せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

国産木材の流通

2008年08月30日 | 模型・実験・見学・講習・イベント

木材の勉強会に出かける。

実際に製材所を営む方から国産材を取り巻く環境の話を聴く。

最近読んだ資料で、スギやヒノキなど国産材の流通価格はかなり下落しているとあった。今日の話ではそれが影響して枝を落すコストも出ず、悪循環に陥っているという。

しかし、そこをユーザー側には国産材を使うチャンスに繋げたいし、製材所の価格では実際3mのスギの柱で1本2000円しないということを知れば、ユーザーも国産材を使いたくなると思うのだが。

外国産の集成材の柱に頼らず、国産の材料が適正に流通すれば、需要と供給のバランスが取れ、良質な材料を確保出来ていくと思う。

勉強会から戻ると材木屋さんからのダイレクトメールが届いていた。これがユニークなもので材料の宣伝ではなく新聞という形式で、材木屋の嘆きや想い、ロシア産の材用の関税が値上がった!などの業界情報が書いてある。

そこにも同じように国産材を設計者は使うというのに現実は集成材の柱の流通がなぜ多いのかとある。やはり大きな住宅市場の中では、国産材を選択するケースは非常に少ないと思われる。

木のことを知れば知る程、(良さについては長くなるのでここでは省略しますが)
やはり国産材を用いたい想いは強くなるし、めげずに設計では採用し続けたい。


土壁塗り体験

2008年08月27日 | 子ども・環境

昨日は建築士会の仲間と毎年恒例の子ども向け夏休みワークショップを開催。

今年は「土壁塗り体験」

08082601心配された雨もやみ、こども達は思い切り土を掴んで壁塗りを体験した。

古い建物の保存活動の一角にて、実際保存に使う本物の材料をお借りして行った。行政や工事担当者、古い建築の研究者など沢山の方々と協力しながらのワークショップ。 08082602

完成した土壁と藁の屋根の家

見学して知識を得ることと、体験して実感することではその記憶は大きく違う。こども達の五感に土の匂い、感触、冷たさが刻まれたことだろう。そして、黙々と壁塗りをするこども達の集中力に、本物の材料の魅力を感じざるを得なかった。


環境問題の矛盾

2008年08月25日 | 子ども・環境

今日は、環境とか省エネルギーなどを研究する機関が入っている建物に立ち寄る機会があった。外観はモダンな新しい建物。

そこで出会ったささやかだが昨今の環境問題を謳う国やメディアに矛盾を感じる出来事。

朝から雨で肌寒く、道中の街行く人々は、長袖か半袖の上に何か羽織るという出で立ちが多い。そんな気候の中、施設に入ると誰も居ない廊下に冷え冷えと空調が効いている。

ガラス張りの窓に面して吹抜けがあり直射日光が入るため、廊下にも空調の吹き出しが設けられているのだろう。また、密閉容器のような施設では空気が湿度でべたつき空調によって居住性を確保したいのだろう。

しかし、今日のような気候にこれほど冷える空調が必要なのか疑問に思いながら、天井を見上げると空調の吹き出し口には、冷えすぎた空気がびっしりと結露して水が今にも滴り落ちそうであった。その横でモニターでは環境を考えよう!と謳う緑の映像が流されており、違和感を拭えない。

それは、暑い夏日の夜、空調の効いたスタジオでスーツを着込んだアナウンサーが地球温暖化防止を訴える報道を見て違和感を覚えることと同じ感覚だ。

こういった出来事に出会うと、個人で考えて実践してもどうにもならないなというような何かあきらめのような感情が芽生えてしまう。

市場経済の動きの中で、個人の力では大きなものは変えられない。しかし、逆にまただからこそ、小さなことの積み重ね(なるべく空調に頼らない住まいの提案など)をコツコツと続けることも大事なのかなと自分自身に言い聞かせるしかないのだった。


夏の海

2008年08月16日 | 季節感のある暮らし

久しぶりの海!!

波の音も、照り返す日差しも、海水の冷たさもすっかり夏。

少ない夏休みだが、一昨日、海を満喫して来た。

08081402jpg

風が強く泳ぐとかなり流される。監視員がしきりに注意を呼びかけていた。

山も涼しくていいけど、海に来ると夏は海辺の近くにセカンドハウスが欲しいなぁと思ってしまう。遊び心たっぷりで設計したいなぁ、、。


周りに感謝して

2008年08月10日 | a05監理_神奈川県 藤沢市H邸新築工事

ものづくり、、ゼロから生み出すという行為の「航海」に参加してくれるメンバーと準備が整いつつある。設計者は時に、船頭になりながら、皆の協力を得て目的地に向かっていく。

けして、一人ではたどり着けない場所に。

さぁ、やろう!という声かけだけでは、この船に乗るのかどうか見極めてもらえない。その航海が情熱と力を傾けられるものかどうか、理解してもらうことがとても重要になってくる。

そして、困難を共に乗り越えよう、楽しみを分かち合おうとするメンバーが集まった時、皆には感謝の念で一杯になる。更に一緒に歩んで行くための努力を惜しまないでいたいという気持ちを強くするのだった。