1300万人が暮らす首都で、被災地の将来にもつながる政治対決が始まった。23日告示された東京都知事選は「脱原発」が一大争点。各陣営は原発再稼働や脱原発の道筋をめぐり、火花を散らした。東日本大震災から間もなく3年。福島第1原発事故は収束のめどが立たない。日本の中心でにわかに始まった原発論戦を、東京で生活する被災者はどう見たのか。
通常国会の重要な課題は、安倍、自民党極右政権の狙いをあきらかにし、彼らの政治意図を批判し、彼らの凶暴で、反動的な行動を規制することです。彼らを政権から引きおろすことが最大のテーマになります。彼らは衆参選挙結果を白紙委任のように勝手に解釈、使いながら、歴史の歯車を逆転させ、軍国主義国家に改変しようとしています。そのために、経済政策を恣意的に利用し、日銀を屈服させて異次元の金融緩和を行い、日本経済の先行きがまったく見通せない状態になろうとしています。最悪は、国債価格の暴落、金利の高騰、インフレであり、統制不能となる可能性もあります。
本当に、国民の暮らしと生活がどうなるかが分からない可能性がある状態が続いています。そのような中で消費税率の引き上げ、法人税率の引き下げが強行されれば、大手企業が栄え、国民は貧困にあえぐ社会の構図がさらにひどくなります。このような政権の意図を見抜くこと、その意図をあきらかにすることこそが通常国会の論戦課題です。
<信濃毎日社説>
「いつの間にか大きな力に巻き込まれていく怖さを感じる」 昨年暮れ、特定秘密保護法の成立を受けて女優の大竹しのぶさんが語った言葉だ。国民の「知る権利」を揺るがす秘密法を国民や野党の十分な理解を得ることなく成立させたことに、同じような不安を覚えた人も多いのではないか。
安倍晋三首相は「強い国家」をつくるため、国民の権利を制限する方向に動いている。このまま進んでいくとどうなるか。風通しの悪い、息苦しい社会になっていく気がしてならない。
<集団的自衛権が焦点>
第2次安倍政権が発足して2度目の通常国会が明日から6月下旬までの日程で始まる。
首相は収入のアップを図るための「好循環実現国会」とアピールしている。けれど、果たしてそうなるかは疑わしい。「成長戦略実行国会」をうたった昨年の臨時国会は、終わってみれば秘密法一色の国会だった。
こんどの通常国会は3月までは来年度の予算審議が中心になる。その後、集団的自衛権の行使を、憲法解釈を変えて容認するかどうかが焦点になる。首相が悲願としながらも第1次政権では実現できなかった課題だ。容認となれば、意図しない紛争に日本が巻き込まれたり、民間人が危険にさらされたりする可能性が高まるかもしれない。集団的自衛権の行使容認には国民の反対も強い。安全保障政策の転換は子や孫の世代に影響を及ぼす。秘密法のときのような強引さを許すわけにはいかない。
私たちは今、自由と平和を守ることができるかの分岐点に立っている。安倍首相が描く国の姿に近づいていくとしたら、将来はどうなるか、想像力を働かせよう。民意には政権の勝手にストップをかける力がある。その一歩をしっかりと刻みたい。
「戦後レジーム(体制)からの脱却」は安倍首相の持論である。そのためには、占領下に制定された憲法を改める必要があるとの姿勢を貫いている。
基本的人権、平和主義、国民主権の尊重をうたった現在の憲法は多くの国民の支持を受けている。変える必要性を感じている人は多くないはずだ。
そのことは首相も承知しているようで、第2次政権発足直後の改憲への前のめり姿勢や発言は最近では影をひそめた。一方で、安保政策の転換を軸に、憲法を骨抜きにしていこうと考えていることがはっきりしてきた。
<自由と平和を守ろう>
秘密法は特定秘密を漏らした側だけでなく、知ろうとした一般市民にも罰則を設けたことで、市民運動や表現活動などに携わる人たちや社会を萎縮させかねない。憲法21条が保障する「表現の自由」を脅かし、基本的人権さえも危うくするものだ。
平和主義も土台が大きく揺らいでいる。歴代の政府が憲法9条の下、憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権の行使が容認されれば、戦後一貫して「専守防衛」を旨としてきた自衛隊の制約が解かれる。海外でも武力行使ができるようになる。議論を重ね積み上げてきた安保政策が大きく変質する。9条は死文化してしまう。
昨年12月に外交・安全保障政策の包括的な指針として閣議決定された国家安全保障戦略には、「わが国と郷土を愛する心を養う」との記述が盛られた。安倍首相が「愛国心」に強いこだわりを持っていることはよく知られている。第1次政権では教育基本法を力ずくで改変した。「公共の精神」の尊重や「国と郷土を愛する」態度を養うことを強調する内容にしている。
「愛国心」が教育だけでなく安保政策にまで位置付けられたことは見過ごせない。国の安全を理由に、国が内政のあらゆる分野で統制を強める。国を上、国民を下にするようなものだ。国民主権も名ばかりになる恐れがある。戦争ができる国への準備にみえる。
衣の下のよろいを見せた安倍政権にどう立ち向かうか。
先日、二つの注目すべき選挙があった。沖縄県の名護市長選と福島県の南相馬市長選だ。
名護では、米軍普天間飛行場を地元・辺野古に移設することへの反対を訴えた現職が勝った。南相馬では、「脱原発」を主張した現職が当選した。政府がごり押しする重要課題が争点になった地方の選挙で、いずれも自民党が応援した候補が敗北を喫している。
<地方からブレーキを>
安倍政権に対する地方からの抗議の意思表示とみていい。こうした声を積み重ね、政権の行き過ぎにブレーキをかけたい。来年春には統一地方選がある。安倍政権への審判も含め、一つ一つの足元の選挙を大切にしよう。
自由な社会と平和主義を守る上で、こんどの通常国会は正念場になる。政権の言動に目を光らせ、民意を軽視するような場面では声を上げていこう。
安倍、自民党政権、仲井真知事による政治決定は、談合、破廉恥さでは例を見ない歴史的事例となっています。名護市市長選挙結果、沖縄県議会における知事辞任決議、那覇市議会による普天間基地移設反対決議は沖縄県民の誠意ある意思表明です。しかも、地元住民、沖縄主要自治体の議員による意思表示です。これらの意思表示、決議を無視して安倍、自民党政権がブルトーザーのごとく、意思を無視して強行移転措置を講じるなどということになれば、自治体は不要、自治体選挙などは全く意味がないということになります。
このような安倍、自民党政権の横暴、暴挙を許してはならないと。ふざけけるなと言いたい。あらゆるところで、このような民主的な手続き無視、安倍、自民党極右政権による蛮行が許されることがないように点検、監視が必要です。安倍政権の退陣しか解決策はない。
<琉球新報社説>
この国の自治は神話にすぎないのか。民意を無視して「粛々と」国策を押し付ける強権政治がまかり通っている。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古建設拒否を訴えて当選した稲嶺進名護市長に対し、安倍政権は市長権限を制限するために是正措置や行政代執行などを検討している。
移設拒否を選択した民意を無視して、新基地建設を強行しようとする安倍晋三首相の政治手法に正当性はない。民主主義を破壊する権力乱用を許してはならない。
地方自治法に基づき国が是正要求しても法的拘束力はない。国は違法確認訴訟を起こすこともできるが、違法が確定しても罰則規定はない。移設作業に伴う漁港使用許可などは、地方自治法で定める「自治事務」に当たり、国による代執行は認められていないはずだ。ただし、一連の過程で「名護市は違法行為をしている」という印象が一人歩きする恐れはある。
県選出・出身の野党国会議員らに対し木原稔防衛政務官は「永田町(国会)の民意で言うと、自民党が多数派で野党は少数派だ。(名護市長選で敗れた)末松文信さん側も少数派だが、小さな声にも耳を傾けねばならない」と語った。自民党「1強」状態のおごりであり、都合のいい解釈にあきれるばかりだ。
米軍は沖縄占領直後、住民がキャンプに収容されている間に土地を強奪して普天間飛行場を建設した。海外識者29人の「辺野古反対」声明が指摘するように、「戦後ずっと、沖縄の人々は米国独立宣言が糾弾する『権力の乱用や強奪』に苦しめられ続けている」のだ。
かつてキャラウェイ高等弁務官は「(沖縄住民の)自治は神話でしかなく、存在しないものだ」と語り強権を振るった。安倍政権の姿勢はキャラウェイと変わらない。名護市長選で示された民意が存在しなかったかのように振る舞うことは「自治は神話」と言うのに等しいからだ。
沖縄県民には人間として平等で、命が尊重され、幸福を追求し、自己決定する権利がある。「アメとムチ」をちらつかせれば沖縄は掌握できるという発想こそ、今や「神話」にすぎない。
自民党所属国会議員、県連が県外移設の公約を覆し、仲井真弘多知事が埋め立て承認をしても大多数の県民は県外を求めている。安倍政権はこの事実を直視すべきだ。