「さとかず」の読書のススメ

シンガポールから送る独断的な読書録
(基本ルールとして、単行本は出版社名、文庫本は文庫シリーズ名を記載)

昨日購入、「the lonely planet story 」

2006-09-22 09:45:37 | 
昨日はかの有名なガイドブック、ロンリープラネットを立ち上げたウィラー夫婦がシンガポールの本屋でこじんまりとした講演会(トークショーと書いたほうが正しいのかも)がありました。なかなか楽しい語りでした。

昨日購入
「the lonely planet story Tony and Maureen Wheeler Periplus」

元バックパッカーの私です。迷わず、購入した本にサインをしてもらいました。

購入価格28.35ドル

タイのクーデターに思うこと

2006-09-20 13:34:14 | 歴史・戦争
’91年にまさかと言われたクーデター(陸軍士官学校5期のスチンダ将軍のグループが当時の首相のチャートチャイ氏に対して起こしたもの)が起こり、’92年に軍同士の衝突もありえた流血の騒乱、そして、完全に民政に落ち着いたと思われたタイで’06年9月19日にクーデターが起こりました。
さすがにタクシン首相(すでに元首相?)の強引とも言えるやり方や私財に関する批判があったのは確かなのですが、野党サイドも政権を奪取できなかった事実もこのクーデターの要因のひとつでもあるのでしょう。

タイの陸軍は3軍(陸軍、空軍、海軍)+警察(4番目の軍隊とも言える)の中での軍をリードする集団。また、陸軍司令官はポジション的にはその上の国軍司令官よりも実質権力をもっています。映像の5人は各軍の司令官+国軍司令官(では?)。

15年前のクーデター後に起こった騒乱騒ぎを思い起こしても、どう民政にソフトランディングさせるか、これが今回のクーデターの是非を判断する試金石なのかもしれません。

読了本(だいぶ前に読んだ本ですが)
「タイ現代政治史 国王を元首とする民主主義 加藤和英 弘文堂」
「クーデターの政治学 岡崎久彦、藤井昭彦、横田順子 中公文庫」

タイの無血クーデターのタイの政治に及ぼした影響などを読んでみてはいかがでしょう。
最後にタクシン氏を引き摺り下ろすには現国王が健在な今をおいてなかったのかもしれませんが、軍の隠然とした力もこれまた健在であったことを示す今回のクーデターでした。

昨日読了、「昭和天皇の戦争 勝野駿」

2006-09-19 20:04:35 | 歴史・戦争
昨日読了

「昭和天皇の戦争 摂政就任から敗戦まで 勝野駿 図書出版社」

作者の名前の前に皇室担当記者という文字があった為に面白いのかと期待するも、空振りの1冊。単行本で読むほどの内容はないような気がします。

この本の中で一番有益なのは、P240からの昭和天皇戦争関係年表?

昭和天皇の戦争責任は、法的にも人道的にもあるのではないでしょうか?戦後の社会が落ち着いたところで、彼岸に行かれる前に退位すべきだったと思えます。
意地悪な考え方としては、その責として死が迎えるまで、休むところなく晩年まで働かされたと考えることも出来るのかもしれません。

余談ですが、今年、今上天皇が東南アジアご訪問のスケジュールを確認しました私はその殺人的スケジュールに驚きました。また、シンガポールでのご訪問、見事なほど戦史関連の場所へのスケジュールはありませんでした。とあるところでは、日本兵の声を再現として「殺せ!殺せ!殺せ!」と醜い叫び声がマイクから流れてきたりなど、かなりシュールなのですが。

本日読了、「エリザベート 塚本哲也」

2006-09-11 23:24:41 | 歴史・戦争
本日読了、

「エリザベート ハプスブルク家最後の皇女 塚本哲也 文藝春秋」

オーストリア・ハンガリー帝国の終末から第二次世界大戦後の中欧ヨーロッパに生きたハプスブルク家の一人の皇女を中心にして語られる物語は、飽きさせることなく、最後まで興味深く読むことができます。階級と言うものが政治的支配体制に反映されている時代が過ぎ去っても、それはやはり何らかの形で残っており、人々に感銘を与えることもあるのだなと。

ひとりの女性を描くことが、その国を描くことになっている本です。

また、帝国の終焉から第二次世界大戦後の中欧・東欧ヨーロッパの姿を俯瞰して見てみるとドイツとソ連の重い影響を感じざるおえないところは、この本にも詳しく書かれています。

改めて中欧・東欧ヨーロッパの歴史に興味を持てた1冊でした。

オススメの1冊です。

昨日読了、「日中戦争 白井勝美」

2006-09-10 13:33:22 | 歴史・戦争
読みかけの本を昨日読了。

「日中戦争 和平か戦線拡大か 白井勝美 中公新書」

あまりにも多大な事柄を200ページの新書にまとめている為か、なかなか読むのが一苦労。初版が昭和42年ということを考えみるに、その間にでてきた新資料などが当然反映されていないだろうことも念頭に入れ、読む必要があるのかもしれません。

何しろ、登場する人物の多さと土地名の多さ、それに反して掲載の地図の貧弱さ。
読書にはちょっと辛い1冊です。

ぜひどこかに注釈を入れていただきたいとも思えます。

昨日読了、「廃都 下 チア・ピンアオ」

2006-09-05 08:16:05 | 思想・文学
旅行先で一気に読んだ下巻。

昨日読了
「廃都 下 チア・ピンアオ 中央公論社」

主人公の著名作家のだらだらした女性を絡めた物語が続くのですが、筆力のせいか、飽きさせず読みきりました。

友人と思いきや裏では色々なことがる人間関係は我々にも思い当たることがあり、そちらのほうが物語を読むに興味深いものがあり・・・・・・。他方、伏字になっている性表現が例え書かれていたとしても、それは別段何ら注目するものではないような気がします。

個人的には面白く読めたものの、総合して考えると人に勧める域の本ではないかな、という印象。

昨日読了、「廃都 上 チア・ピンアオ」

2006-09-02 08:38:41 | 思想・文学
数日前から読み始めていた本、読了。

「廃都 (上) チア・ピンアオ 中央公論社」

作家を主人公とする物語、中国本土ではベストセラーとなった話題作との帯を見て購入、積んでいた本のひとつ。

下巻はこの週末の旅行先へ持って行きます。

日本の作家が自分を主人公にして書いた私小説のよう。訳書で上下の2冊、単行本で各500ページ程度もある分量をどう考えるか・・・・・・。