乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

昂坪の大仏さん(香港・ランタオ島)

2011-01-08 | 香港
 前回のつづきで香港・ランタオ島の話です。
 ロープウェイ「昂坪(ゴンピン)360」に乗って着いた昂坪は天壇大仏を擁す宝蓮寺(宝蓮禅寺)という大きなお寺さんが見所で、ロープウェイ乗り場からお寺まではありがちな土産物屋や飲食店が並んでいます。クリスマス前だったので泡を雪のように散らして気分を盛り上げる季節ものの展示もありみんな大喜びでした。雪とは無縁の香港らしいなあ、と感心してはたとここって「お寺さん」の門前だったようなと思い出したのですが、カタイことは抜きにして先に進みます。


 土産物屋のなかに自由が丘という名前の洋風日本風の甘味処(?)がありました。温かいものはクレープや「銅鑼焼」、そのほかクッキーにビスケットなんかも売っています。ドラえもん・アラレちゃん・まる子ちゃんのキャラ人形も置いてあったり微妙な日本ムード満点でした。この店が増えたら香港や台湾で広まっている平仮名の「の」に続き「が」も広まるでしょうか。(「の」の字は「味の素」、「優の良品」のようなメジャーなところから小さなお店までいっぱい見かけます。)


 ここの「銅鑼焼」の写真を見たところドラ焼きではなく鯛焼き、いやむしろ韓国のプンオパン(フナ焼き)のようです。気になったので買ってみたらやっぱり見本の写真と同じでプンオパン風でした。


 先に歩いていくと世界各国のロープウェイのゴンドラを展示するコーナーがあります。鉄道車両の展示はたまにあるものですがロープウェイのゴンドラコレクションというのは珍しいのではないでしょうか。私が知らないだけでロープウェイマニアの方は当然訪れる場所だったりするのかもしれませんが。屋根がない展示では錆びちゃうと心配するだろうかなどと勝手に考えてしまいました


 山の中で水がいいということなのか「山水荳腐花」が昂坪の名物のようです。香港ではここのみならず豆ではなく「荳」と草冠をつけた字も混用されているのを見かけちょっと面白く感じます。


 宝蓮寺に近づくとバスの降車所がありました。なお乗車所の昂坪バスターミナル(昂坪巴士総站)はロープウェイ乗り場とこの降車所の間くらいに位置しています。


 遠くからも見えた天壇大仏に登る階段の登り口に窓口があり、ここからやや離れたところにあるお寺の食堂の食券を売っていました。なぜここで食券を売るかというと大仏さんの内部見学に食券が必要だからです。(階段を登って外観だけしか見ない場合は不要)内部見学券と食券が抱き合わせになっていると言うとわかりやすいでしょうか。この見学特典付食券は豪華版の食事券・普通の食事券・軽食(小食)券と3種類がありますが、いずれにしても何か食べることになるので大仏さんの中を見物するつもりならロープウェーからの道々の誘惑に負けあれこれお食べ過ぎないよう注意が必要です。

 登ると大仏さんを間近に見るどころか中にまでお邪魔するわけですが、敬虔な仏教徒でない私は仏教画だとかが飾ってある内部よりも眺めがいい方を面白がって降りました。ということは中に入る必要はなかったかもしれません。そういえば以前鎌倉と牛久でも大仏の中を見物しましたからこれで仏の「中」も三度目という感じです。


 続いてお寺さんの見物に移ると豪華なお線香などに目が行きます。

 この辺りでそろそろ軽食が気になって心ここにあらずでちゃんとお参りの心持ちになっていたか怪しいというバチ当たりぶりです。


 お寺の奥の方に待望の食堂と軽食コーナーがあります。

 ちゃんとした食事は食堂の中、軽食は奥の軽食コーナーで受け取ってセルフサービスで表の椅子で食べるという具合に分かれていました。

 軽食コーナーには「馳名豆腐花」という看板が出ています。


 2人分の軽食です。炒め麺と豆腐花がまずつき、そこにプリン状のものや揚げたお菓子、羊羹状のものなどたくさんあるデザートのうちから一人2品を選ぶことができるので軽食とは言え結構食べでがあってびっくりしました。豆腐花は生姜の効いたシロップが掛かっただけのシンプルなものながら繊細な舌触りでとても美味しくさすが名物と謳うだけのことはあると感心です。


 というわけでお腹も落ち着いたら昂坪見物も気が済んだので先に進むことにしました。(こちらに続きます。)
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ロープウェイ「昂坪360」(香港・ランタオ島)

2011-01-07 | 香港
 今回は香港国際空港のすぐ近くにあるランタオ島(大嶼山)を見物したときの話です。ランタオ島を代表する観光地は昂坪というところで、そこに向かうロープウェイ「昂坪360」にまず乗りました。
 昂坪360の起点はMTR東涌線の終点東涌駅の近くです。昼過ぎに東涌駅に着き北側に出ると市内バスの大きなターミナル(東涌鉄路站巴士総站)がありました。2階立てバスがなんだかおもちゃに見えます。


 ロープウェイ乗り場に上がる直前にランタオ島のローカルバスを運行する新大嶼山巴士(NLB=New Lantau Bus)のバスターミナルがあり結構熱心に客引きをしていました。

 昂坪まではこのバスでも行くことができるので商売敵というわけです。島内一日乗車券なんてのも用意されていたり普通運賃であってもバスのほうが安いもののロープウェイに比べかなり遠回りをしている上、ロープウェイは乗ること自体が観光みたいなものですからバスはちょっと不利という感じです。


 ロープウェイ乗り場に上がってみると平日の昼過ぎだというのに行列が長くてびっくりしました。まず切符の窓口まで並びさらに乗り場まで並ぶという順番で、並び始めてから乗るまで50分もかかりましたから休日なんか一体どうなっちゃうんだろうと恐ろしくなります。これなら本来の所要時間は長くてもバスの方が早く着けるかもしれません。
 私は行列がキライなので(好きという人もあまりいないと思いますが)1人だったら即バスにするところですが今回は乗り物酔いしやすい同行者がいるので並んでもロープウェイの方がいいということになりガマンして待ちます。訪問時は12月だったので気候はよかったものの、もし暑い季節に乗ろうという場合は行列に備えて飲み物なんかも用意しておいた方がよさそうです。


 というわけでやっと順番が来てゴンドラに乗れます。カメラマンがいて乗るとき写真を撮られるので思わずピースしたらこれが降りる頃にはちゃんとできていて販売されるという寸法でした。観光地によくあるワザですね。路線は直線ではなく途中2回方向を変え距離が5.7キロもあり20分ほどかかるのでだいぶ乗りでがありました。

 海を渡る箇所や山越えがありなかなかスリリングです。

 ただこのロープウェーは試運転中に無人のゴンドラが落っこちたことがあるというのでシャレにならないスリルですけれども。乗ったゴンドラは台湾人家族4人と中国人2人組とこっち2人の合計6人で3国相乗りということになります。20分もあるとなんとなく会話が始まるものでみんなで写真の撮りっこしました。すれ違うゴンドラを見るとやはり座がほぐれているようで一斉に手を振ってきたりと皆さんテンション上がっている様子を見るのも面白いものです。


 幸い落ちることなく昂坪に到着しました。

 降りると名物の「天壇大仏」が見え記念撮影の格好の背景になっています。こちらもマネして記念撮影をしました。


 今回はここまでで一旦切り、大仏さん見物は次回とします。
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クリスマス前のマカオ

2011-01-06 | マカオ
(前回のつづきです。)
 静かなコロアネ島からバスで夜のマカオの中心部に戻ってくるとネオンがずいぶんときらびやかに感じました。そこまで見たいというようなあてもないのでとりとめもなく散歩することにします。


 まずマカオのシンボルみたいになってるサンパウロ教会跡に行ってみました。漢字では大三巴牌坊とか聖保禄教堂、英語でセントポール教会など様々な書き方が並ぶのを見るとなんだか面白くなります。クリスマスを控えなかなか派手な飾りが出ていました。暗くなってもそれなりに見に来る人がいて悪くない雰囲気です。


 マカオの中心地セナド広場(議事堂亭前地)に行くとクリスマスイルミネーションが出ていました。

 サンタは当然として中華の象徴(?)パンダがたくさんいるのは返還なった澳門らしさをアピールするためでしょうか。大人向けのネオンがまたたくマカオの夜にこういうカワイイイルミネーションというのは好対照で面白いものです。


 ミルクプリンで有名な義順牛奶公司で食べていくことにします。以前は広場に面していたそうでかつてあった場所に移動を知らせる看板がありました。

 今は広場から新馬路沿いを進み郵便局を過ぎたところにあります。素直な味がいい感じです。


 食べ終わって近所にあるカテドラル(大堂)に行ったところ石畳がシャレていました。

 こちらはあまり浮かれていない雰囲気です。

 ありがたい方面の御誕生シーンが飾られています。


 さてマカオの夜というとやはり打ったり買ったりの方面という気がするので、バスの経由地にもよく「リスボア(葡京・ポウキン)」と書いてあるマカオの有名ホテル「葡京酒店(ホテルリスボア)」に入ってみました。

 ゴテゴテの内装ながら街の雰囲気に似つかわしいからか意外とそこまで悪趣味に感じなかったりもします。


 ホテルリスボアを見物したあとは向かいのグランドリスボア(新葡京)で鉄火場に入りました。大きくタバコ臭いホールでスロットを見るとどうもパチンコ屋を思い出しますが、天井が高くてピコピコジャラジャラの騒音がなくディーラーがいる分なんとなく上等な感じはします。ここではタダで配ってるお茶とプチケーキをご馳走になってお姐さん2人が何やらやっつけな感じでくねくね踊ってるステージを見て退散しました。何せタネ銭もありませんから。表に出たら日本製のバスがなんだか都バスのように見えました。


 表に出ると「押」=質屋が目立ちます。周りの環境にふさわしく「勝利押」いう名前で終夜営業だそうですがそういえば質草になるものも持っていないので打つ買うカネがないあんたはお引き取り願いますと言われてる感じがしてきたりです。


 というところでだいたい納得したのでフェリーターミナルに出て香港に戻りました。
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コロアネ島(マカオ)

2011-01-05 | マカオ
(前回のつづきです。)
 今回はまずタイパ島からコロアネ島(路環島)に移動するところから話を始めます。タイパ島観光の中心になる官也街バス停からコロアネ島に行くバスは本数が少ないようなので(70分毎の15系統のみ)、300mほど離れた澳門運動場バス停(コロアネ島に行く系統15・21・25・26・26Aが発着・最小間隔の25系統は15分毎)でバスを待つことにしました。

 待つ間来るバスを見ていると回送表示はもちろんのこと重量や定員までポルトガル語が併記されているので改めてさすが一国二制度だと感心します。ポルトガル語を用意する手間がかかって大変ですからあまり面白がっては申し訳ないのですが。「一国一制度」になるときはどうなるでしょうか。


 澳巴の25系統黒沙海灘行きが来たので乗りこみます。車内ももちろんというのかポルトガル語だらけでした。



 タイパ島とコロアネ島は埋め立てによって地続きになっているので特に島から島へ渡っている感覚はなく、何だか新開地っぽいところ(コタイ・路氹城)を通ったなあと思っているうちにコロアネ島に着きます。降りた停留所は旧市街の広がる路環市区(ロウワンシキョイ)です。


 降りるとすぐにロータリーがあり、21・26系統はここで折り返します。


 ロータリーの脇にはエッグタルトで有名な「ロードストーズベーカリー(澳門安徳魯餅店)」があり観光客が群がっています。

 隣の建物に由来が書いてあったので読んでみると、「ロード」と言っても創始者のストーさん(故人)が本当に爵位持っていたわけではなくてイギリス人の存在が珍しかったマカオの人が勝手にロードとつけて呼ぶようになったとか書いてありました。のんきな話ですね。

 自家製というレモネードと一緒にエッグタルトを買って早速店の前のベンチで食べてみます。なんというかとりあえず素朴な台付プリンという感じでしょうか。件の由来書きにもイギリス風に考えた独自レシピとあり、ポルトガルつながりで引き合いに出されがちなリスボンのベレンのが有名なポルトガルのパスティス・デ・ナタはあくまでヒントであって別のお菓子のようですね。


 食べ終わったらその辺を歩いてみることにします。ベーカリーのすぐ裏手にはなんかカワイイ感じのEspaco Lisboaというポルトガル料理レストランが見えちょっと気になりましたが夕食どきまでここにいる時間の余裕がないので通過しました。

 ベーカリーの向かいからはフランシスコ・ザビエル教会に向かう客商街を南に入って行きます。入口には八百屋などあるものの夕暮れ時だからかあまり人を見かけず淋しい通りでした。



 その先はすぐにフランシスコ・ザビエル教会です。

 教会自体カワイイ感じの外見ですし周辺もポルトガル風によく整備されています。海鮮レストランなんかもあって華やいだ雰囲気でした。


 さらに南に進み海岸沿いの道がどん詰まりになると譚公廟です。


 対岸がすぐに中国の珠海市だけあり歩哨の詰所がありますが無人でした。


 海岸沿いはよく整備された散歩道でのんびりした感じではあるものの、海岸べりの民家の庭を見ると鉄条網のついたフェンスが貼られややものものしいボーダーの雰囲気が顔を出します。


 といったところで暗くなってきたし一応満足したしでバスに乗ってマカオの中心部に戻りました。次回は夜の市街地を見物します。
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タイパ島(マカオ)

2011-01-04 | マカオ
(前回のつづきです。)
 今回はマカオの街中にある水坑尾街(ショイハンメイガイ)バス停から澳巴22系統に乗ってタイパ島(氹仔・タムチャイ)に向かいます。


 マカオ本土とでもいうべきマカオ半島と隣のタイパ島の間はかつて渡船が活躍していたそうですが、今は3つも橋がかかりバスが頻発していてごく便利です。最も多くの系統が走るバスのメインルートは3つのうち最初に作られた「澳氹大橋(嘉楽庇総督大橋)」で、私の乗った22系統もここを経由しました。


 タイパ島に上陸し市街地(氹仔城区)に入るとよく整備されている様子の狭隘区間を走ります。狭いと言っても一応歩道が確保された一方通行ですからギリギリ感はそれほどなくバスを降りた後に改めて行ってみると歩きやすい道でした。


 降りたのは氹仔中葡小学(タムチャイチョンポウシウホク)停留所です。

 ここでの目的は大利来記咖啡室という猪扒包(ポークチョップバーガー)で有名な軽食・喫茶のお店で、バス停の目の前にあります。

 猪扒包は午後3時くらいから売り出すというのでそれを狙って着いたところ多くの人がぱくついていました。すごいと聞いていた行列は既に大したことなかったもののお客の切れる間がなくどんどん売れていきます。味は薄味の生姜焼き挟みパンという感じでパンの美味しさが印象的でした。


 食べちゃったらすぐに乗りバスというパターンになりがちですが今回は同行者がいるので観光します。と言っても3時過ぎではあまりのんびりもしていられませんからざっとですけれど。まず大利来記咖啡室のすぐ近くにある北帝廟に行きます。

 中華圏で見かける蚊取り線香みたいな渦巻形線香が目立っていました。日本の蚊取り線香はひょっとしてこれから思いついたということはないでしょうか。


 北帝廟から路地を奥に入っていくと官也街でポルトガルムードのある街並に観光客が集まっています。

 一帯は観光地として結構整備はされているものの空き家も目立ったりで過渡期という感じがしました。陳皮干してたり祠があるのはやっぱり中華という感じです。


 ポルトガル料理店がいくつも目に付きます。ポルトガル名物「バルセロスの鶏」が書いてある公雞(意味はポルトガル語のGaloと同じ雄鶏)の看板はちょっとカワイイ感じで見ていたらまたバルセロスに行きたいなあと思ってしまいました。


 官也街から300mほど歩くとカルモ教会(嘉模教堂)・龍環葡韻住宅式博物館(タイパハウスミュージアム)と主要な観光ポイントが固まっています。住宅というのは昔ポルトガルの役人の別荘だったそうです。


 ここでは結婚アルバムの撮影ロケに来た婚前カップルご一行が目に付きました。結婚するとき映画のシーンみたいな写真が延々と並ぶ派手なアルバムを作る風習は中国のみならず台湾、韓国にもありますが、どこもプロのカメラマンを使って扇風機や照明なども持ち出したりとかなり本格的です。


 売店にポルトガルのミネラルウォーター「Luso」があり空き箱が転がっていました。ポルトガルのLusoは取水地の近くを列車で通ったことしかありませんが閑散とした駅を思い出し、ただの水の分際であそこから遠いマカオまで来ているのかとちょっと感心してみたりです。でもそれを言ったらやっぱり遠くから運ばれて日本まで来るエビアンだのボルヴィックなども似たようなものですね。



 という具合にやややっつけ気味にタイパ島観光を終え、またバスに乗って今度はエッグタルトを食べるためコロアネ島に向かいました。
(次回につづきます。)
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