“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

福島に対する国の仕打ち

2012年01月30日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、福島県民の医療費無料化を国が見送った話です。

普通にひっそり暮らしていたのに、東日本大震災が起き大変だったところに突然、原発事故が発生し避難しなければならなくなりました。自分も、子どもも、身内も知り合いも、放射線に犯されているのではないか、内部被曝しているのではないか。福島県民の多くは不安な10ヶ月以上を送ってきました。

せめて、医療費位は無料にするのが国の役割だと思います。しかし、1月28日に福島県民の18歳以下の医療費無料化を断念すると国が発表しました。不平等給付や公平負担といった医療制度の原則にかかわるため、厚生労働省や財務省など政府内の調整は難航しました。「原発事故と関係がない医療費まで無料化することになり、国費の投入は理屈が立たない」(復興対策本部関係者)として断念したものです。

そもそも、福島県の被災者は被害者です。被害者に対して、「不平等給付」「公平負担」などとわけのわからないことを言っている国の血も涙も無いやり方は許せません。原発事故と関係のない医療費を国が負担したって良いじゃないないですか。県民に健康に不安を与えておいて、どっからどこまでが原発事故関係だなんて線引きできないのではないのではないでしょうか。

福島県は、18歳以下の医療費無料化に必要な予算は年間約90億円。東京電力の賠償金などを基に創設した県民健康管理基金を活用して、福島県独自に無料化を実施する考えを発表しています。

無料化実現に取り組んできた福島県の婦人団体役員は「福島県に済み続けるためにも絶対に必要なことなのに腹立たしいことです」「低線量の放射能の影響については未解明の部分もあり、早期発見のためにも無料化実現は県民の願いでした。消費税増税よりもやるべきことは命と健康を大切にすることです」と話しています。

福島県の佐藤知事は「将来を担う子どもを安心して育てられる環境をつくらないといけない」と強調しています。

「不平等給付」って何ですか? 「公平負担」って何の話しですか? 何も悪いことをしていない人々が突然に被害を受けたのですよ。「不平等」???

被災者を相手に直接、目の前で「公平負担」なんて言えるのですか???
またふたたび、「不平等給付」「公平負担」などという言葉を使って被災者=被害者に言い訳を言ってやるべきことをやらないように、多くの国民に国の冷たい仕打ちを知らせなければなりません。

世界に誇る三陸の水産業振興

2012年01月29日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
津波被害から立ち上がる漁師、一次産業の取り組み紹介です。復興どころか復旧すら出来ない中での苦しみと取り組みです。水面下の状態から水面上に出る取り組みを心から応援したいと思います。

<世界に誇る三陸の水産業振興:漁師像/一匹おおかみ捨ててでも>

 こたつの上に置かれたファイルが「ドスッ」と大きな音を立てた。厚さ約10センチ、扉に「前網漁業生産組合」とある。
 「魚を捕ることは負けねえけど、事務作業は苦手だ。これから補助金申請の手続きが増える。正直、戸惑っている」
 復旧のスピードを速めようと、昨年10月に生産組合を設立し組合長に就いた鈴木信男さん(60)=石巻市前網浜=が仮設住宅で頭を抱えていた。
 鈴木さんは漁師歴45年の大ベテランだが、経理関係は宮城県漁協前網支所に頼ってきた。しかし、支所は現在も震災前と同じ1人体制で、漁協全体の補助事業の申請に忙殺されているという。
 漁師の世界は「丼勘定が当たり前」(鈴木さん)だった。漁協を通さず補助金の受け皿になれる生産組合をホヤ養殖仲間8人で設立したが、書類の作成に追われる日々は想定外だった。

<言い伝え背く>
 前網浜には「なかばすんだらけんかしろ(仲間になるくらいならけんかしろ)」という言い伝えがある。漁師は一匹おおかみ気質が強く、仲間をつくっても失敗するからけんかしてでもやめろ-という先祖の戒めだ。
 「言い伝えに背いたがグループを作って収益を上げ、お嫁さんが来やすい浜に変えたい」と鈴木さん。慣れない事務作業に閉口しつつ、新しい浜の姿を思い描く。
 漁業経済学を専門とする東京海洋大の馬場治教授は「多様な協業化の形態があっていい。ただし、真に自立を目指す組織は専任の事務員を雇うぐらいの覚悟が必要になる」と注文を付ける。
 宮城県南三陸町志津川の南三陸漁業生産組合では9日朝、"出勤"してきた漁師たち12人全員に真っさらなタイムカードが配られた。
 「労基署」「残業」「雇用」。浜では耳慣れない単語を使う工藤忠清さん(47)の説明に、漁師たちが顔を見合わせる。労働時間の管理は給料制導入の大前提だ。「サラリーマンになるのか」という周囲のやゆする声をよそに、生産組合は養殖業で収益2億円、個人の年収1500万円を初年度の目標に掲げる。
 工藤さんは20代で水産加工会社を設立した。最盛期には20人の従業員を雇っていたが、自宅や会社は津波で流された。書類作成や労務管理はお手の物で「来年は納税してみせる」と言う。

 同じ町内の「あっぺとっぺ沖の須賀」は、県漁協が指導する任意の漁師グループで16人が参加する。遠洋マグロはえ縄船の船長だった小野清さん(62)は「以前も雇われの身。給料制に抵抗はない」と話すが、グループ内では少数派だ。
 「一人一人が親方という漁師気質からの脱却」というグループ内の課題は、生産組合と何ら変わらない。
 班長の佐々木孝男さん(56)は「『あっぺとっぺ』は ちぐはぐ という意味の方言だが、ジグソーパズルのように個性を殺さず1枚の絵を完成させたい」と話す。生まれ変わろうと模索する漁師たち。彼らに共通するのは、震災後の厳しい現実と真摯(しんし)に向き合う姿勢だ。



元自民と政権、野田政権のだましと所得移転

2012年01月29日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
NHKラジオに出演していた作家「山本一力」さんが、面白いことを話していました。江戸時代に所得税を取っていなかった。それらの話の中で、野田、野田政権が消費税率を引き上げるとしても「国民に対する説明のしかた」があるとーーー今の民主党政権のやり方は傲慢であるとの思いが言外にありました。また、被災地を閣僚が変わるたび、野田などが視察するが短時間で視察して何が分かるのだろうか?そのくらいの視察内容、視察姿勢なら「格好をつけるだけの視察はしないほうがよい」とも言っていました。山本さんは作家になるとき大変な経済的苦労をされたとのことで消費税引き上げ、震災被害に関して我がことのように感じての話がされたようでした。


内橋克人さんの本を読んでいて、自分が分からなかったことのいくつかが整理されました。家計から企業、国家への所得移転の説明です。国民のわずかなたくわえである貯蓄に対して日本銀行、大蔵省、自民党政権(当時)が金利を0に誘導して、銀行の不良債権処理を行った。このからくりを詳しく説明しています。1993年当時の総貯蓄金額は800兆円だったそうです。金利3%で計算すると24兆円、4%で32兆円が預金者から銀行、日本銀行などに所得移転をしたとの説明です。これだけの収入が国民から奪われて消費税率をひきあげたら国民が消費にお金を回すことはないと。そうだよなー!


また、この所得移転は貯金だけではなくて消費税導入(1993年当時は引き上げが国会で議論されていた)によっても行われた。10兆円単位で国民の消費から吸い上げられて「国家」「税金」という言う形で産業、企業に還元された。その税金を銀行救済、企業への減税、支援、公共投資という形でゼネコンに還元した。この企業への所得移転は企業が楽をして経営を維持することに利用された。そのために日本の大手企業は「研究開発への投資」「新しい産業を興す」「独創性に富んだ科学技術の開発」に投資、力を入れてこなかった。また、系列企業社会構造を作り、下請け企業をいじめて単価の切り下げを要求し、新しい技術開発、新しい製品、技術を正当に評価(価値を認めて高く買い付けする)することをしなかった。今から20年前の論文ですが、2012年の現状にも当てはまる指摘です。野田が消費税率引き上げを叫び、景気対策という名でのまやかしの景気対策=国民の税金を銀行、大手企業に投入する=法人税率の引き下げ、消費税率の引き上げーーーーまったく同じ構図が20年、30年前から続いています。これが政治経済の閉塞感の根底にある問題です。

宮城の漁業を復活させよう

2012年01月29日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、宮城県のある地域の水産業の状況の話です。

宮城県漁協のある地区の話です。震災前に430名以上いた組合員(漁師さん)で継続の意志を表明した人は260名で約62%です。津波によって漁船は8%しか残っておらず、養殖施設などもほとんどが無くなってしまいました。

ここでは震災直後から作業を始め、養殖施設も作り始めました。養殖施設に欠かせないオモリは全国からのボランティアが作業支援をしました。フォークリフトなどが流されてしまったため人間の体力で作らなければなりません。その甲斐もあって、一番早く収穫にこぎつけることができる「わかめ」は2000以上あった施設(いかだ)の90%を復旧させました。

漁港も市場も船も養殖施設も事務所も牡蠣剥き処理場も製氷所も車も家も、何もかもほとんどが無くなってしまいました。この地区(支所といいます)が申請した国・県への補助持病は約32億円です。そのほか自己負担が3分の1です。10億円を漁協や漁業者が負担しなければなりません。今後も働き続ける意志のある漁業者一人当たり400万円程度の負担です。

わかめの収穫が始まっていますが、取ったわかめを入れるコンテナが全く足りません。早撮りのうちは「生」で出荷できますが、まもなく塩蔵にします。釜でゆでて、冷やして塩漬けにします。この段階でもまた足りないものがたくさん出てくるでしょう。

3月11日で1年がたちますが、ボランティアなどがドンドン減ってきています。宮城県では、水産特区構想や漁港統廃合などの「村井知事災害」にあって、漁業者はたいへんな状況にありますが、少しづつですが復旧の兆しも見えています。それにしても、国と自治体の暖かい支援が欲しいものです。

しょっちゅう書いていますが、漁師さんの水揚げは、その何倍もの経済効果があると思います。宮城の水産業を応援しています。

ハインツが「番屋」贈る

2012年01月28日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
3.11震災後、10ヶ月が過ぎました。津波被災地、東北は低温、寒さに見舞われています。復旧、復興関連法案の成立の遅れ、復旧関連予算の遅れで、10ヶ月経つ現在も、被災後の整理が進んだ程度で、移転、企業の工場建設、再稼動などはほとんど進んでいません。もうすぐ一年が経ちますがこの1年はなんだったのかと思うほどの進行です。民主党政権の対応は本当にひどいものです。

自民党小泉政権が行った地方自治体の統合で、自治体数の削減、自治体職員数の減少で復旧、復興策の起案、検討、住民説明、住民の意向を復興策に反映させる作業が非常に遅れています。被災地以外の自治体の職員支援・派遣を受けてもこの有様です。地方自治体の中には職員給与削減、職員数削減に血道をあげる自治体首長がいます。自治体が営利企業と同じような組織になったときに危機管理、地域住民の安全性の確保が出来ないことは3.11震災が証明しています。

自治体、公的組織の無駄をなくすことは重要ですが、自治体、公的組織と営利企業を同列に置いた議論と対応は結果的にその自治体住民を不幸にすることだけは確かです。復旧、復興を遅れとボランテア頼みの進行を見ていると政治とは何か、俺たちの税金は何であったのか、えらそうに野田、民主党政権が被災地から離れたところで「震災復興」は最大の課題です??と所信表明するのを聞くと「ふざけるな」といいたくなるこのごろです。

企業の中でも「キリンビール」「ハインツ」のような企業があることを知って理屈抜きに歓迎です。被災地は前向きに、仕事を再開しようとしています。時間の経過とともに必要になる資材、物資が変わってきています。一次産業の復旧が進むことが地域復旧、復興する上での重要な課題となっています。

<ハインツが「番屋」贈る>

 食品メーカー、ハインツ日本(東京都台東区)が、宮城県東松島市の宮戸島に漁師の作業所や休憩所になる「番屋」を贈った。
 宮戸島は震災前までノリ養殖が盛んだったが、津波で漁師の自宅や養殖設備が壊滅状態となった。しかし全国からの支援を受け、震災約半年後から徐々に養殖を再開させている。
 同社は昨年6月から3年間、看板商品の「逆さケチャップ」の売り上げの1%を被災地支援に充てる方針で、これまでにも同市内に仮設集会所を寄贈している。