第3弾リメイク「最後の試練?」
「そうか...
とすると...」
賢明はサヤの言葉を聞いて、
何か気づいたようだった。
「ひさめちゃんとみはるちゃんの記憶が消えたのは、
永久のこととケンタのことではないかもしれない。
二人はもう無罪放免されたんだ。
俺たち、6人にはまだ邪心があるんだよ。
いや、
俺にはあった。
ごめん...」
賢明は邪心という言葉を使って、
他の5人に頭を下げると、
「まさか?」
「そういうことだすかあ?」
「だったら...」
「あたしも...」
「ケンタの場合はそうか!」
ふうた、
たまお、
ネネ、
キミカの順でそう言うと、
「なに?
みんなのわかったの?
意地悪しないで教えて?」
と、
サヤがわけのわからないという表情で、
他の5人の顔を見回すと、
「サヤちゃんは何故だろうな?」
と、
賢明がぼそっと言った後、
「これが最後の試練かもしれんだすなあ」
と、
たまおもつぶやくように言ったのだった。
(続く)
新作ディープ(?改)「友情ではなく、報復?迷?探偵木太郎最後の推理?」
「問題はこれから?」
「ああ、俺たちが生き残られた
というより、生き残らされたのは、友情ではなく、報復なんだ」
と、
オチタの疑問に、木太郎は身体のどこかが痛いのか、
少し顔を歪めながら言った。
「報復?」
オチタが思わず大声をあげると、
「まあ、オチタにはわからないだろうなあ。
キモ男3人衆の辛さが...」
木太郎はそこまで言ったとき、
「そうか!
動機はそんなことだったのか!
すべて謎は解けた!」
木太郎は先程とは違い、
真顔で大声をあげた後、
「いいか!
この後が大事だからな」
と、
オチタの目を見つめて、
木太郎らしくない真剣な表情でそう言うと、
「すぐに、この部屋からでるからな」
と続けて言ったのだった。
(続く)
第??弾「ミケーレの蒼き仮面」第五章308
「あー!
サギーだ!
真ん中はあの格好はアニーだね。
もうひとりは誰かな?」
「ウトーが大きくなっただけじゃない?」
「僕かなあ?」
カマキリ鳥が国王の家来に運ばせた絵を見たとたん、
ウトーとパティはそんなことを言った。
「ウトー様ですかあ?」
カマキリ鳥はパティの言葉を聞いて、
絵の中のひとりの人物とウトーの顔を見比べたが、
違うような気がしたので、疑問形の形で言うと、
「でも、僕じゃないでしょ」
パティはその絵の中のひとりの人物が
まるで自分でないなら、
ウトーしかありえない
といった考えで、先程、あんなことを言ったようなことを口走ると、
「なんだ、パティ。
そういうことか?
でも、僕じゃないね。
男だし、
これから会う人間かもねえ」
と、
ウトーはパティが何故あんなこと
を言ったか理解できたので、そう言うと、
「そうすると、
格好はアニーに似てるけど、
仮面を被っているのは、
ウトーかもしれないし、
僕かもしれないねえ」
と、
パティが言った。
「そうか。
仮面がもし二つ完成していたなら、
6人いてもおかしくないんだよねえ。
サギーでしょ。
アニーでしょ。
パティでしょ。
僕でしょ。
後二人か?
でも、
なんで、こんな絵があるのかなあ?」
と、
ウトーが言うと、
「あのー」
と、
ミケーレが絵の中の人物に心当たりがあるのか、
何か言いたそうに、声をあげたのだった。
(続く)
カミサン伝説20「ハッピー編」430
「うん...
俺だけど、
いえ、私ですが?
なに...
そんな...
...
マジメ落ちつけ...
あー...
...
そんなバカな...
そうだ!
先生が悪いんだ...
あー...
違った...
さっきなんだったな...
あー...
あー...
あー..」
龍之介が携帯電話に出たとたん、
急に大声でわめきながら動揺して、
あーばかり言っていたので、
これは、
何か重要なことだと思った、
恩師あおむが、
「ちょっと、
代わるだす」
と言って、
龍之介から携帯電話を奪うように取ると、
「あおむだす。
龍之介がパニック状態なんだすが、
何か起きたんだすか?
マジメさん、
落ちつくだすよ」
あおむの電話の相手の龍之介の妻マジメも
かなりパニくっていて、
要領の得ないことを何度もわめくように大声で話していたので、
あおむはまずマジメを落ちつかせようと、
「マジメさん、
ここにはいろんな像があるだすから、
何が起きても大丈夫だすよ。
とにかく、
一呼吸するだす。
それから、
ゆっくり話すだす。
いいだすな」
(続く)
ドア女「ドア女Ⅵ」ヘ
「いいか、ネネちゃんが共犯なら、
インターフォンを見えないところで、
鳴らすことは可能なんだよ!」
「あー?」
「だから、
3人が聞いたインターフォンの音はふうたの家のものじゃないんだ?」
「おー、そういうことだすかあ」
「普通、
部屋の中でインターフォンが鳴れば、
それはその家のインターフォンの音だと思いこむ。
しかし、
実際に3人が聞いたのは、
ネネちゃんが持ち込んだインターフォンのスピーカから
流れていた音なんだよ!」
「ケンタ!
どうしたんだよ!
別人になったみたいだな」
「何!」
「賢明、
そのほめ方はイヤミだすから、
やめるだすよ!」
続エスカレーター改「諭吉にご対面?嗤う亡者ガキ!いないケチガキ?」
「だば、おにいさん、
このコインロッカーを開けてみるだすよ!
これが領収書兼暗証番号だす」
怪しい?
こんなに簡単に諭吉にご対面とは?
「開くんだろうなあ?」
「試してみるだすよ」
どうするかな?
まあ、開けるか?
「いいの?」
「もちろんだすよ」
怪しい!
目が嗤ってる!
...
...
...
「あー!
あった!
ケンタの紙袋」
「だば、それあげるだすよ!
おにいさんの分だす!」
「あの子の分は?」
「もちろん、あるだすよ」
ケチガキは...
いないなあ?
うーん?
まさか、
このケンタの紙袋がカラ?
じゃないな。
でも、開けてからだ。
「開けて確認しないと、
信用できないなあ」
「もちろんだすよ!」
よし!
ケチガキはいないが、
諭吉とご対面!
新第3弾ゾンビ「はずせないメンバーは5人?」
「キミカ、言いかけたことわかってるわよ。
本当は私それでいいの。
永久くんを除いた他の7人が認めない。
まあ、みはるはどうでもいいけどね」
「やっぱり、
他の7人は、
たまおくん、
ふうたくん、
ケンタくん、
永久くん、
ひさめの、
5人ははずせない
と思ってるんでしょ。
で、
ひさめは、
永久くんが揉め事嫌いなのわかっているから、
永久くんと一緒なら辞退したい
と思っているんでしょ。
でも、
他が許さないから、
みんなに合わせる永久くんもそうはならない。
だから、他の考え、探しているんでしょ。
率直に言うわ。
あたしとネネの交代でしょ」
「そう。
でも、
おそらく、
たまおくんかふうたくんが、
ネネとひさめを競わせて、
真カミサン伝説に近い話しを造らせよう、
と狙っていて、他の5人もそれがわかっているから、
無理なのよね」
「キミカ、わかってるのね。
何かいい方法ないかな?」
「ひとつあるんだけど...」
「なに?
また、黙り込んで」
「それが...」
(続く)
本編リメイク「空猿エイタ?」
「だから、
僕は空猿エイタなんです!
僕は騙されてたんです!」
「いいから、今は黙ってなさい。
衰弱しきってるのに...」
「おい、空猿って?
この前の生存者と同じじゃないのか?」
「いまはいい。
この少年、こんな穴に長くいたから、
少し、頭が変になっているんだ」
「声をひそめろ。
合わせろ」
「ああ」
「なに、
こそこそやってるんですか?
だから、僕は空猿エイタなんです」
「わかったよ。
とにかく、今は身体を」
(続く)
レイジーブラザース「殺されぬ前に殺せ!」
「殺される前に殺すんだすよ!
龍之介、直哉!」
「わかってるぞー!」
「俺はとどめを刺すから、
龍之介、
頭突きでオヤジを失神させろ!」
「それでいいんだす」
「あ・ほ!」
「どうやら、勘違いされてますよ」
「それどころじゃないですよ。
龍之介くんはアホでも、
頭の固さだけは...」
「もしや、
はめられたのかのう...」
こうして、
マスター、カイミヤマ、ジュウロウの3人は
絶体絶命にピンチに陥った。
(続く)
春のループ作ゾンビ「トイレ女」「想定どおり?」
では、早速、続きを。
男は、ドアが開いた瞬間、動画を停止したそうです。
男は、
いったんは驚いたものの、
扉が開いたのには、
何か、
トイレ女の作戦があるに違いない、
と思い直し、
もう一度、
その後の様子をじっくり観賞したいと思って、
ゆっくり巻き戻したそうです。
しかし、
扉の上部だけにカメラの焦点を合わせていたので、
扉が開いて、
閉じたところしか、
確認できず、
誰かが入るところは確認できなかったそうです。
男は少しは姿が映っていないか、
何度も何度も巻き戻して確認したそうですが、
やはり同じだったようです。
しかし、
男は満足していたそうです。
トイレ女は、
おそらく、
しゃがんでトイレに入ったものだ
と考えたかららしいです。
よく考えれば、
不自然なんですが。
そのときは男はそう思い込み、
明日カメラの焦点をこっそりずらせばいいだけだと安易に考え、
多分、この後、出てくるときも同じだろうと、
アクビをしながら、早送りもせず、
そのまま画面を見続けたそうです。
しかし、
10分くらいして、
再び、
トイレのドアが開くと、
男はまた腰を抜かしてしまったそうです。
その理由は、
開いたトイレのドアから、
人が出てきて、
カメラの方を見て、
にやっと笑ったからです。
はい?
何でそんなことくらいで腰を抜かす?
トイレ女ならそのくらいやりかねないだろう?
いえ。
そうではないのです。
カメラの方を見て、
にやっと笑ったのは、
ご名答!
そう!
トイレから出てきて笑ったのは、
その男自身だったそうです。
はい。
本家もどきズラヅラ仮面3「自由が丘の牧師のケツの紋所はげに怖ろしきアレだった?」
この紋所が目に入らぬか?
くだらねえ?
コウモンの真似で、
汚ねえ、コウモン晒す気か?
ウワー...
ゲリピーよりひでえ...
なにっ?
そのげにも怖ろしき紋所...
アーーーーーーーーー!
牧師の意味は...
退散...
あっ!
一足遅かった...
「椅子クソ兄弟再登場!逆サクラあおむの探偵ごっこ」「大笑い」
ウメナの部屋に、
あおむ、かおむ、ウメナ、マツメが揃った。
「どうだすたか、あの二人は」
あおむが笑って訊くと、
「本当に売れない漫才師みたいで楽しかったです」
マツメは笑いながら、そう言う。
「かおむも人が悪いだすなあ。
本当は売れない漫才師だすのに」
と、
あおむがわざとそう言うと、
「売れないどころじゃないから、
本当のことは言えなかったんだよ。
経費けちったみたいでさ」
と、
かおむが答えると、
「なーんだ。
やっぱり、あそこまでバカな人はいないと思ったのよ」
と、
マツメが大笑いすると、
「あの人、漫才師の一人だったんだ。どうりでバカ過ぎたんだ」
ウメナも大笑いした。
(続く)
「そして3人しかいなくなった?」174
「たける? 夢か?」
みつるは目を何度もこすりながら、
玄関の向こうを見る。
「間違いなく、
たけるさんですよ」
リカが言うと、
「そうですよ。
たけるさんですよ」
と、
タケも言う。
3人が驚いた表情で伏せた状態のままじっと玄関の方を見ていると、
玄関が開き、
たけるが、
「はー... 危なかった!
もう少しであそこに取り残されるところだった」
と言いながら、
ビルの中に入ってきた。
3人は立ち上がると、
たけるに駆け寄った。
「どうやって、
このビルに戻れたんだ?」
と、
みつるが、
たける、
だということを確かめるかのように、
たけるの顔や身体を触りなが訊くと、
たけるが外の玄関脇のスペースを指さして、
「いや、あの世界、
見た目の明るさと違って、
気温が低く異様に寒かったんで、
なんか羽織るものでもないか
とビルに戻りかけたんだ。
そうしたら、
ビルが揺れ始めるのが見えたんで、
慌てて、そこまで駆け寄ったら、
大きな揺れと共に真っ暗になったんでその場で伏せたんだ。
そして、
明るくなったと思ったら、
まだ、
ビルの中は真っ暗だったんで、
玄関までそっと歩いてきたら、
3人が見えたんだよ。
本当、助かったよ」
たけるは普通に話し顔も笑ってはいたが、
身体だけは震えていた。
「奇跡ですね」
リカが笑いながら言うと、
「正直、私はたけるさんとはもうお別れだと思ってました」
と、
タケが笑いながら正直なことを言う。
「本当だよな。
正直、
ビルの外で真っ暗になったときはもう死ぬか
と思ったよ。
もう、勝手に単独行動するのは懲り懲りだ。
ああ、そうだ。
あの世界で、
こんなものを見つけたんだ」
たけるは笑いながら言うと、
ポケットから何かを取り出そうとした。
(続く)
サクラナ外伝フォー「あほ」
「あほ」
サクラナはウメナの声を真似て、
そう電話の向こうの女に言った。
サクラナはその後少し考えてから、
今度は、
「あほ、ママ来た」
と言って、
自分から携帯の電源を切った。
「ああ...」
サクラナは携帯電話の電源
をもう一度入れ直すと、
ウメナの携帯を見直して、
そうつぶやいた。
タマキは先に見たウメナの携帯電話とサクラナの様子から、
だいたい今の電話の内容が予想できたので、
「まさか、
あおくんの例の母親から?」
涙を浮かべて、
携帯を震える手で操作しているサクラナに声をかけた。
サクラナは黙って、頷いた。
「あおくん、生きてたの?
それで意識戻ったの?
本当?」
タマキが涙を流しながら、
そう訊くと、
「ウメナ!
全部わかってたのね。
今、
あおくん、意識が戻った
って。
ウメナのおかげよ」
サクラナはタマキの問いには答えず、
そう言って、
ウメナの胸に顔をうずめて泣いたのだった。
あの日のことである。
(続く)