暑いので今回は昨年乗ったカナダのポーラーベアエクスプレスすなわちホッキョクグマ急行の北端にある町ムースニー(Moosonee)の話です。ホッキョクグマとなればなんとなく涼しそうな気がするかも、というわけでしばらくお付き合い下さい。(乗り鉄の話はこちらにあります。)
と始めておいて何ですが、いかにも出そうな列車名なのに沿線にホッキョクグマは生息していないそうです。一応「ポーラーベア州立公園(Polar Bear Provincial Park)」という生息地のひとつから最も近い鉄道とは言えそうですが終点のムースニーから300km以上離れその間を結ぶ車道もなくイメージの列車名という感じでしょうか。(ただし冬季のみAttawapiskatまで道路が開通するそうです。)ちなみにこの列車が走るオンタリオ州の西隣マニトバ州のウィニペグから北へ向かう列車に乗ると2泊3日でチャーチルに着きそこではホッキョクグマが見られるそうなのでそっちの方がポーラーベアエクスプレスの名にふさわしい気がしますが色々事情があるのでしょう。
ではまずポーラーベアエクスプレス南端の駅コクレーン(Cochrane)のホームです。
コクレーンでポーラーベアエクスプレスに乗って5時間弱で着くムースニーは鉄道は通じていても車道は他の地域に通じていません。陸路で外部と行き来できる交通機関は鉄道だけというわけでちょっと離島に通じるものがある気がします。地図で見ると北極海から続くハドソン湾から大きく南に切れ込む支湾のジェームズ湾沿いで結構北の果てに着いた感はあるのですが北緯は51度とロンドン並みで実はそれほどでもありません。
ムースニー駅前からまっすぐのびる目抜き通りはこんな感じです。未舗装でややホコリっぽいのですが一応パラパラと人通りとクルマ通りはありました。
店の数は少ないものの大きなスーパーがありKFCなどファーストフードも入っているので普段の買い物には困らなさそうです。価格も高くなくごく普通という感じでした。鉄道は通年運行されているので物流もしっかりしていそうです。
スクールバスやコミュニティバスらしきものも走っていました。
ムースニーは原住民クリー族の多い地域なのでときおりクリー語が併記されているのを見ることができます。
駅から目抜き通りを数分歩くとムース川にぶつかり渡船場がありました。ここから出る船は中州にあるムースファクトリー(Moose Factory)という町までのものです。橋はないので船というわけですが冬は川が凍るのでクルマになり、どちらも使えない時期はヘリコプターまで使われたりと渡る方法が変わり大変そうです。特にあてもないのでせっかくだからと乗ってみたところ運賃は1人片道15ドルと結構なお値段ではあるものの誰かと乗合になっても1人でも同じ運賃ですぐに出発するので便利でした。
茶色い水の川が広がる景色は普段せせこましいところで生活している身にはスケールが大きくなんだか凄いところに連れて行かれそうな気がしましたがぶっ飛ばす船に乗ることわずか5分ちょっとで地味なムースファクトリー側の船着場です。
船着場の近くには病院があり救急ヘリも見え頼もしいものがあります。
その先にはパラパラと人家が見えときおりクルマが走るもののごく静かです。
地味なガソリンスタンド兼スーパーというか大きいよろず屋みたいな店に入ると奥の売り場には家具やスノーモービルまで置かれていてたまげました。ケンタッキーとピザハットの持ち帰りカウンターもあります。
町の中に昔(18世紀半ば以降)の建物が保存されている野外博物館的な一角がありました。海の凍らない時期に北のハドソン湾を通って行き来する船の発着地点として1637年にハドソン湾会社によってムースファクトリーの町が作られ、対岸のムースニー側が町になったのはずっと後になってからだそうですが今は南からの鉄道のみならず空港や港もムースニー側にあり外部との玄関になっています。
ハドソン湾会社が建てた教会や社員寮も名所とされ立札が立っていました。
ムースファクトリーをひと回りしたところでムースニーの対岸側の川面を眺めてみます。そう華やかな景色でもないもののここから下っていくと間もなくジェームズ湾にハドソン湾と続き先は北極海につながっているんだなあと考えるとちょっとありがたい気もしとりあえず納得したのでまた船とポーラーベアエクスプレスに乗って南のコクレーンに戻りました。
なおポーラーベアエクスプレスは他の定期旅客列車に接続がありません。なのでコクレーンから大都市に出るにはこんな感じに便数の少ないバスを乗り継ぐ必要があり不便ですが人口が希薄な地域なので公共交通網があるだけありがたいとも思うところです。
というわけで暑い日にホッキョクグマや北極海、ハドソン湾という字面を出し涼んだ気になった(?)ところで話を終わりにします。
と始めておいて何ですが、いかにも出そうな列車名なのに沿線にホッキョクグマは生息していないそうです。一応「ポーラーベア州立公園(Polar Bear Provincial Park)」という生息地のひとつから最も近い鉄道とは言えそうですが終点のムースニーから300km以上離れその間を結ぶ車道もなくイメージの列車名という感じでしょうか。(ただし冬季のみAttawapiskatまで道路が開通するそうです。)ちなみにこの列車が走るオンタリオ州の西隣マニトバ州のウィニペグから北へ向かう列車に乗ると2泊3日でチャーチルに着きそこではホッキョクグマが見られるそうなのでそっちの方がポーラーベアエクスプレスの名にふさわしい気がしますが色々事情があるのでしょう。
ではまずポーラーベアエクスプレス南端の駅コクレーン(Cochrane)のホームです。
コクレーンでポーラーベアエクスプレスに乗って5時間弱で着くムースニーは鉄道は通じていても車道は他の地域に通じていません。陸路で外部と行き来できる交通機関は鉄道だけというわけでちょっと離島に通じるものがある気がします。地図で見ると北極海から続くハドソン湾から大きく南に切れ込む支湾のジェームズ湾沿いで結構北の果てに着いた感はあるのですが北緯は51度とロンドン並みで実はそれほどでもありません。
ムースニー駅前からまっすぐのびる目抜き通りはこんな感じです。未舗装でややホコリっぽいのですが一応パラパラと人通りとクルマ通りはありました。
店の数は少ないものの大きなスーパーがありKFCなどファーストフードも入っているので普段の買い物には困らなさそうです。価格も高くなくごく普通という感じでした。鉄道は通年運行されているので物流もしっかりしていそうです。
スクールバスやコミュニティバスらしきものも走っていました。
ムースニーは原住民クリー族の多い地域なのでときおりクリー語が併記されているのを見ることができます。
駅から目抜き通りを数分歩くとムース川にぶつかり渡船場がありました。ここから出る船は中州にあるムースファクトリー(Moose Factory)という町までのものです。橋はないので船というわけですが冬は川が凍るのでクルマになり、どちらも使えない時期はヘリコプターまで使われたりと渡る方法が変わり大変そうです。特にあてもないのでせっかくだからと乗ってみたところ運賃は1人片道15ドルと結構なお値段ではあるものの誰かと乗合になっても1人でも同じ運賃ですぐに出発するので便利でした。
茶色い水の川が広がる景色は普段せせこましいところで生活している身にはスケールが大きくなんだか凄いところに連れて行かれそうな気がしましたがぶっ飛ばす船に乗ることわずか5分ちょっとで地味なムースファクトリー側の船着場です。
船着場の近くには病院があり救急ヘリも見え頼もしいものがあります。
その先にはパラパラと人家が見えときおりクルマが走るもののごく静かです。
地味なガソリンスタンド兼スーパーというか大きいよろず屋みたいな店に入ると奥の売り場には家具やスノーモービルまで置かれていてたまげました。ケンタッキーとピザハットの持ち帰りカウンターもあります。
町の中に昔(18世紀半ば以降)の建物が保存されている野外博物館的な一角がありました。海の凍らない時期に北のハドソン湾を通って行き来する船の発着地点として1637年にハドソン湾会社によってムースファクトリーの町が作られ、対岸のムースニー側が町になったのはずっと後になってからだそうですが今は南からの鉄道のみならず空港や港もムースニー側にあり外部との玄関になっています。
ハドソン湾会社が建てた教会や社員寮も名所とされ立札が立っていました。
ムースファクトリーをひと回りしたところでムースニーの対岸側の川面を眺めてみます。そう華やかな景色でもないもののここから下っていくと間もなくジェームズ湾にハドソン湾と続き先は北極海につながっているんだなあと考えるとちょっとありがたい気もしとりあえず納得したのでまた船とポーラーベアエクスプレスに乗って南のコクレーンに戻りました。
なおポーラーベアエクスプレスは他の定期旅客列車に接続がありません。なのでコクレーンから大都市に出るにはこんな感じに便数の少ないバスを乗り継ぐ必要があり不便ですが人口が希薄な地域なので公共交通網があるだけありがたいとも思うところです。
というわけで暑い日にホッキョクグマや北極海、ハドソン湾という字面を出し涼んだ気になった(?)ところで話を終わりにします。
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