「さとかず」の読書のススメ

シンガポールから送る独断的な読書録
(基本ルールとして、単行本は出版社名、文庫本は文庫シリーズ名を記載)

昨日の出来事 タクシーに乗って

2005-06-30 09:17:07 | 思想・文学
昨日乗ったタクシーの運転手は、本来はある会社の管理職だったという50代の男性。話し振りはインテリ風。

最近、仕事柄タクシーを多用する私は時々運転手と話します(本来はおしゃべりな床屋と運転手は嫌いなのですが、こちらが興味を持った場合には話しかけることも)。

NYCの911テロの影響で会社が倒産して、仕事を探したのだけれどもなかなか見つからなくて、子供はアメリカに留学中(メディカルドクターの勉強中=>アメリカ合衆国は弁護士と医者はグラディエイト・スクールだから大学院ですね)との内容。
運転手を始めて2ヶ月たったけれども、自分に向いてないと思う・・・・・・と。タクシー会社との契約は1年が最短なので、どうするか・・・・・・など。

運転手にこの人が向いてないことは、私も同感。降りる時に「Cheer up!」とガッツポーズまでしてしまいました。

読了本
「ブライト・ライツ ビック・シティ マキナリー 新潮文庫」
入手済み未読
「Bright Lights, Big City: A Novel (Vintage Contemporaries) McInerney, Jay Random House」
高橋源一郎の訳が嫌いで原書のペーパーバックを買ったのですが、めんどくさくなって訳本を読んでしまったという1冊。

出だしをちょっと連想してしまいました。

ぼくたちの好きな戦争 小林信彦

2005-06-29 08:59:23 | 思想・文学
週刊文春が楽しみなのは、小林信彦のコラムです。

小説で傑作なのは、

読了本
「ぼくたちの好きな戦争 小林信彦 新潮文庫」
重くなりきれない笑いを含んだ作風が上手くミックスされて微妙な味を醸し出しています。この作家で1冊を選ぶとしたらこの本に間違いはないと思えます。オススメの1冊です。

確かこの本は新潮社の書き下ろしだったのでは?一昔前はこの新潮社の書き下ろしの依頼が来て初めて作家と認められるといった風潮があったとか、本当でしょうか?
確か、一部の人たちでずっと言われている村上春樹の最高傑作は「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」、これも新潮社の書き下ろし。

気に入っている環境なのですが・・・・・・、韓国人家族がお隣に引っ越してきました。

2005-06-28 12:25:16 | 歴史・戦争
シンガポールの閑静な丘の上に建つコンドミニアムに住んでいます。
コンドミニアムとは、住居内にプールやジムなどがあり、住環境に恵まれています。

数ヶ月前にお隣に韓国人家族が越してきました。私は自分のことを人種民族で差別をしない人間として生きようと思っていましたが、区別することにしています。

さすがに昨晩、夜の10時近くにピアノを弾くとは・・・・・・、呆れた。

1、非常階段のドア口に子供の自転車を置いていたので注意しました。親にどけさせました。
2、私の住居ぎわに子供の自転車が置かれていたので私の手で相手側に移動させました。これは不法占拠とでも言えるでしょうか。むっとしました。
3、子供が踊り場で走り回り騒いで煩いので怒鳴りつけました。日本語で怒鳴りましたが、きょとんとしていますので、英語でエレベーター前のロビーは公共の場所だ!マナーぐらい守れ!と言いました。

こんな私はいつか伊藤博文みたいに暗殺されるでしょうか?

人を憎んで食を憎まず。昨晩はキムチを食べました。

朝鮮と言えば、こんな本が本棚にあります。
未読
「朝鮮王朝最後の皇太子妃 本田節子 文春文庫」
本とは関係ないですが、私の知人が海外で韓国人の男性と結婚しましたが、大変だったようです。働かない、暴れるなどなど。離婚しました。その後日本人と再婚。

まあ、日本人の家族も行儀の悪い人たちもいますので、たまたまそのような韓国人家族が近くに来ただけでしょうが・・・・・・。

永六輔 朝日JAL文化講演会 笑う

2005-06-28 00:52:16 | 芸能
シンガポールでは時々日本航空や全日空が後援しての落語家などの講演会があります。
参加は抽選(たいてい申し込みすれば大丈夫)で、入場料は無料。
エアラインが後援の為、無料日本往復チケットの抽選会がちょっとした盛り上がりを見せます。

けっこう抽選には強い我がカップル、今回も狙いは日本往復チケット!
今までの2人のシンガポール総戦歴は
バック、テレビ、時計(辞退しました)、無料ホテル宿泊券(2回目は知人に差し上げました)、カラープリンター(これは抽選まで待てずに帰ったところ、名前が連呼されていましたよ、とのこと。結果他の人へ再抽選)など。
*他のパーティなども含む。

今回も当たったらどちらが前に出るか抽選前から話し合っていました。周りの人たちは抽選前から俺前に出るのヤダヨ、などとぬかしている私を変なやつだと思ったことでしょう。

しか~し、

今回の戦勝品
「妻の大往生 永六輔 中公文庫」
サイン本でした。

チケットまでに手が届かず、が、写真をパシリ。けっこうミーハーな私でした。

講演会の感想は、下手な落語家より話が面白かった。
お年の為の勘違いか、話を面白くする為に作るのか、聞き手に事実誤認をさせる内容もあり、人によってはすべて信じるのだろうな~と妙に感心。

同じテレビ黎明期世代は小林信彦の話が聞きたいですね、できることならば。

サイパン陥落の歴史的意味は東條内閣の瓦解

2005-06-27 09:10:36 | 歴史・戦争
多くの日本人が犠牲となったサイパン島に天皇が訪問するとの報道がありましたが、当時の政治に鑑みてこのサイパン陥落は当時の東條内閣の瓦解に大きな影響を与えたとされています。

読了本
「東条英機 暗殺の夏 吉松 安弘 新潮文庫」
一度、総理大臣という権力を握ってしまうと引き摺り下ろすには大変な労力がかかることは、現在の小泉政権を見ても本質は変わりのないことのようです。もちろん、当時とは総理大臣の位置づけも違う中で状況(もちろん、引き摺り下ろす手段も異なります)は違うのですが(面白いことに戦後の総理大臣の方が実際の権力では一極集中になっています。当時、東條首相が参謀総長を兼任していた時期があったとしても)。

東條英機という存在は虚像の方が一人歩きをしているように思えます。一般の人たちが抱く「東條」とは、対米戦争の象徴としての「Tojyo」でしょうか。

一番の間違いは捕虜になることを恥とせず、その為に死を選ぶ必要はないこと。しかしながら、捕虜になったとしても機密保持を徹底して守ることをさせなかったことでしょうか(海軍は管轄外でしょうが)。

入手本未読
「祖父東条英機「一切語るなかれ」 岩浪由希子 文春文庫」
「東條英機 封印された真実 佐藤早苗 講談社」
「東條秘書官機密日誌 赤松貞雄 文藝春秋」

天皇のサイパンの慰霊の訪問に際して。

*当時の本人の書簡から「東條」と書きました。

戦争物でも一押しの一冊 「逃亡」

2005-06-26 19:19:24 | 歴史・戦争
小説の中にも読ませる戦争(大東亜戦争)物があります。私の読書傾向の一つが大戦に絡めた物語です(あまりにフィクションが強かったり、史実の明らかなミスは許せませんが)。

そのうちの1冊が、

読了本
「逃亡 帚木 蓬生 新潮社」
逃げるということ、その一念をこう描けるとは。オススメの1冊です。

期待して後日購入し、読了
「総統の防具 同上 日本経済新聞社」
読めないことはないのですが、「逃亡」の面白さと比べてしまうと、明らかに購入は失敗でした。

教訓:ある本を読んだ喜びでもって、同じ作家の他の本に期待すべからず。

他の本も面白そうな題がありますので、これから読んでいこうと思っている作家です。

なかにし礼 「兄弟」

2005-06-25 14:38:04 | 思想・文学
作詞家との認識があった、なかにし礼の本が以外に面白く一挙に読んだことがあります。

読了本
「兄弟 なかにし礼 文春文庫」
自伝的小説とあるこの物語。面白くて彼女に勧めましたら、「迷惑な兄弟」という感想・・・・・・、確かに当たっている・・・・・・。以前にジャック・ケルアックの「路上 河出文庫」を友人に勧めた時と同じ反応に苦笑いしてしまいました。読み物に倫理を求めず、物語の面白さに惹かれる私ですので、基本的に何でもO.K.ですが、他の人はそうでもないようです。

面白い物語=>実際にその登場人物が自分の身近にいたら、迷惑。これが一般的な考え方なのでしょうね。

逆の傾向として、物語を演じたのが太宰治であり、三島由紀夫なのでしょう。
ぜひ、石原慎太郎(作家としては2人に遠く及ばないにしても)にも死ぬ前に何かやって欲しいと思うのは、やはりお知り合いではないから。
その予兆はありそうですが・・・・・・。

大鶴義丹は賀集利樹と似ている?

2005-06-24 11:40:16 | 思想・文学
海外にいて楽しみは、日曜日の大河ドラマ。
シンガポールはNHKワールド・プレミアムを見ることができます。
英語のとっさの一言などでも出てくる賀集利樹、どこかで見た記憶がと思っていましたら、2世役者の大鶴義丹に似ているのでは?

読了本
「スプラッシュ 大鶴義丹 集英社」
はい、お金の無駄でした。

「義経」の気弱な情けない役柄が、マルシアとの離婚騒動の情けなさとダブっただけで、いやいや、大鶴義丹は中村俊介に似ている、との話もありますが。

本日立ち読み読了 「起業バカ」

2005-06-23 21:15:04 | 政治・経済
今日はシンガポールの本屋で1冊立ち読みしてしまいました。

読了本
「起業バカ 渡辺仁 光文社」
ここシンガポールでも起業する人たちがいます(私もそのひとり)。2ドルで株式会社を立ち上げられますが・・・・・・。
この本で「そうだ」と強く同意できる点は、他人は失敗を期待している、その点でした。

光通信のことが書いてありました。やはりそのような人なのでしょうね。創業者がお金に困っていた時に貸した人と話をしたことがありますが・・・・・・。

Numberベスト・セレクション1、本日読了

2005-06-23 11:53:58 | その他
本日読了
「Numberベスト・セレクション1 スポーツ・グラフィック ナンバー編 文藝春秋」
全体的に文章が荒いかな、といった印象は否めずというところでしょうか。
期待した反面、がっくり感も強いのでしょうね。

この本に関しては、気に入ったところを立ち読みするのが正しいお金の使い方でしょう。


読んだ方がいいのでしょうが、何となくほったらかしのフロイト

2005-06-22 11:12:57 | 思想・文学
「フロイト」などは現場において何の意味をなさないと言い切る精神科の医師の友人がいますが、はたしてどうなのでしょうか?

入手済み途中投げ出し
「フロイト著作集1 精神分析入門(正・続) フロイト 人文書院」

日本のフロイト研究者といえば、慶応の小此木(亡くなられたようですね)。「君は慶応の小此木を知らんのか!」と自分を知らない人に怒鳴りつけるのはよくありません。若い時から「フロイト」に傾倒し、かなりいじめられたので人間が曲がってしまったとの話あり。

兎にも角にもフロイトを読んでおいた方が楽しめる本もありますので(ドストエフスキーなどはその一つでしょう)、読むことはオススメします。私も続きを読まねばとすでに10年以上の月日が流れてしまいました。

シンガポールでホットな話題はバラバラ殺人事件

2005-06-21 23:03:31 | その他
ここしばらくシンガポールでホットな話題はバラバラ殺人事件、連日新聞などに取り上げられています。

読了本
「佐川君からの手紙 唐十郎 河出書房新社」
本を読んだ記憶しかないのですが、TVで見る佐川一政は印象深いものがありました。今も日本ではTVに出ているのでしょうか?殺人を商売にした男、佐川一政。それを本にして出版した唐十郎、どっちもどっちでしょうか?

先日TVで、木馬に乗る唐十郎の姿を見て、なんだかアホくさい、と思ったのは私だけでしょうか?時代は完全にご本人の前からすり抜けて行った気がします。

ところで、バラバラ殺人事件の犯人のシンガポール人はやっぱり死刑でしょうね。

史実と小説 錨のない船 加賀乙彦

2005-06-20 21:34:30 | 歴史・戦争
歴史を題材とした物語は扱いに困ります。

読了本
「錨のない船 上・中・下 加賀乙彦 講談社文芸文庫」
物語として読むには史実が入りすぎて、歴史として読むには物語が入りすぎている本です。
どちらかに偏っていれば読みやすいのですが・・・・・・。

ひとつ言える事は、やはり講談社文芸文庫は値段が高い・・・・・・。


生きるということを極限で考える機会を持つのは幸せか?

2005-06-19 19:48:58 | その他
オープン・ウォーターという映画がありました。
スキューバー・ダイビングをしていた夫婦が漂流し、鮫に襲われるという救いのないストーリーでした。
最近は行っていないダイビング、マリンスポーツは一歩間違うと遭難と隣り合わせです。

読了本
「たった一人の生還―「たか号」漂流二十七日間の闘い 佐野三治 新潮文庫」
ヨットレース中に遭難した著者のドキュメントです。極限での生きることの困難さを思います。
著者は生き残っているのは分かった上でも、どうなるのか?とページをたぐる手が早くなります。
ひとり生き残ったという重い事実を背負ったことは、どのような未来を著者にもたらすのか?著者のその後が知りたいですね。

余談ですが、海外では たま~にダイビング中の遭難が起きていますので、お気をつけの程!

スポーツを読む

2005-06-18 14:11:00 | その他
面白そうな本を見つけました。

昨日購入:「Numberベスト・セレクションⅠ スポーツ・グラフィック ナンバー編 文藝春秋」
早速、寝る前にこの本を読み始めました。私もTVで生放送を見ていた江夏のストリーから始まるストーリー群。この先を読むのも楽しみの1冊です。

さて、シンガポールに住み8年弱の私のスポーツは・・・・・・、
スキューバ・ダイビング=>タイのシミランアイランド沖でジンベイザメをみて満足したのか、船に弱いと言うことを自覚した為か、しばらく休止中です。ここシンガポールでは週末にマレーシアに行くのが一般的です。
ドラゴンボート=>7月の2日、3日の大会に向けて練習中です。大会が終わりましたら、お休みしようと思っています。
ゴルフ=>お付き合いでしていましたが、止めました。暑いです。
ジョギング=>デング熱で寝込んでから止めました。

こう書いて見ると根気がない自分を自覚できて、ちょっと悲しいですね・・・・・・トホホ。

入手済み未読
「ダイビングの世界 須賀潮美 岩波新書」