goo blog サービス終了のお知らせ 

せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

スッキリと片付く住まいの工夫、活かすのはやはり住み手

2020年08月24日 | くまもと型復興住宅02


熊本復興住宅の一年点検に伺ったのですが、
(コロナの影響で、ちょっと延期になってました。)

とても綺麗に住まわれていて、
人が住むということは、
 空間に命が吹き込まれることなのだと
しみじみと実感しました。

地震前の家にあったレンガタイルを再利用した
玄関のアプローチは、ローコストな仕上げですが

センス良い鉢植えのグリーンで
来客を心地よく迎えてくれます。



家族5人で各自の寝室と
皆が集えるリビングダイニングのご要望。
30坪の小さな木造平屋で、どこまでできるか。

いろいろと設計段階で一緒に悩み
ご家族とアイデァを練っていきました。

嬉しかったのは、
その工夫をちゃんと活かされて
とても素敵に過ごされていたことです。

何回も間取りや断面計画を練った
甲斐があるというものです。

その工夫の実際は、HPに写真をアップしました。

どこを切り取っても、オシャレに生活されていて
雑誌の取材を受けたいくらいです、笑。

アンケートの回答なども
おいおいアップさせてもらいますね。

毎日、「いい家だなぁ〜」
思って過ごされているそう。

特にお気に入りで
木を眺めていらっしゃるという
リビングの吹き抜け天井には、
五木村の葉がらし乾燥材の綺麗なヒノキの梁。



もちろん、木は生き物ですから、
建具の不具合が出てきたり、
外壁の板の釘の部分が浮いてきたりと
その場で大工さんが直して
くださるところもありました。

木の家は、出来上がってから
経年変化を楽しめる住まいです。

これからも、末長く、気持ち良く
愛着を持って、暮らしていただけたら幸いです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明るさと眩しさに感動した漆喰の壁

2018年12月17日 | くまもと型復興住宅02


いよいよ、内装も仕上がってまいりました。
監理者の完了検査で、居間に脚を踏み入れると、、、

建主さんが頑張って塗られた漆喰の壁が現れて。。。。

眩しいくらいに、美しく、明るく、
しばらく感動して眺めておりました。
(感動しスギて、全体写真を撮り忘れてます。)

毎日、1時間でもと、ご家族みなさんで
とコツコツ塗ってこられた12月。

雨で寒かった昨日の日曜日も、
頑張られました。

壁に感動しているのも、つかの間、
監理者検査として、ぐるりと中と外を確認。

修復して欲しいところの細かな指示を出しました。
駄目出しではないのですよ。

取り合いが美しくできていないところ、
棚板の出が、図面より小さくなってしまったところなど、



細かなところですが、

自分が住むつもりで、少しでも
美しく、便利で、心地よくあって欲しいと、

もうちょっとの頑張りを、お願いしてきました。

そして、外構工事の土間コンクリートも施工されました。



玄関ポーチの階段との取り合いや
車を入れる傾斜など、なかなかにうまく擦り合わせてくださり
左官屋さんには、本当に感謝です!



本日は、災害復興融資の審査申請書と完了検査申請書も提出し、
今週中には、検査を受けます。

年末ギリギリではありますが、来週には引き渡し
引越しを予定されています。

寒い中の、職人さんの頑張りと
建主さんの頑張りで、とっても温かな住まいになってきました。

ありがとうございます!

もうあと少し、ですね。

HPにも外観写真を掲載してます。
http://www.mk-ds.jp/newworks/2018/12/201812.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

杉の外壁も仕上がってきて、出来るところは住み手、自ら参加して

2018年11月07日 | くまもと型復興住宅02



月曜更新予定のブログが水曜日に持ち越しました。(ごめんなさい)
読者の皆様には、アクセス下さりありがとうございます。

現場に、相談会にと出かけていおり、
PCにじっくりと向かう時間が遅くなりました。

くまもと型復興住宅も、いよいよ仕上げ工事に入ってきました。
杉板張りの外壁も、塗装が施され、印象が一変しました。

塗装前の様子はこちら、HPにアップしています。
http://www.mk-ds.jp/newworks/2018/10/201810-02.html

ご近所から、「この色にしたとね?」と珍しがられるほど
個性的な色です。

工務店さんには、何色か見本を作ってもらい、

日光に当てたり、

日陰で見てみたり、

雨の日の色の濡れ具合など、

設計段階から様ざまなシチュエーションで検討してきました。

今回採用する色は、最終的にこの3色に絞られました。
部分によって塗り分け予定です。

家族での意見交換も何回も。。。。
そして、とうとう外壁が塗られた感じは、木目が残るグレーです。

木は経年変化で、亜麻色になります。
そしてやがて、銀鼠色になってきます。

グレーとは、最初からその経年変化を経たような色。
なかなかに、シックです。

良い色をお選びになったと思います。

そして、先週末には、軒天の杉板をご家族で塗られました。

塗装前の様子




塗装後の様子




杉の木目が綺麗な軒天は、クリア塗装。
より艶が出ました。

「首が痛くなった〜」と笑って、おっしゃっる建主さま。
大変さの中にも、どこか嬉しそうで、こちらもほっとします。

減額する意味もありますが、
できるところは自分たちで参加して
という心意気が嬉しいです。

愛着もひとしおかと存じます。

次は、内部の漆喰塗りに挑戦予定。
楽しみですね!

ここまで、安全かつ順調に施工くださっている大工さんはじめ
設備担当やメーカーの担当の方
皆様に、感謝致します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

棟上げしました! 〜工事現場は近隣の目を大切に〜

2018年09月03日 | くまもと型復興住宅02

↑建て方の様子

前回の工事進捗のブログで、ご紹介した
「天然乾燥、葉枯し材」活用の現場が、無事に上棟しました。

建主様には、おめでとうございます!!
皆様のご協力には、感謝です。

配筋検査の様子など、工事の進捗は、HPにアップしました。
http://www.mk-ds.jp/newworks/2018/09/20188-02.html

こちらでは、感謝日記でもあるので、
私が大事に思っていることをも踏まえて、
素敵なエピソードご紹介します。

棟上げの時には、クレーンを使う為、道路を塞いでしまいます。
そこで、建方の前には、施工者が近隣にご挨拶します。

また、音、匂い、ホコリなど、どうしても工事中には
周りの方に影響があります。仮囲いで覆ったとしても、です。

近隣へは迷惑をなるべくかけないように
気遣いしながらの仕事です。

ゴミが落ちていたり、 中でタバコを吸っていたりしないかなど
監督さんも厳しくチェックしますが、毎日見張るわけにもいきません。

定例会議の時には、監理者が来るからと、
きれいに掃除をはじめる現場もあります。

それでも、定期的なもので、
実際は毎日の掃除や、段取りと気遣いが大事です。

建主さんも、毎日現場に足を運べるとは限りません。

そうなってくると、誰の目が一番大事か、、、、

もう、みなさん、おわかりですね。
そう、近隣の方々の目です。

一番、気にしてくださるのが、
毎日その場に居合わせる、近隣の方なのですね〜。

現場がうまくいくのは、
建主さん、監督さん、監理者の連携だけではないのです。

そうです。
近隣の方とも、ぜひ、連携しましょう!

以前、別の現場で
建主さんが棟上げの時に、近隣の方が、
木が組み上がるのを見て

「あなたのところは、良い家ができるね〜」と
声をかけてもらいました。と、伺ったことがあります。

一般の方でも、木材の良さって分かるものなのだなぁ、、、
と感心した記憶があります。

今回は、「あなたのところは、良か大工さんね〜」と
声をかけてもらったそうです。

ということは、監督の目がないところでも、
きちんとして下さっているということです。

これは、嬉しい!
ですね。

復興住宅なので、周囲でも工事がどんどん行われています。
そんな様子を見ている近隣さんだからこそ、
人にも目が向けられたのですね。

これから本格的に、大工さんの工事がはじまります。

工事の安全を願いつつ、
建主さん、施工者さん、監理者、が連携しながら

そして、近隣の方々の目をお借りしながら
より良いものづくりに、取り組んで参ります!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ありのまま、節ありの材を採用する。木材を生かしたい仲間と共に。

2018年08月06日 | くまもと型復興住宅02




今日は、平和を考える特別な日ですね。
日本に世界に初めて原爆が落とされて73年。

子どもの時、修学旅行で訪れた広島の原爆ドーム、
社会人になって、広島の友人に案内してもらった原爆ドーム、
そして我が子を連れて行った原爆ドーム、

幾度と訪ねた場所。私には、当時の様子を想像するしかできません。
それでも、繰り返してはならない悲劇が起きた場所として、
私の心の中に刻まれています。

いま、世界中の平和を願う方が集っています。
遠方からですが、祈らせてもらいます。

平和といえば、まずは、住まいの確保でしょうか。
拠点、居場所、足元を固めていくことが、
平和な世の中にも繋がっていきます。

住まいにづくりに関わっていて、
住まいは、平和の原点でもあるなぁと
しみじみと感じています。

今日は、進行中の復興住宅について綴ります。

今回の復興住宅は、
完全にオーダーになっています。

ガイドブック掲載の案は、2~4人家族子育て世代もしくは、
高齢者2人+お孫さんの宿泊室、というように。

将来、親との同居を考えている方には、増築案。

そんな風にメンバーと話し合ってきました。
建主さんがいないところでの想定でしたから。

敷地条件や、ご家族構成で、
そのままというわけにはいかないケースもあります。

家族が多かったり、中2階が必要なかったりという方には
自由プランで対応しています。

メンバーが、それぞれにヒアリングして、ご予算と調整しながら
大きさを決めて、横に広げた案や、L型案など、、、

基本的には、熊本の木を活用するというところをベースに
南側の軒を広くして、熊本の気候風土にあった形状であったりと

根底に流れている部分は、設計者が変わっても同じになっています。

私が担当した今回の建主さんは自由プラン希望であったため、
いろいろな調整に時間をかけました。

そして、いよいよ、木材の加工に入る段階まできました!
嬉しいです。

せっかくの木造です。
壁に覆われてしまわない、表しの柱や梁も設けています。

化粧梁には、なんと樹齢70年の五木材葉枯らし材を採用予定です!

化粧といっても、通常の節の少ないものや、
柾目など高級材ではありません。

ありのまま、節ありの材です。
構造的に目が詰まっているかどうかが大事です。

昔から、見た目が良い材は、強いという風潮があります。
でも、中に、割れ節や、死に節が入り込んでいる可能性もあります。

きちんと山の手入れがされているかどうか、、、もポイントです。

現地確認には伺えなかったので、担当者が送ってくれのが記事トップの写真です。
建主さんにも見てもらいました。喜んでOKをもらいました。

断面の目の詰まり具合、私は良い材だなぁと判断しました。



節は個性。。。

そう思って、可愛がってもらえたら良いなぁ。。。と、
今から親の心境です、笑。

仕上げ加工が終わったら、
木材は、五木まで、施工者さんが取りに行って下さいます。
(搬送費をコストダウンするため)

五木材の窓口のKさんには、在庫があるのか、価格が折り合うのか
春から、何度も調整させていただきました。

その都度、対応いただき、本当に感謝です!

細かなやり取りに少々疲れる時も、正直あります。

そんな時、心が救われた言葉があります。

監督さんが
「天然乾燥は、色艶が良いですものね。
人工乾燥材はどうしても黒ずみますから。
見えるところには、天然乾燥をお客様には提供したいです。」と、
言ってくれたことです。

手間がかかり、検討事項も多いのに、
連日多くの現場を抱えて、お疲れ気味のNさんですが

建主さんの立場で、
物事を捉えてくれていることに感激しました。

こうやって、ものづくりの方向性を
共有できる瞬間があるからこそ、私も頑張れるのだなぁ。

プレカット図の最終図が出来上がってきました。
こちらのやり取りも多かったですね。


チェックバックの繰り返し。

今回初めての工場なので私も訪ねました。

担当のUさんとお互いの勘違い部分も解消でき、
頑張っている熊本の製材所や加工場も拝見でき、良い打合せでした。
このUさんがまた仕事の出来る方で、とても頼もしかったです。

設計監理者と施工者、木材提供者、加工者の、
細かい調整と連携があって初めて
良心的なコストで、良材が建主様の手元に届くのだと信じて、
今日も調整を続けます。

連日猛暑ですが、熊本の皆さん、一緒に頑張って参りましょう!

プロジェクトの進捗はHPにアップしました。
http://www.mk-ds.jp/newworks/2018/08/02.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする