“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

政治とわかものの経済問題

2012年04月04日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
山口教授の主張です。この間、大阪の政治問題での主張、行動により、教授のブログは心ない、攻撃者で炎上状態になっています。議論は議論で冷静に、かつ、正々堂々と行うように期待したいものです。感情的になり罵倒しても、議論を通じて、長期的課題、展望などは見出しえないと思います。
日本の閉塞状況を反映していますが、だからこそ、現状の分析、要因を明らかにする理論的な解明作業は大切にする必要があります。自分は山口教授の主張とは異なります。しかし、山口教授が大学内での閉じこもった研究活動だけでなく、社会に向けて、自説を開陳し、積極的に社会変革の行動を行うことは歓迎し、評価する必要があると思っています。

若者を大切にしよう

 先日、朝日新聞に奨学金返済の滞納が増えているという記事が載っていた。理由のいかんにかかわらず、滞納者はいわゆるブラックリストに載せられ、以後の信用が失われるという。大学教師にとっては、実に心痛む話である。
 政権交代によって高校無償化が実現し、経済的理由による高校中退は減った。しかし、大学教育に関しては、依然として自己負担は大きいままである。利子付きの奨学金を借りることは以前よりも容易になったが、卒業後に安定した収入の仕事に就くことの困難は大きくなっている。
 モラルの低下ではなく、若年層における雇用の劣化こそが滞納の主因である。したがって、根本的な対策は取り立ての強化ではなく、雇用の拡大である。雇用事情が急に好転することが期待できないなら、せめて奨学金はすべて無利子にすべきである。
 私のように50代以上の人間は、高度成長の余慶で安価な勉学の機会を与えられ、半人前で就職しても職場で給料をもらいながら鍛えてもらった。自分たちはいい思いをして若い人々の苦境を放置するのは罪である。
 政治家や公務員が身を切るのも結構だが、やみくもに無駄を削るのは知恵のない話である。たとえば、政党交付金を半減し、その分を奨学金に回すという前向きの発想は出てこないものだろうか。

「がれき処理手伝って」

2012年04月04日 13時00分00秒 | 臼蔵の呟き
今朝のNHK朝の全国版ニュースで「伊集院さんの新社会人に贈る言葉」が時間をとって紹介されました。伊集院さんは現在仙台市に住んでいます。また、昨年の大震災を受けて、震災復旧に関する取り組み、意見の発表などを行っているそうです。そこで、以下の訴えが載っていましたのでお知らせの意味で載せます。被災後の状況、被災者の気持ちをある意味で代弁もしています。伊集院さんの思い、やさしさなども感じていただけると思います。

<伊集院静氏のいら立ち…「がれき処理手伝って」>

それぞれの3・11 東北に思いを込めて

 「ボランティアに来てくれたみなさん、本当にありがとう。でももう一回、がれき処理を手伝ってくれませんか」

 仙台市内の自宅が半壊した直木賞作家の伊集院静氏はそう訴える。3月11日午後2時46分は自宅で仕事中だった。家屋は半壊した。それから1年、家の修理は終わっていないが、生活はほぼ通常に戻ったという。しかし被災地の約2200万トン(環境省推定)のがれきはほぼ手つかずのまま。「目の前にがれきが山と積んであったら、物理的にも、精神的にも復興はできない」と話す。

 最終処分されたがれきは全体の約5%。「がれきを受け入れてくれたのは北海道、東北4県、東京、埼玉、神奈川、静岡、京都、高知の一部自治体だけ。それ以外の全国市町村は拒否した。首長は“住民を守る義務がある”というが、それは勝手な理屈。きみたちはどこの国に生きているんだ。県市町村、全部が合わさって日本という国家じゃないのか。それでも日本人か、恥を知れ」と語気を強める。

 「心配してますと口にしても、あなたがたが選んだ首長ががれきを拒否しているんだ」。国難と言われる東日本大震災だが、約8割の国民は被災を逃れた。伊集院氏は、がれき処理に国民一丸とならない現状にいら立ちを募らせる。「全国の各家庭が灯油缶にがれきを詰め“2011年に震災があった。いつか自分のところにも起きる”と書いて置いておけばいい。2、3代先へ警鐘になるし、一度にがれきの処理も終わる。それが日本人としての努めではないのか」と提案。受け入れが難航する背景には放射性物質の汚染があるが「それは必ず処置の方法がある」と科学で解決できる問題とした。

 伊集院氏は、震災の問題と沖縄の基地問題がだぶって見えるとも言う。「被災しなかった8割の日本人は、自分たちのところへ地震が来なければいい、基地が来なければいい。そういう見方をしている。東北と沖縄に対する目が同じ。これがいまの日本人を表しているのではないか」と憂えた。

 3月11日には被災地以外でも100を超える追悼イベントがある。「でも残っているがれきの量は減らない。どうしてくれるのかということ。ボランティアにはもう一回お願いしたい。がれきの撤去を手伝ってほしい」と繰り返した。
 義援金の使途、被災地の建設技術者不足など、がれきと同様、問題は山積み。伊集院氏は「見つかった行方不明者の通夜、葬儀がいまでも毎日行われている。それがいまの東北。復興まで道のりはまだ遠いということを、みなさんには理解してもらいたい」と全国民に訴えた。

原発問題の議論と再考

2012年04月04日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
大飯原発の再稼動判断

放射能汚染がいろいろな課題で、提起され、議論されています。津波被害で出た被災物の処理で、一次産業の野菜、果物、水産物の汚染状況と新基準の設定、原子力発電所の再稼動問題などが毎日、あらゆる自治体、報道機関で話題になっています。その報道に接して以上だなーと感じることがあります。マスコミ、政府、経済産業省、原子力安全保安院、電力会社の自己責任、政治責任に触れないことです。そのことが常態化して、消費者間での対立、消費者と生産者の対立、自治体間の格差と対立、関東と関西の違い強調など、などが際立ってきています。

一番基本的な問題は、日本のエネルギー政策を原発依存とするか、再生可能エネルギー中心に切り替えるかの政策判断です。

その点が、まったく明らかにされないで「ストレステスト合格=原子力発電所再稼動」かどうかなどが、国会で、マスコミで、報道されている点に問題があると思います。電力会社、大手企業の思惑を反映して、このような本質隠し、問題隠し、なし崩し的な世論形成と、再稼動を目指しているのかもしれません。
彼らの狙いは、本来、分断されない消費者と生産者、地域などが対立させ、その対立で消耗し、あきらめるのを待っているのかもしれません。

表面にみえる問題点を議論し、一致点を見出し、改善する。そのことを継続的に行いながら、「原子力発電所にたよる電力」を止めること、「再生可能エネルギーの開発、育成」を国策とする要求、政治的要求、うねりにすることこそが長期的な政治課題だと思います。

<がれき受け入れたら殺す…金沢市長に脅迫文>

 東日本大震災のがれき受け入れを巡り、金沢市の山野之義市長宛てに脅迫文が届いたことが、わかった。市から届け出を受けた石川県警金沢中署が脅迫の疑いで捜査している。
脅迫文は、2日午前、郵送で市役所に届いた。はがきに手書きで「がれきを受け入れたら殺す」という内容が書かれ、一部は、切り取った印刷物が貼られていたという。
 山野市長はこれまで「私個人としては、受け入れるべきだと思っている」「オールジャパンで取り組むべきだ」と発言。市は今年度の予算に、がれき受け入れの調査費として100万円を計上し、4月中にも受け入れに向けた検討会を設置する予定でした。



酪農家の苦悩

2012年04月04日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、牧草地の除染の話です。

4月1日に食品全般の放射性物質の基準値が変わりました。それに合わせて、家畜に与えるエサやきのこを栽培する原木や菌床なども基準値が変更になりました。厳密には基準値ではなく、飼料は「暫定許容値」、きのこ原木と菌床は「指標値」としています。

飼料では、牛については1キロ当り300ベクレルから100ベクレルに、豚については1キロ当り300ベクレルから80ベクレルに、鶏などは1キロ当り300ベクレルから160ベクレルに「暫定許容値」が引き下げられました。豚が食べる飼料は人間が食べる一般食品より厳しい数値となりました。

畜産業はもともと経営が厳しいのに、飼料の確保がたいへんです。特に、牛乳生産の酪農家は窮地に追い込まれています。場所によっては昨年と今年の牧草が利用できなくなります。通常、酪農家は牧草地を持っていて、そこで自家製の牧草を作って使っています。それが使えなくなり、代替飼料を確保しなければならないのです。

さらに加えて、牧草地の除染を行わなければなりません。皆様もご存知の通り、放射性セシウムのほとんどは地表から5センチメートル以内に含まれています。10センチメートルまででほぼ100%が存在しています。牧草は根が張る深さは5センチメートル位です。したがって、表土を地中30センチメートル位の所に「反転耕」してしまえば、牧草の根が届かなくなります。無理な場合は、深く耕すことで表土の放射性セシウムの濃度が薄くなるという原理です。

除染と言っても、居住地のものと違って「臭いものにふた」をする程度のもので、地表付近にあった放射性セシウムを地中に埋め込むだけの話です。

だけの話と言っても、たいへんな作業です。さらに「反転耕」するための「プラウ」という器具が品切れになっており注文して何ヶ月もたたないと入手できないのです。

岩手県では、昨年産の牧草の放射性セシウムが1キロ当り300ベクレルを超えている牧草地は「反転耕」、1キロ当り300~100ベクレルの牧草地は「耕起」するように指導しています。

あらためて、こんなことをさせている原子力発電所の全廃炉を願わずにはいられません。