「さとかず」の読書のススメ

シンガポールから送る独断的な読書録
(基本ルールとして、単行本は出版社名、文庫本は文庫シリーズ名を記載)

本日読了、「昭和天皇の思い出 真崎秀樹 談」

2007-05-31 21:55:40 | 歴史・戦争
本日読了

「側近通訳25年 昭和天皇の思い出 真崎秀樹 談 読売新聞社編 中公文庫」

昭和天皇に通訳として仕えた外交官、真崎秀樹の回想談。昭和天皇に関するよりも、父真崎甚三郎(陸軍大将)について語られた(書かれた)内容が興味深い1冊。

真崎甚三郎に関しては、よく書かれていない本が多い中で、違う一面を伝えている内容です。二二六事件と関係しているとされている真崎甚三郎に関し、違った角度から見ることのできる内容を子息である真崎秀樹が残していることに歴史の難しさを感じます。

昨日読了、「小説作法 スティーヴン・キング」

2007-05-29 08:14:25 | 思想・文学
読みかけの本を寝る前の時間を利用して、2日で読了。

「小説作法 スティーヴン・キング アーティストハウス」

書かれてある前書きはどこかで読んだ文章と思い、考えてみたら確か昔に月間プレイボーイに写真付きで書かれてあったような気がします。

さて、この本はベストセラー作家、スティーヴン・キングの生い立ちから始まり、小説を書くにはということが真摯な言葉で綴られています。そして、最後は事故で生死をさまよったことについての記載と本人にとっての書くとことの意味。
途中に多い注釈にはちょっと辟易してしまいますが、なるほどな~と思わせる1冊です。

この作家の本はあまり読んでいなかったのですが、今度手に取ってみようと考えています。「デッド・ゾーン」は16年ほど前に読みましたが、よくできた小説だったと記憶しています。

昨日読了、「東京セブンローズ 上・下 井上ひさし」

2007-05-28 08:49:03 | 思想・文学
先々日、先日(土・日曜日)は家にこもり読書三昧。

読んだ本は、
「東京セブンローズ 井上ひさし 文春文庫」

上巻下巻の2冊組みのこの本。楽しく読むことができました。読みはじめがちょっと慣れるまで読みづらいものの、ペースに乗ってページをめくり始めればしめたものです。

旧漢字、旧仮名遣いで書かれた本ですが、書かれている文章そのものはいかめしい漢語調ではないので、多少旧漢字などを読んだ事がある人にとってはあまり問題ありません(ただし、私も読めなかった単語が数点ありました)。わからない文字があろうともペースを乱さない為にとばしてよむこともありでいいと思います。
笑いと言う点で、小林信彦の「ぼくたちの好きな戦争」(読了本)を何故か思い出しました(「ぼくたちの~」、これはちょっとはちゃめちゃですが)。

じっさいローマ字表記や英語を使うなど言う馬鹿らしいことを言う人もいわゆる教養人の中にも、いたそうです。志賀直哉などもそのひとり?ちょっとうら覚えですが。

・ストーリー
東京下町、団扇屋の主人の日記が描き出す、昭和20年4月~の約1年。空襲の東京を経、敗戦。GHQによる日本語を廃す計画に立ち向かう主人公達。


下巻154ページの「旧海軍の将校」という書き方は、ちょっと?

本日読了、「ビルマ敗戦行記 荒木進」

2007-05-21 18:37:50 | 歴史・戦争
眠れぬままに読んだ本

「ビルマ敗戦行記 一兵士の回想 荒木進 岩波新書」

書かれた当時すでに30数年を経た中で記憶が不確かな中で綴られた1冊。
先月末に読んだ「二十三の戦争短編小説 古山高麗雄 文春文庫」を思い出しながら読みました。
戦地にあり、すでに負けると実感した著者が感じたことが書かれた1冊です。一兵士としては命令で動く駒にすぎず、何の為にそこにいるのかなども知らされずに動くことの不条理さ。
将校などが書いた回想録とは自然異なる視点がこの1冊にはあります。ただ、帝大を出、日立に勤めていた作者はやはり兵士としては異端の人間であったのではないでしょうか?
ただそこには会田雄次「アーロン収容所」の気負いはないようですが、果たして・・・・・・。

人はやはり生きるのではなく、生かされているということを何となく感じた読書後の私でした。

昨日読了、「明智小五郎全集 江戸川乱歩」

2007-05-21 18:12:39 | 思想・文学
シンガポールで見るテレビはNHKワールド・プレミアム。好きな番組のひとつが「その時歴史が動いた」。酒乱松平氏が司会を勤めるこの番組で紹介された江戸川乱歩。それを見たら、そういえば本棚に1冊あることを思い出しました。

昨日読了
「明智小五郎全集 江戸川乱歩 大衆文学館・講談社」

この1冊に含まれるのは、
「何者」
「D坂の殺人事件」
「心理実験」
「黒手組」
「脚本 黒手組」
「幽霊」
「屋根裏の散歩者」
「怪人二十面相より」
「凶器」
「月と手袋」

感想はあえて今更読むものではないような気がしました。と書いていますが、実は江戸川乱歩を読むのは初めてです。10代の時に読めばよかったと感じています。

昨日読了、「生贄の島 曽野綾子」

2007-05-19 23:19:29 | 歴史・戦争
沖縄復帰35周年に読み始めた1冊を昨日読了。

「沖縄女生徒の記録 生贄の島 曽野綾子 文春文庫」

沖縄戦の悲惨さと狂気を描いた取材に基づくこの1冊は、読み手にあの戦争は何だったのかと思わせるものを持っています。民間人を多く巻き込んだ総力戦としての先の戦争とは何だったのか?

復帰前に取材された内容は戦後60年強を経た今に大切な何かを運んでくれる気がします。

書かれてある各個人については、あまりに登場人物が多いので読書にメモを取らない私にとっては混乱(誰が誰だかわからなくなる)ことも多だありましたが、それがあっても読むべき1冊と思えるオススメの1冊です。

昨日読了、「昭和史発掘 6 松本清張」

2007-05-15 10:09:41 | 歴史・戦争
昨日読み終えたのは、

「昭和史発掘 松本清張 文春文庫」

この中には、
1、京都大学の墓碑銘
2、天皇機関説
3、陸軍士官学校事件
この3つが書かれてあります。

1は京都帝国大学の滝川事件について
2は美濃部達吉の「天皇機関説」について
3は有名な辻が絡む陸軍士官学校事件(昭和9年11月)について

実は3の「陸軍士官学校事件」が読みたかった為に買った本です。3だけすでに読み終えていたのですが、ついに他の1と2も読み終えました。

いわゆる軍国主義に向かう潮流は軍人のみが作りえたのでなく、色々な思惑を持つさまざまな人たちにより蓄積され、その流れは止めようのないものとなったものと感じられます。

はたして、今の日本は大丈夫なのか?フト、考えるこの頃です。


35年前の本日は沖縄返還の日、昨日から「生贄の島 曽根綾子 文春文庫」を手の取っています。

昨日読了、「世田谷一家殺人事件 侵入者たちの告白 齊藤寅」

2007-05-12 20:51:31 | 歴史・戦争
昨日読了

「世田谷一家殺人事件 侵入者たちの告白 齊藤寅 草思社」

数日前に読んだ本、「新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街 吾妻博勝 文春文庫」と読み合わせると興味深いかもしれません。

この本自体は、読む者にページをめくらせる力を持つ反面、事件の描写などについては、なにやら筆者の品性のなさも感じ得ます。
フト、友人のジャーナリストが言った「被害者にマイクを突きつけるヤクザな商売」という言葉を思い出しました。

はたして書かれてあることは真実なのかどうか・・・・・・。

何はともあれ、事件の一刻も早い解決が望まれます。

本日購入、「世田谷一家殺人事件 齊藤寅」「現代アジアの肖像 リー・クアンユー 岩崎育夫」

2007-05-10 20:05:52 | その他
本日、シンガポールの古本屋で購入。

「世田谷一家殺人事件 侵入者たちの告白 齊藤寅 草思社」14.00ドル
「現代アジアの肖像 リー・クアンユー 岩崎育夫 岩波書店」8.50ドル

早速、手に取りたい1冊は「世田谷一家殺人事件」です。
何故、犯人はつかまらないのか?警察は何をしているのか?日本で安全に住む事ができるのか?

昨日読了、「新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街 吾妻博勝」

2007-05-10 19:57:53 | その他
けっこうこの手の本も手に取ります。

「新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街 吾妻博勝 文春文庫」

歌舞伎町を舞台に暗躍する中国からの犯罪者達と日本のやくざとの係わり合いを描いたこの本は、先に書かれた本の続編的要素を持ち、その後を書いたものです。

石原知事のもとでの歌舞伎町浄化作戦が中国マフィアを全国に散らばらせたとは皮肉ですが、私自身が記憶にある大分での惨殺事件も書かれていました。

朝鮮系中国人の犯罪、残留孤児2世3世の問題、覚醒剤の密輸ルートに関することなど、読みどころのある1冊です。


さて、安全に暮らせる日本は昔の話になってしまったのでしょうか?


昨日購入、「パルプ」「昭和天皇の思い出」「新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街」

2007-05-08 08:11:32 | その他
昨日、シンガポールの古本屋で購入は、

「パルプ チャールズ・ブコウスキー 新潮文庫」1.50ドル
「昭和天皇の思い出 真崎秀樹 中公文庫」6.00ドル
「新宿 新・マフィアの棲む街 吾妻博勝 文春文庫」5.00ドル

相変わらず脈略のないラインアップ。この歳になっても乱読は続きます。

本日読了、「ありきたりの狂気の物語 チャールズ・ブコウスキー」

2007-05-07 08:08:59 | 思想・文学
久しぶりに読み終えたのは、ブコウスキーの短編集、

「ありきたりの狂気の物語 チャールズ・ブコウスキー 新潮文庫」

34篇もの短編のこの1冊は、解説によると、「町でいちばんの美女」と合わせて1967年に出された1冊だったとのこと。

本人らしき登場人物が詩について語り、競馬について語り、そして酒について酔う1冊です。
あまり深いことを考えずに気楽に読んでみましょう。

なお、訳者が解説で書いてあるように、かなり意訳しているということなので、本物に触れるためには原書を手に取るしかないのかもしれません。