カミサン伝説20「ハッピー編」410
秋子への電話はハルカが入院していた病院の看護師からだった。
体温を測るために病室に入ったら、
ハルカがいなくなっていたので心当たりがないか
という連絡だった。
秋子は、
本当のことは話さず、体調が良くなったので、
何か食べに行っただけだと嘘をついた。
「ハルカが病院から消えた?」
「あの子らしくないねえ。
以前のときの方が全然苦しかったはずなのにねえ」
「まさか?」
「あんた、縁起でもないこと考えないでよ」
「でもなあ...
どうして、
こうとんちんかんというか、
思い込みが激しいというか、
まあ、いい。
どっか心当たりないか?」
「そうねえ?
もしかたら」
「あるのか?
もしかたらだけどねえ」
「万一ということもある。
弟子たちに電話して探させるか?」
「そんなにおおげさにしたら、
後でハルカが...」
「じゃあ、チンタとケンタだけに連絡するか?」
「そうしてくれる。
多分、バカなことはしないと思うけど」
そんな話しをしつつも、
不安そうな寿司屋夫婦だった。
(続く)
「ドア女Ⅳ」ほ
「ネネちゃん!」
「動くな!」
「あー」
「そんな...」
「てめえらがやったのかあ!」
「違いますよ」
「そうだすよ」
「...」
「あのー、奴らには不可能では?」
「うん? あー」
続エスカレーター改「ガキにも仏心!ケチガキの居ぬ間に。消えたもう一人の怨霊?」
「だすが、僕は鬼じゃないだす。
ちゃんと、
救急車を呼ぶように頼んだだすよ」
あー...
これから、呼ぼう!
「すいません...
えーと...
子供が急に...
...
...
...」
ここどこだ?
「ちょっと変わるだすよ。
えーとだすなあ。
...
...
...
早くしてくれだすよ」
こいつ、頭いいなあ...
「おにいさんは...
わかっていただすから...
ちょっと、
彼を寝かせて、
あっちへ行くだすよ」
うん?
「何で、死んだフリを?」
「だすから、勘違いだすよ。
それよりもだすなあ。
今のうちにやることがあるんだす」
ケチガキの居ぬ間に?
そうか?
消えた金の処理か?
「おにいさんにも分け前あげるだすからな」
仏心があるかと思ったら、
ケチガキを救急車で運ばせて、
その間に金をちょろまかす気だな?
それにしても、
もう一人は?
やっぱり、怨霊か?
それで、ケチガキが?