せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

桜と雪降る非日常、こんなときこそ「随所に主たり」で乗り越えて

2020年03月30日 | ワークライフハッピー


関東では、日曜日に、雪が積もりました。
桜開花後の3月の雪は、とても珍しいです。



閏年には、こういうことが起きるのでしょうか?
20年ほど前にも東京で体験しました。

その時には、井之頭公園の桜のピンク色が
吹雪く雪の白さに隠れて、幻想的で、息を飲むほど。

今回は、首都圏は自治体長より外出自粛の通達が出ており
風景を楽しみに行くということは、叶いませんでしたが

雪がやんだのを見計らって
近くの神社まで、散歩くらいは良かろうと、
深呼吸して、氣を整えて、帰って来ました。



(新型コロナ対策で、海外では用のない
外出は罰金のところもあるそうですね)

犬の散歩や買い物帰りらしい方、
数人とすれ違う程度。

かえって日中の雪の吹雪で、
宴会付きお花見ができない残念な気分も、
これでは仕方ないと、諦めることができました。

この雪で、ウィルスも流されてくれたらなぁと
願うような気持ちにもなりました。

新型肺炎の感染者の日に日に増加するニュースを聴くと、
どうしても不安になりますね。

こんな時
心落ち着かせるには、どうしたら良いでしょうか。。。


〜慌てない心持ち〜

今日は、タイムリーな言葉に出会ったので、
そのことを綴ります。

毎日の朝読書の「易経一日一言」
昨日、3月29日は、『随所に主たり』。

「天雷无妄」の卦、「時に対し万物を養う」ことを
編者 竹村亜希子氏が、端的にまとめた言葉です。

時に対し、万物を養う」とは、

非日常の災いの時であれ、為すべきことを為し、
社会を良くしようとすること」とあります。

お〜、まさに、今の世界の状況ですね。

「どんな状況下でも、時の主でいること。」が
そのあるべき対応の姿であるらしいのす。

では、「時の主でいること」とは、どんなことなのか?
禅語の『随所に主たり』に通じるとあります。

「随所に主たり」の具体的な行動は、
福岡宗像の「承福禅時」の和尚の
今日の禅語の解説がとても参考になりました。


つまり、どんな社会状況でも、
主体性を持って翻弄されないようにすることが
大切ですよ。

という教えです。

つまり、惑わされないってことですね。

主体性を持って、行動すること。

日頃できているつもりでも
有事となると、、、、どうでしょう?

木曜日に、東京都知事が週末の外出自粛を
近県にも呼びかけ、神奈川県でも、
自粛するよう、知事がニュースで会見した直後

みなさん、スーパーに走られた模様。

仕事でスカイプ打合せをしていたので
買い物には、走れませんでしたが

パートナーが夕方にスーパーに立ち寄ったら
お米も、お肉も、カップ麺も、全くなく。
ほとんどの商品が消えていた、
と、青くなって帰って来ました。

へぇ〜、日頃、そんなに、皆さん週末は外食なの?
珍しく家食だから、商品が減ったのかしら?

くらいにしか考えなかった、のんびりやの私ですが、
実は、ストック買いだったのですね!

東京都知事の首都の「ロック ダウン」も視野にいれている
という聞きなれない言葉に、恐怖が煽られたのでしょうか。。

こういう状況だからこそ、先の
随所に主たり』の言葉が、心に沁みたのです。


〜状況を楽しむくらいの気持ち〜

我が家では、出かけられない分、
子どもとしゅうまい作りを楽しもうと
ひき肉を買いに、週末スーパーへ。

お客も多く、定員さんはおおわらわでしたが、
お肉も並んだので、ちょっと安心して、

非常食は少々蓄えありなので、不足分だけ
買いだめはせず。

しゅうまいは、種を母が作り
子が皮に包むという連携プレイ。

蒸す前、ねじった形など、創作の姿が、笑。

日頃の慌ただしく作る時短料理ではなく、
子どもと楽しむじっくり料理メニューの一つ。

蒸し器で蒸される待ち時間は、家族の会話時間に。

蒸した後
黄色いのは、
余った皮でチーズを包んだら中はトロトロに。
これ以外にも、野菜や点心を蒸します。

花見で宴会できなかった分、しゅうまいで、
ビールを美味しく味わいました、笑。


〜できることを淡々と行う、与えられた思考の時間を活かす〜

おかげさまで、仕事は、メール利用、
SNS利用で打ち合わせできますし、

現場写真はデジタル画像でチェック
概ね、仕上げ材料などの調べ物もネットでできるので、
本当に仕事の面では助かっています。

ネット社会が発展していなかったら、もっと、
いろいろなものが滞っていたでしょうね。

仕事も、家庭生活も
できる環境で、できることをしつつ。。。

まだまだ続く予感のコロナ感染で、

どんな日本の木の出番があるか、
(少し、アイデァが出てきました。)

これから自分は何を展開していくのか

じっくりと思考する時間を与えられたと思って

時に対し、万物を養う行動

自分を主とした時間を生かし、
やるべきことを淡々と、毎日を過ごしつつ
社会貢献していきたい所存です。

皆様、「随所に主たり」で、心落ち着けて行動し
この難局を乗り越えて参りましょう!
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この機会に、ポジティブ思考に切り替える癖をつけてみる

2020年03月23日 | ワークライフハッピー

子どもの進学先の桜道に、うっとり。

見えない不安が募るばかりの昨今、
みまさま、お元気でお過ごしでしょうか。

身体的には元気でも、物事の先がつかめないと
精神的には、まいってきますね。

新型肺炎の拡大を押さえ込むために
不要不急の外出を控える。。。ことにして、

3連休は、気候も良かったのですが
家族とほぼ家で過ごし、遠出せず、でした。

ご近所の桜の開花状況を見たり、
お弁当をもって、公園に行ったりなど
小さなお出かけで、満足しました。



そんな中、今日は我が子の進学関係書類の
学校提出日だったので、私だけ、学校へ。

(横浜市は3/24まで、
子どもは自宅待機が基本指導、延長ありの予感)

校門からの桜道を歩きました。



卒業式の保護者参加はありませんでした。
入学式も、保護者参加不可の連絡があり、
がっかりしていたところ、

素敵な桜に出会えて、心が少し軽くなりました。

今年は春先のイベントで、お祝いの場も多いからと
なんと数十年ぶりに、
トレンチコートを新調していたのでした。

現場も運転もお客さんの家にも邪魔になりがちな
ロングコートは、普段着ないのです。

ですので、ほぼ出番もなく。。。

ただ書類を出すだけでしたが、
ええ、袖を通しましたよ!

似合うかどうか、
子どもにも一緒に買い物に
付き合ってもらっていたので
「着ていけ、着ていけ」コールもあり。

まぁ、少しは気分が上がったでしょうか。。。

あれも中止、これも中止、集中できず、
仕事も滞り、、、
実は、ただ今とってもネガティブです。
今月は、正直、あんまり笑っていません。。。

先週は、春分の日。
明日は、新月。この機会に、気分を入れ替えようと、

今日は、ネガティブにならず、
ポジティブになる、置き換える、を綴ってみます。


1.出かけられなくても、安心して眠れることに感謝する

休校で子どもが家にいてばかりいる状況
前にもあったなぁ。。。

思い出しました。
熊本地震です。あの時は、余震で眠れなかったけど
今は、眠れています。

うん、これは健康面でかなり違います。

さらに、水も電気もあるし、食事も普段通り。
あ〜、有事といえども、この普段通りなことに感謝!


ダイニングテーブルに花を飾ることも、気分が明るくなります。


洗面所には、一輪挿しで。

2.休校、こんな時、子どもはマンガに救われる!?

家で、TV、ゲーム三昧の子どもたちも多いことかと思います。
親としては、あまり嬉しくない状況。。
ゲーム系、ネット系、TVはエンドレス続くので
できるだけ避けたいところ。

   地震時に小学生だった我が子は
   大好きなコナンの漫画をひたすら読み返して、
   気分を紛らわしていたことを思い出し、
  (漫画の方が、キリがつきやすい)

   マンガ大賞2020の「ブルーピリオド」が、
   芸術系の受験漫画だと知り
   今後進路を選ぶのに参考になればと、全巻購入。
   打ち込めるものとの出会い、そして生き方がテーマ。
   この漫画に、出会えて良かったと思える内容です。
   
   親も楽しんで、読んでます。子どもも、はまってます。
   こんな時でなきゃ、マンガなんか読めないと、
   感謝してます。

   世界史漫画も全巻購入。これは進学祝いね。
   って、実は、これも私が読みたいんだけど、笑。

3.お彼岸に、ご先祖に感謝!

お墓まいり、見送ってます。
ほとんどしていません。

それでも、今年は、格段にご先祖に感謝しています。

今、私たちがここに居られるのは、
昔ご先祖が、出会ったであろう疫病を乗り越えて
生きていたからだからだと、ひしひしと感じるからです。

4.日本の衛生環境に感謝!

WHOの発表で、世界の人口の2/3が、
水で手が洗えない状況なのだとか。
そのために、感染が広がりやすいと。

今回の新型肺炎。
最初、横浜に寄港したクルーズ船の乗客が
どんどん、感染していく状況に、
最初は、日本はどうなることかと
不安を覚えたものです。

外国からの入国制限や
休校の時期など、政治的判断に、
いろいろと評価する方もおられます。

私だって、政治に不満はあります。
しかし、そこに目を向けすぎると、気分が暗くなるので

今は、感染を比較的押さえ込んできたと言える日本は
さすが、衛生環境が違うからだと、実感し、
自国の良いところに、焦点を当てて考えています。

これまでの整備、その維持管理、やってきたことは
上水道、下水道に関しては、正しかったのではないでしょうか。

そのことに目を向けると、
今後、日本の環境整備がどの方向へ行ったら良いか
見えてくるのではないでしょうか。(水道民営化の今後に注視ですね)

5.できないことより、できることに挑戦

   この春は、出かけたいところ、イベント、美術館
   いろいろと計画立てていました。
   新しく始めようと予定していたことも多々あります。
   しかし、全部がぱぁ〜です。白紙です。
   手帳の予定を書き直しまくりました。

   きっと、世の中の皆さんもそうでしょうか。

   私自身は、計画立てて、実行することに、
  人一倍喜びを感じるタイプです。
  うまくいかないと、とてもイライラします。

  仕事の進捗もスムースにいかないと、仲間にも現場にも
  檄を飛ばしてしまいます。
  
  家事も段取り良くいかないと気が済まず、
  家族に当たり散らすなど、
  とても性格のよろしくない段取り魔です。

  ですから、計画が変わると、思いっきり気分が滅入ります。

  が、しか=し、、、ここで方向転換です。

  今は、家でしかできないことを、やればいいんですよ、ね。

  子どもは、大作の手芸セットにチャレンジ中。

  私は、日本の神話や神社の読書。
  神様の名前が多すぎて長すぎて、早くも挫折しそうですが、笑。

  夫は、模型が趣味なので、相変わらず家でOK。
  ゴルフと散歩が趣味の義父は、人ごみを避けてお出かけし、
  BSドラマと、庭いじりが趣味の義母は、普段通り。
  
  あ〜、平和です。本当に感謝です。

  戦争の時には、きっとこれに空襲などが加わったのです。
  もう、それに比べたら。。。

  そして現代なら、例えば、これまで、
  積み上げてきたオリンピックへ賭けている
  アスリートの皆さんの心境を思えば、不安感や焦燥感など
  私の計画変更程度では、小さい、小さい、笑。

  良い状況(ワクワクすること)から、そうでなくなると
  まるで、人生が落ち込んだように考える癖を、

  改めて

  状況に臨機応変に対応できる人間性を養う時!
  と、いざ命題を自分に与えて、楽しんでいこうじゃないですか。

  予定していた食材が、手に入らないと料理できな〜い
  ではなくて、店頭にある安くて新鮮な素材で、
  工夫して何を作ろうと、ワクワクする感じでしょうか。

  日常の生活の小さな喜びを、
  大きな課題でも一緒、と今回の状況にも当てはめてみて、
  気を引き締めながらも、

  免疫力を落とさないためにも
  精神面を安定させて、
  ポジティブ思考で乗り切って参りましょう。

  なんだかんだと、個人的状況を綴ってしまいました。
  最後までお読みいただき、感謝です。

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3月の大安に無事に着工、課題は必ず解決すると信じて

2020年03月16日 | くまもと型復興住宅03


実に、長旅です。

最初の工事仮契約から
実際の本工事の着工まで、ほぼ、1年の道のりでした。

設計期間は、その前からですので、
ヒアリングも含めると
数年のお付き合いでしょうか。

その間、工務店さんも変わりました。

私だけではなく、建主さま、そのご家族、ご親戚も
お待ちかねの工事が、やっと着工です。

波乱万丈とは、このことでしょうか。

プロジェクトの更新がなかなかされないので
不審に思われた方もおられると思います。

これでもか、これでもか、と通常とは違う
課題が前面に出てまいりました。

地域が特殊といいますか。
土地の境界のこと、用途のこと、登記のこと、過去の歴史。

さまざまなことが露わになるにつれ
辻褄の合わないところも出てきたりして。

お役所の指導内容も、課によって違いがあり
堂々巡りになったことも。

それでも、その都度、課題に
向き合われた建主さまには脱帽です。
器が大きくていらっしゃいますね。

いろいろな障害が出て参りますと
ちょっと萎えてしまうのが人間。

でも、それをクリアするにはどうしたら良いのか。。。
必ず答えがあるはずと、整理して考えていきますと
方法は見つかるものです。

時に、事前協議では、1歩進んで2歩下がる
というような時もあり,困り果て。

えっ、そんな解釈でOK?
というようなラッキーな場面もあったりして、
あっさりと手続きが進む時もあり。

建築の法律や制度、
そういったものは解釈なので、こちらの解釈と
お役所の解釈が一致しさえすればOKなのです。

その都度、お知恵やご指導を頂きもしました。
関わってくださった多くのご担当の方々には、今は
感謝しかありません。

そして、予算と内容と仕様と
これもまた、少しづつ見直しました。
それに伴い設計の時間もかかりました。

工事の方は、実際、厳しかったのは、
大工さんが見つからないということでした。

今は、住まいを見積もるにも
大工さんの予定を抑えるのが先になっている時代です。

先の工務店さんには、消費税アップ前に工事を着工すべく
お声かけしたのですが、いろいろと予定していただいたのに、
様々な折り合いがつかず、大工さんの手配も難しいとのことで
結局お断りすることになってしまいました。

そして、幾つかの私の知り合いの中から
大工さんがこの時期ならば入れるという
工務店さんに見積もりを取り直しました。

それでも、その時に抱えていた工事が
終わってからということでしたが、
結局、延びるものですね。予定より数ヶ月待ちました。

その間は、プレカットの施工図を作成してもらって
事前にチェックするなど、
着工前にできることを進めてきました。

そして、見積もりがまとまろうとする時に、
今なんとなく不安に思っている将来の介護のことで
実は、間取り変更の相談が建主さまより、ありました。

自分自身の仕事は増えます。

設計料の追加となるべきところですが
工事が遅れている上に、見積額もアップ、
更に費用負担となるのは忍びなく
今回は、無償で対応することに。

構造の壁も変更しましたので、
構造計算もやり直しです。

しかし、『起きることは必要だから起きる
このことを肝に銘じて、じっくり考えて、結論を出しました。

新築後すぐにリフォームするくらいなら
最初から対応しようということに結論づけました。

実際に、来客からすると、ちょっと遠慮するような
トイレの位置かもしれません。

しかし、私自身も両親のケアをしていて、
トイレの課題を目の当たりにしていますし
(元気なうちに段差解消はしておいて良かった!
 夜中が危ないんですね)

そして、義理両親のケアも考えて、新築時には
 水周りを考慮して設計したことが、現在功をなしていることから

自身の経験と、最後まで自立する生活を目指す
という人間の尊厳から、変更することを、判断しました。

来客優先より、毎日使うところが、一番大事ですものね。

とにかく、ここまで来るのに、一番ご心労だったのは
建主さまだと思います。よく、待ってくださいました。

これからも、何もないとは言いません。(笑)

でも、ここまで来たのですから、
今度は何が出てきても!?
楽しんで解決して参りましょう!!

それでは、工事の無事の安全を祈願して。
これまで、お世話になった方々と、
これからもお世話になる方々に感謝して。

追伸:
春めいて来ました。

週末には、寒さの中にも、心に明かりが灯るような
早咲きの桜を見て参りました。TOPの写真がそれです。

お寺の参道に散る花びらは風情に溢れて
しばし、新型肺炎対応の息苦しさから
解放された気分でした。

大日如来さまに、
世界で起きているこの騒動の終息を
祈願いたしました。


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目に見えないものへの対処は、目に見えない力で。日本古来の建築の役割とは。

2020年03月09日 | 子ども・環境

茅葺屋根の真言宗西方寺(鎌倉時代に横浜に移築)

週末に熊本ー横浜を移動したにもかかわらず、いつもより
人の少ない空港に、新型コロナゥイルスの影響を
ひしひしと感じました。

熊本行きの飛行機も空いていましたが
羽田行きも、私の列は他に誰もおらず
CAさんより、足元の荷物を隣の席に
置いて良いとのお達しがあり

初めて、席の荷物に、シートベルトを締めました、笑。
そんなゆったり旅。

行きにはあった
機内のドリンクサービスと機内誌は中止。

機内誌は、毎月楽しみにしていたので、
3月号が読めないのは、ちょっと寂しく感じました。

一方で、このような対策があるからこそ、
安心して飛行機が利用できます。

ありがたいことです。


今回のウィルス拡散防止の国の対策方針及び、
海外との行き来取引制限など
様々な影響が出ていると察します。
建築もじわじわ出ております。

震災の時と似ていて、設備機器の入荷遅れ。
中国工場での生産部品がないために、
設備機器が入荷しにくいとか。

中国に頼りっぱなしの
ものづくりも、痛いほど身にしみますね。

そんな中、京都の神社での祈祷や
仏教のお寺での護摩炊きなど、
ウィルスの拡散収束から終息を願う
「祈り」が行われています。

今回のことで、日本の建築文化と
「見えないものに対処する日本人の心」
の関連を深く考えさせられました。

国宝級のお寺や仏像は、時の天皇が、
国の平安を願って建てられたものです。
(と、日本史では学びます)
建築は、時の権力を示すものではなかったのですよ!
(海外向けに、日本力からを見せつける意図はあったようですが)

天災や飢饉、疫病などへの
人間ではどうしようもない力への対処として
お寺が建てられたのです。
(と、歴史専門家によれば、私自身の研究ではないです,笑)

地方にも建てるよう指導があり(国分寺は全国にあった)
また、古来は地方にも、お布施などで神社仏閣が建てられています。

そこには、神や仏を信じる信仰心は
自分さえ運が良くなればとか、
自分の利益を求めて拝むというよりは

むしろ平安を願う人々の心、皆の安心安全を願う
気持ちが大きかったと思うのです。

洪水災害で高台に移築された板橋区の氷川神社

日本人は海外に比べて、寄付が少ないと言われますが
昔からお寺や神社は地域が守ってきたのですから
そのことを思えば、寄付だらけではないでしょうか。

そして、残っている木の建築の凄さを見ると
そこには、とても丁寧で、高い技術力があります。



単に、お上からの命令で、
そこまで、がんばれるものでしょうか。。。

道具も未熟であるので相当な重労働です。
高いところや、深いところなど
今以上に命がけです。

そこには、創る人々の
願いや思いが強かったのではないかと思うのです。

現代のような衛生環境ではなく、とにかく日本でも
疫病が流行りました。

魑魅魍魎とした世界という言葉がありますが

それは生きた人間も、死んだ人間も、死にかけている人間も
一緒くたになった世界だったのではないかと想像します。

そこに、木の建築の力、
仏教がこれだけ日本に根付いたのも
自然災害に何度も見舞われ、
疫病も多かったからではないかと
今は思えます。

日本の仏教建築は、
古くてダサいという建築を学ぶ若い頃のイメージが
随分と変わりました。

社会問題を通じて読み解くと、
その役割が見えてきますね。

祈ることで、自分の心の平安を保ち
さらに、社会の平安を願う。

その場所=建築となったのです。
建築を通じた場の力を感じます。

想いが形になるとは、
まさにそういうことなのかもしれないと。

今、私自身も、場の力を持つ建築
やはり作っていきたいと強く思います。

今回も、やはりしわ寄せが行くのは、
社会的弱者と言われる子ども達と高齢者です。

このような事態になる前から
安心安全な子どもの環境づくりを
木の建築でやっていきたい気持ちが大きかったのですが
ますます、場づくり、場を提供したいとの気持ちが強くなりました。

今は、動くことがままならない、状況ですが
水面下で、じっくり練りたいと思います。

皆様も、いろいろなご苦労がお有りかと存じます。
どうぞ、気持ち良く、お過ごしいただけますように。。。


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日本古来の木造建築の凄さ 建っていた環境を想像してみる

2020年03月02日 | 模型・実験・見学・講習・イベント


「出雲と大和」展のポストカードより、左上が発掘された古柱の根元、
中は、出土した鏡、右上は出雲大社模型の写真

新型コロナウィルスの影響で、
様々なご準備や対応に追われている方も多い、昨今かと存じます。

我が家も、子どもの早めの昼休みには戸惑いますが
家族、ご近所、友人知人、仕事関係の皆様などに
何とか感染がないように、祈るような気持ちでおります。

また、世界中での広がりに、医療関係者の方々始め
対処くださっている方々には、感謝申し上げます。

当方でできることを考え、
この週末は、建主様とお会いするのを見送りました。
お子さんもおられるので、
少し、落ち着いてから伺うことに致しました。

今日のテーマは、皆様にぜひ観ていただきたい
と考えていた展示会の紹介です。

子どもの受験が終わり、気が楽になり
先週、早速足を運びました。満喫しました。
しかし、その後、ウィルスの影響で、閉館になってしまいました。

そこで、感動したことについて、お伝えできればと思います。

木のことと、かなりマニアックですが、笑。

ブログ最後に博物館の
紹介リンク先を貼り付けておきますので、もう観れませんが
展示の様子を、少しでも感じていただければと思います。

東京国立博物館(平成館)にて開催されていた
「出雲と大和」展の
出雲大社心御柱(しんのみはしら)と宇豆柱(うずばしら)
日本古来の木造建築の凄さを見ました。
(上記のポストカード写真参照)

この杉を3本束ねて用い、
高層の木造建築が過去に出雲にあったことが
現実味を帯びた世紀の発見、
発掘調査で地下から見つかったのが2000年と言われています。

一度この古柱を拝見したいと考えていたことが
今回の展示会で実現しました。

実物を見るとその迫力に圧倒されます。
ポストカードの写真では、直径約1.3Mの木も
ただの茶色の塊としか見えないかもしれません。

展示では、不足している分は、模型になっているのですが、
すぐに違いがわかりました。

実物は、その木目一つ一つに
悠久の時代が刻まれています。
塊から、出ているバイブレーションが違います!

これらを束ねて、実に高さ48Mの神殿を
建てていたらしいのですから
凄すぎます。(あくまでシュミレーションということですが)

現在でいえば約15階建てくらいでしょうか。
階段の長さは、109M

模型を眺めながら、高所が好きな私でも
ここを恐怖感なく、登れただろうか。。。
慄く高さと長さです。

ギリシャのパルテノン神殿を思い出します。
人は神に近づきたい一心で、高いところに建物を建てる
と学びました。ですので、古代でも高い山の上に苦労して建てたのです。

日本人も同じ!?
神話では、天の神(天照大神の使い)が、地の神(大国主神)に、
国譲りを要求した際の条件として、「立派な神殿を建ててくれたら」
ということになっていますね。

オオクニヌシは幽界を治めることになるので
空高くなくても良い気がいたしますが、
やはり上を目指したのですね。

このような感じで、この「古柱」から想像したこと、
学んだことに絞って綴ります。
(ごめんなさい。全体の展示紹介ではございません)

1)日本古来の、木の風景を想像してみる

それにしても、これだけの太い杉の木があったということです。

私の知る樹齢3000年と言われている
大杉が高さ60Mですから
48Mといえば、樹齢1000年以上でしょうか???

素晴らしく、杉に恵まれた環境であったことが想像できます。

流れてきた木を使った説もあり、実際は分かりません。

縄文時代から、杉と共にあった日本人の生活ですから
(これは分かっている)杉は、日本独特の樹種であることも鑑みると
やはり、杉林があったのではないか、、、と想像してしまいます。

2)施工技術の高さ、知恵=日本人の誇り

設計の仕事では、建物の高さが変わると
風圧計算が変わります。上空は風がとても強いからです。
超高層マンションの窓も開かないのもそのためです。

ですから、どうやって施工したのか?
茅葺き屋根など、飛ばされないのか?
足場はどう組んだのか?

と不思議に思ってしまうのです。

持ち上げるクレーンなどは存在しませんから
神社を地上で作って、吊り上げたとは考えにくい。

大きく長い階段を作ったのは、もしかして、
足場、資材を運ぶためか?などなど。

テコの原理を使って、大木を引き上げるには
多くの人力が使われたでしょう。

そんなことを考えていくと

日本人の建築への情熱と技術労力は凄い
誇らしくなってくるのです。それが感動というものですね。

バーチャルな映像展示(想像)では、
大きな森の中に
神殿がそびえていました。

大きな森の中にあったのであれば
少しは風を遮ったかもしれませんね。

きっと、研究者はいろいろな仮説があるでしょうから、
私はこの辺にしておきます。

3)記録(図面)に残すことの大切さ

それでも、この古柱は、鎌倉時代に
再建されたものなのです。

古代ではもっと高かった?らしいのです。
96M説あり、どれだけ高いの!?

私は、これはちょっと怪しいな〜と思うのですが
世界中には、古代の建築はどうやって作ったのか分からないものが
沢山ありますから、あり得るのかもしれませんね(UFO説!?)

48Mがさもありなんなのは、
この柱が、宮司を務める千家(せんげ)家に残っていた図面の
3本柱とが一致したから、なのです。
そこで、
建設されていたことが、現実味を帯びたということです。

う〜む。図面が残っていなかったら、
この3本の木は、建築だったかどうか、
分からなかったかもしれないと思うと、
残してくれた方にも感謝ですね。

ここで、自分の生業に置き換えるのですが、
設計事務所は図面を数年残すことが、義務づけられています。

今は、データという方法があります。
ただ、未来、そのデータが呼び出せるかどうか
分からないとも言われ、書面でも残しています。

期間を過ぎても、保管しています。
増改築に必要ですしね。

今の所、保存はPDFデータが一番良い
説に従い、CDにデータも焼いています。

が、溜まる一方ですね〜。

しかし、記録を残しておくことの大切さを知ったので
面倒がらずに、保管する前向きな気持ちになりました。

まぁ、私の設計監理の建築が遠い将来まで残っているかは
不明ですけどね、笑。今は、建主さんのためですね。

最後に博物館のブログを貼り付けておきます。
しばし、悠久の時間を、感じていただければと思います。

長文、マニアックにおつきあいいただき、
ありがとうございました。

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