「さとかず」の読書のススメ

シンガポールから送る独断的な読書録
(基本ルールとして、単行本は出版社名、文庫本は文庫シリーズ名を記載)

本日読了、「下流喰い 須田慎一郎」

2006-10-29 17:56:54 | 政治・経済
本日読了

「下流喰い 消費者金融の実態 須田慎一郎 ちくま新書」

最近のニュースを見ているとグレーゾーン金利問題は金利の一元化により決着しそうな中、手に取るにタイムリーなこの1冊、興味深く読み進みました。

政府・国会議員の役目は金貸しという仕事の存在をどう闇にもぐらないように、悲惨な目にあう人たちがいなくなるようにし、生活が立ち行かなくなった人たちに対して行政や立法によりどう救済できうるかの早急な行動と思います。
著者が書いているように、グレーゾーンの撤回が借りられなくなる人たちが生じるという消費者金融側の詭弁、これを一般の人たちが知ることが必要に思えました。

私達が肝に銘じておくべきは、高い金利で消費者金融から借りたちょっとしたお金が、悲惨な目にあう入り口だということでしょうか。

所得が少ない層がお金を借りることによってますます困窮を極めていく社会。それを後押しする消費者金融と、そう呼ばずに「サラ金」と呼びましょう!

とにかく格差のある社会は平和な社会ではないと思えます。

オススメの1冊、一読の価値ある本です。

*本体価格700円+消費税=>17.70シンガポールドルで購入

本日読了、「湖中の女 レイモンド・チャンドラー」

2006-10-24 10:41:19 | 思想・文学
解説にあるように、ところどころに戦争の影を感じる1冊、本日読了

「湖中の女 レイモンド・チャンドラー ハヤカワ・ミステリー文庫」

序盤、緩やかにながれる物語は寝る前にぴったりの本で、なかなか先にページをめくれなかったのですが(数ページ読んだ段階で寝ていました)、終盤に収束する内に寝る時間が遅く遅くなってきました。序盤で湖の中で見つかった遺体は、予想していたような内容ではあったものの、十分に楽しめました。

この本は最初の方をどれだけ我慢できるかがポイントかもしれません。序盤を修行と思って読むべきかどうか?ジョン・アービングがとあるインタビューで言っていたように、映像などの発達による受け手としてのスピード感を得ている現代の我々にとっては必要ない説明などが、この時代の小説にもあるのかもしれません(1943年発表)。

ところで、相変わらず、ハードボイルドの場違いな言い方、好きな人にはたまらないのでしょうが、マーロウのセリフに?と思ってしまうのは私だけでしょうか?これは訳本で読んでいるからなのか、ちょっと疑問。


最近はレイモンド・チャンドラーを連読中。次は「高い窓」へ移行。

10月15日読了、「プレイ・バック レイモンド・チャンドラー」

2006-10-17 01:09:50 | 思想・文学
10月15日読了、

「プレイ・バック レイモンド・チャンドラー ハヤカワ・ミステリー文庫」

古本屋で購入したこの本、蛍光ペンでラインが多く引かれています。基本的に本に書き込みなどしない私です(一時、誤字脱字を見つけてはマークをつけて遊んでいた時期もありますが)。もし私が死んでこの手の本が残った時には、手に取った人はいかに思うか・・・・・・。おいおいこんなところに線を引くか?と思いつつ、あきれながらも読みました。しっかりと最後には読んだ日らしい年月日が記載されています。また苦笑い。

さて、
「しっかりしていなかったら、生きてはいられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」
有名なマーロウのセリフ、なんだか記憶していたものと微妙にずれていて、しっくりきませんが、はたして原書では如何に書かれているのでしょう。今度調べてみようと思います。

読むということの面白さという点では、けっしてつまらないわけではないのですが、訳者が解説で書いているように物語の質自体は?


再びチャンドラーの本を読み始めました。家にはこの作家の未読本があと数冊あります。気がついたときに買っていてよかったと思います。

昨日読了、「パン屋再襲撃 村上春樹」

2006-10-09 20:52:04 | 思想・文学
先日、NHKの夜の番組(NHKワールド・プレミアム)に出演した来生たかおの唄を聞いていたら、ちょっとセンチになり、いつか再読しようと思い古本屋で買った村上春樹の短編集が読みたくなりました。

昨日、再読
「パン屋再襲撃 村上春樹 文春文庫」

改めて思うことは、村上春樹の昔の短編集は本当に面白いものもあった、けども、忘れていたけど本当につまらないものもあった、ということ。

しかし、初期の短編集といえるものは、まだろっこしくて、いいです。

・パン屋再襲撃 <=そうだ、マクドナルドを襲うのだった・・・・・・
・象の消滅 <=ん~
・ファミリー・アフェア <=面白く、何故か懐かしいような
・双子と沈んだ大陸 <=むむ・・・・・・
・ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界 <=読む必要があるかな?
・ねじまき鳥と火曜日の女たち <=短編から長編へなる物語 「ノルウェイの森」となった「蛍」みたいなものか?長編となった物語は読む価値あり

とにかく、独特の村上春樹ワールドが楽しめます。