乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

箱根へ衝動乗り鉄

2012-07-19 | 神奈川県
 小田急新宿駅の地上ホームにロマンスカーの展望室が頭を突っ込んでいるとなんだかワクワクしてきます。困ったことに「新しい白いやつ」すなわちVSEはどうもロマンスカーとは思えずワクワクしません。ということはもうLSE=7000形しか選択肢がないわけです。


 で、なんとなく券売機をチェックしたら発車間際の「はこね」後展望席に空席があります。しばらく箱根にも行ってないなあ、と衝動的に箱根湯本まで特急券を買ってしまいました。ちなみにかぶりつき好きとしては基本的に展望席は前がいい、とは思うのですが、新宿の行き止まり側から展望席を見ると「すぐ『そこに』乗り込みたい」欲がわくうえ、発車後新宿駅を見送るのはなんか気分がよいので新宿から乗るときは後展望席も気に入っています。
 発車し複々線化工事の進むわやわやした車窓を見ていると周りではお弁当だのが開き始め車販もやってきました。ロマンスカーに乗って「走る喫茶室」ではなく「車販」で弁当買って食うなんてなんか違うよなあ、といまさらながら思ったりもするのですが、他人が食べてるの見るとつられて食べたくなるのが人情というもので結局耐え切れなかった私の負けです。
 メニューを見ると白いVSEをかたどった容器に入った「ロマンスカーVSE弁当」、また白地に今のロマンスカーロゴや現役ロマンスカーの絵が入った「ロマンスカー海鮮どんぶり」なんてのがありますが、前述の通り私は白いのはロマンスカーじゃないという固定観念があるのでそんな容器の弁当食うわけにはいきません。そこでSEが掛紙に描かれた「ロマンスカーおむすび弁当」を買ってせめてもの抵抗(?)としました。そういえばこの細長い折りたたみテーブルもロマンスカーらしさを感じさせてくれるものだったりします。


 お腹もふくれだらだらとしているうちに気づけば小田原を発車し箱根登山鉄道に入っていました。以前はここから三線軌条区間に入るのでだらけた気持ちがやや引き締まったのですが、それもいつの間にか過去の話です。思い出したらなんだか残念な気分になってきます。


 入生田の車庫から箱根湯本まで残る三線軌条区間を見てちょっと機嫌をなおしました。


 箱根湯本に着いたら登山電車に乗るかバスにでも乗るか、と何も決めていなかったのですが、奥のホームを見ると唯一残る釣り掛けの旧型車編成が停まっていたのでこれ幸いと飛び乗ります。LSE→釣り掛けとは今乗り鉄するには最高の「車両運」だツイてる、とニヤニヤしていると「この車両は冷房がありません。冷房をご希望の方は次の列車をご利用ください。」とアナウンスがあってびっくりしました。逆に「最近多いニセレトロ風とは違うホンモノのアンティーク電車です。」くらいのことを言ってもいいような気がしますが、ともあれ親切なアナウンスではあります。冷房がないと窓が開けられると喜ぶ私でもさすがに暑いなと思う程度の暑さでしたから。


 こうなると降りる駅は終点強羅の一つ手前、彫刻の森と決定です。かぶりついて釣り掛けの響きを楽しみます。


 電制がついているので下りは「逆釣り掛け音(?)」を楽しみたいのですが、釣り掛けは1編成しかないので登り・下り確実に楽しもうと思ったらとんぼ返りせざるを得ません。ただ終点の強羅まで行くと折り返し時間が短く余裕がないので1駅手前の彫刻の森で折り返すことにしたというわけです。
 そういう理由ですから彫刻の森を見物するでもなく復路の切符を買って折り返しを待つだけです。

 というわけで「逆釣り掛け音(?)」を楽しみつつ箱根湯本に戻ります。


 箱根湯本に着くと地下鉄千代田線直通の「メトロはこね」が停まっていました。箱根から千代田線までロマンスカーが直通するなんて昔言ったらホラ吹き扱いだったはずですが、そういえば今はスペーシアが新宿に顔出したりとか以前は考えにくかったことがいろいろ現実になっていますね。古い車両がなくなってつまらんと文句言ってばっかですがこの点は面白く感じます。


 という具合に彫刻の森まで行って戻ってきた、というだけの話でした。

(おまけ)
 箱根登山鉄道はスイスのレーティッシュ鉄道と姉妹鉄道提携しています。


 こうやって広告を掲示してみたり「ベルニナ号」とか「サンモリッツ号」と車両に愛称をつけたり車体の色を似せてみたりいろいろです。(左の車両がレーティッシュ風塗色)


 箱根湯本まで来る小田急1000形もこの通りでした。


 そんなレーティッシュ風塗色を見ていて、なんか違和感があるような気が、と帰ってレーティッシュ鉄道の画像を見直したら理由がわかりました。

 窓の上の黄色い帯は1等室のしるしなので2等室部分には入ってません。箱根登山・小田急のレーティッシュ風塗色はモノクラスなのに全体に黄帯が入っているのでヘンに感じたというわけです。でもいったいなぜそうしたのでしょうね。
コメント
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