乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

美濃・旗山見物

2015-04-26 | 台湾
 高雄から日帰りで美濃と旗山に行くことにしました。この辺りは「乗りバス」のために何度か通っていますが今回は珍しくというのかバス好きではない同行者がいる観光目的です。なのでなんだか新鮮な気分で高雄客運の美濃バスターミナルに着きました。


 美濃はそうすごい繁華街はないものの田畑が近く緑が映えるゆったりした町で、客家系住民の多い土地柄の文化を活かした観光整備が進んでいます。東門楼や中正湖、美濃客家文物館といった名所はバスターミナルからやや離れていて徒歩での見物はきついのでターミナル隣の店で自転車を借りました。町の周りはそれほど起伏がないので楽です。


 適当に走ってみてバスターミナルの東南にのびる永安路(永安老街)の雰囲気がちょっと気に入りました。


 道が狭くなる地点にはやや唐突な感じで古井戸があります。昔は近所で共用していたとのことです。道沿いは時代のついたいい風情の建物が少なくないのですが寂れた感じもあります。


 かつてのバス通りということもあるからかどことなく日本の旧街道にも通じる雰囲気です。


 錆びたバス停を見ると消えかかった高雄客運のマークと(おそらく)劉公壇という字がうっすらと見えました。また街角のあちこちに陳菊高雄市長をキャラにしたイラストが入った旧正月のポスターが貼られているのが目立ちます。こういうものは正月が終わっても貼りっぱなしということが多いおかげで巳年のものも見られました。そういえば陳菊市長は台湾の民主化運動が弾圧された「美麗島事件」で政治犯とされ長く投獄された経験のある人物です。今は市長としてこんなコミカルなキャラになっているのを見るとしみじみ台湾は大変な歴史だなあと思ったりしました。


 昼食は老街の入口に広告が出ていて気になった合口味という客家料理の食堂に入ってみます。左は冬瓜高麗菜封(高麗菜はキャベツ)とメニューにあるのを店員さんが気をきかせてくれ「大きいから2人なら半分にしとけば?」というので冬瓜だけにしたものです。それでも結構食べでがありました。右は野蓮(和名はタイワンガガブタ)炒めと米の麺の「【米反】(米扁に反)条」です。


 サイクリングと食事に満足したらバスで旗山に移動します。数年前にキレイになった旗山転運站(旗山南バスターミナル)内の路線図を見るとだいぶあちこち訂正されちょっと乱雑な感じになっていました。バスは変わりやすいものだとしみじみします。ここでは近所の古い商店街「旗山老街」へ行きました。


 旗山は来るたびにキレイにまた賑やかになっているので感心します。今回目についたのは韓国モノです。韓国飾品だけでは飽き足らず「正Korea」と面白い表現で念押しするくらいなので他国製が韓国製として売られることも多いのかも知れません。また昨年ソウルや春川といった観光地で食べてへーと感心したことがある「食べられるステッキ状のものの中にアイスを入れたもの」があり子供の人気を集めていてびっくりしました。韓国で食べたときは特にどこのアイスとも書いてなかったため台湾で看板にハングル(ポティモクアイスクリム/つっかえ棒アイスという意味)が添えられているのを見てははあ韓国発のモノであったかとわかり思わぬところでスッキリした次第です。行き来が多い時代だけにこういうものもあっという間に伝播してどこのモノだかわからなくなりますね。


 尤もせっかくバナナで有名な旗山に寄ったのだからつっかえ棒アイスは次に韓国に行くときの楽しみに回し、食事もできる甘味処とでもいうような店の枝仔氷城でバナナサンデーをおやつにします。


 だいたい満足したので最後に昔の軽便鉄道の駅に寄ったら記念スタンプが反原発メッセージ入りなのでちょっとびっくりしました。台湾の反原発メッセージはまさしく草の根という感じで色々なところにひそんでいます。


 というわけでのんびりと楽しい1日が過ごせました。

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