それが、伝統構法の建物のメカニズムである。

まさに、そのことを
今回の地震で目の当たりにした。

震度7を観測した震源地から、9kmしか離れていない現場。

本震を受けた時は、
工務店、依頼主共に、「崩れているかもしれない」
と、思われたそうだ。

設計者自身は、
耐震補強の検討を重ね、ある程度施工も進んでいたので
自分も夜中の震度6弱に耐えながら、
自分を信じようと、念じていた。

しかし、なにせ施工途中、大丈夫という確信はなく
被害は出るだろうと、覚悟はしていた。

結果は、倒壊を免れており
その後の当方の被害状況確認では、
耐震補強してきたこところが、効いていたことが分かり
また、基礎とのつながりをもたせていないので
地震力がそれ以上、建物に入力されていない跡、
基礎と柱のズレが見られた。

今回の未改修部分や、古い瓦に被害はあったものの
倒壊させないという目的が達成しており
設計内容が間違っていなかったことに
本当に安堵したものだ。

もちろん、私だけの力ではない。
確かな施工があってのこと。

構造のアドバイスを大学の研究者にいただいたり
付き合いのある構造設計者の助言あってのこと。

手間暇をかけてもらった補強とやり直し。

未施工だった部分では、外壁崩落の被害もあったので
もう少し、工事が進んだタイミングだったら、、

と、思わずにもいられなかったが
それでも、これは奇跡かもしれないと
思うのだった。

川に近く地盤も決して良くない。

そこで、今ある基礎、築130年倒れなかった建物の
石積みの基礎をそのまま使ったのである。

そこなら、圧密沈下も十分に起きていると考えられ
地盤も安定しているとの判断。

ご先祖が残してくれた基礎に、構造の軸組に感謝である。

本当に、ありがとう!
倒れないでいてくれて!!
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詳しいレポートを、HPにアップしました。
興味のある方は、どうぞご覧ください。
http://www.mk-ds.jp/newworks/2016/04/post-37.html
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追伸:工務店の監督さんは、全震直後の現場に確認に行かれて。
到着したら、震度6強の揺れ。

投光器を当てて確認した揺れの様子は、
なんと左右50cmは上下階で差があったそう。

地震時に建物は、上階と下階で逆方向に揺れるのだが、
まさにその状態をご覧になったそうだ。

もうダメかと思ったけど、朝になったら戻っていた。
よく戻ったものだと感心したそうだ。

これも、ただ固めるだけの耐震ではない施工、
古民家の粘り強さを証明したとも言えるのかもしれない。

もちろん、もうこれ以上強い地震は来ないでね。
2回で十分です。
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人と人のエネルギー交換が、今は特に必要。

2016年04月27日 | 熊本便り

↑それぞれはか細いけど、集まって咲いて勢いになっている草花

弱わっている時ほど、人は、
人からエネルギーをもらう必要があると、つくづく思う。

この震災。

大勢の人と接することの有効性を特に感じる。
避難所にいると、皆、安心感を得るのも然り。

たくさん集まることで
人同士のエネルギー交換があるのだろう。

こんなエピソードがある。

地震後、一人暮らしで眠れなかった母親が
娘が様子を見にもどり
添い寝をしたら、余震があっても起きず
13時間眠り続けたそうだ。

安心感=人からもらう無意識の愛であり、エネルギーなのだ。

かくいう私も、子どもだけ横浜に戻り
一人寝になり、
お世話せずにいられて、気が楽で
せいせいしたかといえば、真っ赤な嘘で
全然眠れない、笑。
余計に怖い。

自分が子どもを守っているつもりだったが、
その実、
安心して眠る子どもからの、エネルギーのおすそ分けを
もらっていたんだ!ということに気がつく。

地域の会合も、こんな時だから延期しようという考えと
こんな時だから、皆顔を合わせよう!

と、私は後者に賛成。

実際に自分が主催する会を延長しなかった。
もちろん、関係者には相談した。

結果は、開催してよかった。
途中、余震もあったが、
多くの人といると、恐怖心が和らぐのを感じた。

そして、エピソードをもう一つ。

私が仕事で留守。母だけが留守番という日があった。
その日は、余震がもっとも少なかった日だ。

ところが、本人曰く、今日は余震が大きかったという。
それは、、、多分、錯覚。

もちろん、ゼロでないが、私の感覚でもデータでも
大きな余震はなかった。

つまり、一人で過ごすと、より不安感が増し、あるいは
恐怖感が増し、大きな感覚になるという訳だ。

こうしてみてくると、人はある程度交わって過ごした方が
良いということになる。

もちろん、赤の他人がいる場所では、
良い気の流れだけではないだろう。

だからこそ、自分自身は、イライラではなく
落ち着きと、優しさ、穏やかさを心がけたい。

人と接するときに、気持ちのよいエネルギーを
提供できる人間になりたい。

そう、心底思う。なかなか、難しいけど。

我慢しないで、男性も女性も若くても元気でも年配者でも
無理せず、人と関わっていこうよ!

そんなことを上手に伝えられるといいなぁ。
そして、実践できるといいなぁ。
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非常時に平穏を保つには日常にあった!

2016年04月26日 | 熊本便り



災害時には、自然も傷つくけど
人間の心も傷つくんだな、と思う今日この頃。

未だ余震が震度3,4と続く。

先週末、3以上の観測が少なく、
ちょっと落ち着いたなと思ったのもつかの間
週明けには、やはり続く余震。

断層が約2Mも動けば仕方のないことと
理屈でわかっていても、心身がついていかないのだ。

自分も、家族もイライラしているのが分かる。

それは、どこから生まれる感情かというと、
やはり、心が傷つくというか、見えない恐怖心を抱えて
ずっと過ごすという、非日常にある。

日常生活が過ごせないということが、
もっとも大きなストレスを産むのだ。

トイレの水を流す、
手を洗う、入浴するという衛生面だけではなく、

好きな音楽を聴く。
テレビでドラマを見る。
本を読む。

など、日常の些細な楽しみまで、できなくなると
多分、人間は切れやすくなる。無気力になってくる。

ワーカホリックな私と父は、仕事の予定が延期、又は中止
ということが、非日常でストレスであるし、
現に県外への仕事の出張でリフレッシュしてきた父。

食事を3食きちんと作って食べることにこだわる母は
手抜きされたものに嫌悪感を抱き。非常時だからと2食に減らす
レトルトを食べるなど考えられないと主張するし。

人それぞれのこだわる日常が、突出してくる。

子どもなら、学校に通う。
大人なら、仕事を務める。

当たり前のことも、出来ない時には余計だ。

だからこそ、娯楽というか何か一つでも
継続してできる日常があれば、人は平常心を保てるとも言える。

母は、どんなに余震が続いても趣味の縫い物を止めない。
家族は心配するが、平常心を保とうとしているのだ。

子どもも、テレビにしがみついていたが、
恐怖心を忘れるというのには、意識を集中できるので良いのだろう。

非常時も、楽しみは急に止めないほうが良いのだなと思う。

だから、もし、避難施設で過ごしていても、
我慢しすぎないで、娯楽は必要と思う。

息抜きではないのだ、、、
それが日常なのだ。

だから、日常ができること。
これが多分、もっとも必要な支援。

先の不安、目の前の恐怖があったとしても
今は、いっとき忘れて日常を生きよう!

店舗の閉鎖が続く中、最初に入ったチラシは
なんとパチンコ屋さん!
余震も続き、この場に及んで営業とは勇気あるなぁ。
と、思っていたが。。。(建物大丈夫かしら?とそちらが心配)

皆ここに避難してきているの?
というくらいに、駐車場は車でいっぱいに。

他県から、ボランティアが来てくれて,
汗水流してくれている横で
パチンコ!?と一瞬不謹慎かもと思うけれど、いえいえ

これが日常。農家や土木関係の方は、雨の日は仕事にならないので
パチンコに通う方もおられます。
避難している方が来られているかもしれないね、と話す。

役所のロビーでは、図書館の貸し出しができないので
マンガを、ご自由にどうぞ。と置いてあり。
ロビーで読んでいる親子の姿も。

もし、避難する時は、好きな物一つ、
心落ち着ける日常を持ち歩くと良いかもしれない。
特に、長期になると、、、そう思えてくる。

夜中の余震は本当に怖い。身体の震えとともに、
しばらくは心臓がバクバクいっている。
そんな中、ふと忘れることができるのも、何かの楽しみ。

東日本大震災で、避難所の差し入れで女性にはファッション誌
男性には週刊誌などが喜ばれたそうだ。

そんなことも、伺うと、余計に気を紛らわす、
又は楽しみも含む日常の行動が、平常心を保つのには
必要と思えてくる。

私は、、、というと
大好きな推理小説は、怖くなりすぎるので夜は読めないし
クリエイティブな仕事のエネルギーは、まだまだ本調子ではなく

やっぱり、ヨガかなぁ。。。ストレッチは欠かしません。

今年からはじめて、地震後になかなかできなかった
朝の英語のワンフレーズ手帳への模写も、
再び出来るということに小さな喜びも覚えたもの。

ルーティンで何かをやっておくというもの
心を平常で保つコツかもしれない。

「日常」と「習慣」を大事にしたい。
そう、当たり前のことを、深く思った被災の体験。
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本当は、とても疲れていた自分に気がつく

2016年04月25日 | 熊本便り

なぜ、ワインの写真なのか?は最後に。熊本ワインのHPより

熊本地震から10日が過ぎ、
余震で未だ夜中と明け方に起こされる日々が続く。

避難生活ではなく、毎日の生活が家でてきているだけありがたいと
気張っていたが、そろそろ疲れが出はじめた。

備えなきゃ!対応しなきゃ!という地震直後の緊張感が
断水解除のお陰で緩んだのは、良かったのだが。。。
今、ひどい脱力である。

有事の時は、怖い。あたまが真っ白。
ということには、性格的にならないのだが、

落ち着いてくるといけない。
かえって無気力になるのだ。

地震の経験の少ない、
また備えも分かっていないで、オロオロする両親と
子どもの心のケアまで。ずーっと気張ってたんだ、私。

災害時には、なぜか、実家にいる私である。
兄弟多しといえども、対応するのはいつも私である。

学生時の歴史に残る台風災害時は
瓦屋根の補修に屋根に登ったし、
停電で断水、水を汲む力仕事もし、
記録的だと言われる大雪では、汗だくで雪かきをし、

力仕事の男役も食事の世話の女役も、
いつも両方課せられる。
できてしまうから、誰も助けも呼べない。

なぜか、いつも私なのだろう???
神様が親孝行するように仕向けているとしか思えない、笑。

夫からは、お前がしっかりしないでどうする!
と、遠方から地震情報をわざわざこちらにメールをよこす始末。

そんなんじゃ、助けにはならないよ〜の言葉を飲み込む。

疲れてしまっているんだなぁ。
前にもあったこんな感じ。

ものすごく大変な現場で建物が完成した直後、、、。
脱力になって、心身ともどれだけ疲れていたのか、
涙が止まらないなど、自分でも驚いたほど。

まだ、泣けない、笑。

今回の現場も大変なのだ。
震度7近い地震を受けて生き残った奇跡を
これからどう修復していくのか。。。
それで頭がいっぱいだったが、その方向性も見えてきて。

少し、ホッとしているのが,、余計にいけないのかもしれない。

また、予定していた仕事のチャンスを実は見逃したのだ。
ずーっと取り組んできて。今回は見送った形になる。

これも仕方ない。と、
言い訳めいて自分に言い聞かせるのも苦しい。

本当はこれからの大変さに途方がくれているのかもしれない。

横浜にいる私のプライベートも含めて、
詳しく知っている友人に電話で
1時間も愚痴を聞いてもらった。

私の愚痴はといえば、心が定まらず、
自分の決断に勇気が持てないこと。
これで良かったのだろうかと、人生の選択への自信が持てないこと。

『これまで頑張ってきたんだから、築き上てきたものは
簡単に崩れないから、大丈夫。そこが地震と違うでしょ!』

と、グラグラしている私にエールをくれる友人。

どうしても地域では、皆が疲労しているので、お互いに
近況は話せても、辛い気持ちはなかなかさらけ出せない。

弱音が吐けないってこんなに辛いんだと実感。
こんな時の、遠方の友人の有り難さよ。

まぁ、地震後すぐに車が出せるように
長い(?!)禁酒状態もいけないのかもしれない。笑。
肩が、ゴリゴリに凝っている。(あ、これはいつものことか)

大好きな熊本ワインのワイナリーも工場復活したらしい。
たまには、飲むかなぁ。。。
毎春に飲むレアなロゼワインも飲んでない、涙。

いいよ。労ってあげる。
飲んで話し聞くよ〜という方がいたら
今度は甘えよう。
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地震の波及は、中央構造線に注視

2016年04月23日 | 熊本便り
熊本地震は予測できなかった、とか、準備不足とか
いろいろと後から言われることに、苦い思いもあります。

地震の専門家ではないものの、建築のなりわい者としては
地震のこれからと、日常生活の対応を考えて綴りたいと思います。

まず、直下の地震がこれほど大きな揺れであること。
突然来ること。

専門の勉強では、地震はP波の次にS波が来ると学習しましたが、
いえいえ、今回は、ほとんど一度にドンと突き上げられるような揺れで、
初期微動(P波)を感じる暇なし、です。

東日本大震災時に横浜で感じた震度4の揺れは、横揺れ。
ジワっと感じてすぐにガタガタとなりました。

地震が来る!という直前の意識が働くため、
身構えることができます。それが今回、全くできない。

余震も、ドン・・・・・・、ドン・・・・・、ドン・・・・・
たまに、ドン、ブルブル・・・・、ブルブルブル・・・・

5分から10分置きだったものが、30分、1時間と感覚が開くようになり、
夜は静かになる分、19時30分〜1時間置きにドン、ドン、夜中は

12時頃、3時頃、6時頃、それぞれの時刻前後
に大きな余震を感じた1週間です。

今回の地震は、九州では熊本市を中心に、北東は阿蘇、大分方面
人吉、八代、宇城市など、南西方面でも起きています。
専門家向けのサイトでの情報では、阿蘇の断層は、北東へずれた部分と
南西にずれた部分それぞれの距離が観測されており、

まさに、中央構造線に沿った地震の広がりを見せております。

この中央構造線、、、海を越えて、四国、和歌山、にも通じ、
終点は鹿島です。
千葉でも地震があっており、通じていることを個人的には実感。

大きな余震もしばらくは続くと思われ、このGWの旅行は
特に注意してもらったほうが良いかもしれません。

南海トラフ、首都直下型、相模トラフ(横浜は特にこれが大きい)
など、危険度の大きい活断層は日本列島及び海域に四方八方に走っています。

熊本の地震の余波が及ぶとすれば、、、この地震の伸び方を見て
中央構造線に注視したほうが良いと思っています。

中央構造線とパワースポットの関係がこちら
信州遠山郷の観光案内サイトに。とても興味深いです。
http://www.tohyamago.com/rekisi/chuoukouzousen_suwa/index.php

大きな龍=活断層であり、神社が多いのは鎮めのため?
という説も、なんとなく腑に落ちてしまいます。
阿蘇神社も今回、被害を受けました。

地震予知、地震予測に、地震情報、、、

いろいろと多すぎて情報に振り回されないようにしつつ、、、

水の確保
食料の備蓄
仮設トイレなどの準備
持ち出しリュック
家具の耐震、ガラスの飛散防止など




一般家庭では、
最初の地震で家具の倒れがないように

柱などの構造部、柱が見えていなければ壁を叩いた音で下地を確認して
なければ、写真のように長押でも、ないよりは良いです。
家具の天板では柱にも金物

金物を取り付けておくだけでも、家具の下敷きを逃れ
地震がおさまって逃げられる時間が稼げます。

本当にどうぞ備えてくださいね!

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