「さとかず」の読書のススメ

シンガポールから送る独断的な読書録
(基本ルールとして、単行本は出版社名、文庫本は文庫シリーズ名を記載)

サイパン陥落の歴史的意味は東條内閣の瓦解

2005-06-27 09:10:36 | 歴史・戦争
多くの日本人が犠牲となったサイパン島に天皇が訪問するとの報道がありましたが、当時の政治に鑑みてこのサイパン陥落は当時の東條内閣の瓦解に大きな影響を与えたとされています。

読了本
「東条英機 暗殺の夏 吉松 安弘 新潮文庫」
一度、総理大臣という権力を握ってしまうと引き摺り下ろすには大変な労力がかかることは、現在の小泉政権を見ても本質は変わりのないことのようです。もちろん、当時とは総理大臣の位置づけも違う中で状況(もちろん、引き摺り下ろす手段も異なります)は違うのですが(面白いことに戦後の総理大臣の方が実際の権力では一極集中になっています。当時、東條首相が参謀総長を兼任していた時期があったとしても)。

東條英機という存在は虚像の方が一人歩きをしているように思えます。一般の人たちが抱く「東條」とは、対米戦争の象徴としての「Tojyo」でしょうか。

一番の間違いは捕虜になることを恥とせず、その為に死を選ぶ必要はないこと。しかしながら、捕虜になったとしても機密保持を徹底して守ることをさせなかったことでしょうか(海軍は管轄外でしょうが)。

入手本未読
「祖父東条英機「一切語るなかれ」 岩浪由希子 文春文庫」
「東條英機 封印された真実 佐藤早苗 講談社」
「東條秘書官機密日誌 赤松貞雄 文藝春秋」

天皇のサイパンの慰霊の訪問に際して。

*当時の本人の書簡から「東條」と書きました。

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