“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

東京電力福島原発事故と汚染水

2012年04月03日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
原子力発電所の再稼動を立地自治体(狭い、限定したエリア)が決定してよいのかと意見がたくさん出されています。立地ではなくて事故、汚染で避難しなければならない地域は最低でも30k圏内、汚染は東日本の広範囲に広がりました。その点では、立地自治体の意思で稼動を決めることには大きな矛盾があります。
同時に、日本以外の多くの国、海洋に汚染を拡散しました。原子力汚染、事故の特性なのだと思います。こんなことを続けていては、国際的な信用は得られないことと思います。

<東京電力福島原発事故と汚染水>

東京電力福島第一原子力発電所から放出された海の放射能汚染水は、2014年3月には薄まりつつ日本から約5300キロ離れたハワイ諸島近くに到達することが日本原子力研究開発機構のシミュレーション結果でわかった。海水から受ける被曝(ひばく)量は低いという。
 原子力機構の小林卓也研究副主幹らが原発の放水口付近の海洋での放射能の実測値などをもとに、昨年3月26日以降に直接海に流出した放射能量を推定した。これとは別に、大気から降下した放射能量もシミュレーションで推定した。
 試算によると、福島第一原発から海へ直接放出された汚染水の放射能量は放射性のヨウ素とセシウム合わせて計1京8千兆ベクレルに上るという。
 さらに大気から海に降り注いだ放射性物質を含めると数倍に増えるという。海に漏れた汚染水は、薄まりつつ海流に運ばれ、14年3月には、ハワイ諸島沖に最大で海水1リットルあたり約0.04ベクレルのセシウム137を含む水が到達する予測になった。小林さんは「この時に最高濃度のセシウムを取り込んだ海産物を1年間毎日食べても、内部被曝は0.001ミリシーベルトほどにとどまる」と。

食品の放射性物質 厳格基準スタートに「出荷制限が心配」

2012年04月03日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き


4月1日より、新基準での運用が開始されました。複雑な問題を含んでいます。
消費者サイドから見れば、セシウムで汚染されたものは排除したい。食べたくない。この意見は、当然のことです。

しかし、福島県、周辺地域はヨウ素、セシウムで全て汚染されています。したがって、その汚染量が多い地区、少ない地区、限定的に汚染量が高い地区などが出来上がっています。生産者は被害者です。加害者は、東京電力です。
この問題、分断は消費者対生産者のような形になっています。福島県、東北地方、北関東は農産、水産、畜産などの盛んな地域であり、何らかの形でセシウム汚染問題が地域産業にダメージを与えています。基準値を引き下げればすむ問題ではありません。地域産業への保障をしっかり行うことは大切なことですが、保障すればすむ問題でもありません。
土地を耕さない。耕作放棄をすると再び、工作するためには膨大なコスト、労力がかかり、結果として、復旧は難しくなる。一次産業の担い手がいなくなる。などの問題に直面しています。
一番よい対策は農地、林野の除染を作物へのセシウム移行がされないレベルまで除染することです。これは、途方もない時間、労力、コストがかかります。したがって、その状態を作り出すことは簡単なことではありません。
二番目は、ある程度低線量の地域は、作付けを行い、耕作放棄地にならない対策を継続する。そこで、収穫された作物は全量、東京電力が買い付けして、作物、工作にかかった人件費、物件費を補償する。セシウムの半減期は30年なので、10年単位での我慢と息の長い、政治的対応が必要になっていると思います。


食品の放射性物質 厳格基準スタートに農家緊張
「出荷制限が心配」「行政の支援必要」



 食品に含まれる放射性セシウムの新基準値の適用が今月始まった。一般食品で従来の5分の1に厳格化され、農家など生産者側は「値を超えないか」と緊張。自主検査や除染に取り組む動きもある。安全な食品を届けてほしいと願う消費者の期待に応えようと、奮闘している。
 千葉県旭市でシュンギクなどを生産する農家は「基準が厳しくなると、出荷制限に引っかかる可能性も高くなる。昨年のこともあるので心配」と話す。
 旭市では昨年4月、暫定規制値を上回る放射性物質が検出されたホウレンソウやシュンギクなど6品目の出荷が一時停止された。同市のシュンギクは全国有数の生産量。「もう一度基準を超えたらイメージ悪化は避けられない」
 当時の出荷停止の影響は他の農産物にも及び、同市のAさんは生産するズッキーニの卸値が震災前の半分以下になった。「放射性物質は防ぎようがない」と祈るような気持ちだ。
 福島市産のモモが新基準を超えたことはないが、例年5キロ約2千円だった卸値は約300円まで下落。「消費者は放射性物質が限りなくゼロに近い食品を求めていると痛感した」と振り返り、「自助努力には限界がある。行政のバックアップが不可欠」と訴えた。

陰膳(かげぜん)の話 その4

2012年04月03日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。これまでも何回か、コープふくしまの「陰膳方式」の食事の放射性物質濃度の話を紹介してきました。

大根1キロ当り〇〇ベクレルとか玄米1キロ当り△△ベクレルとか言ったって、どうもピンと来ません。だいたい味噌汁に入っていた大根が何グラムだったのかもわかりません。だから1キロ当たりと言われたって実感がわきません。

陰膳方式は、実際に家庭で食べているものを、家族の人数より1人分多く作ってもらい2日分6食の合計を測定してものです。測定も時間をかけて1ベクレルまでわかるようにしています。

237世帯で調査をし、95%に当る226世帯からは放射性セシウムは検出されませんでした。237世帯のうち11世帯から微量の放射性セシウムが検出されたに過ぎません。検出した世帯の中で最も数値が高かった家庭でも、国が4月からの新しい基準が出される数値と比べてもその13.6%にしかならないことがわかりました。

普通のものを当たり前に食べて、同じものだけを食べ続けないようにリスク分散をすれば放射性物質の体内への取り込みは問題がないということです。

ただし、先日、私が書いた「ふきのとう」や山菜、山獲りのきのこなどは別ですよ。それと、山の中の池や湖にいる魚も自治体のデータを見たり問い合わせてから食べないと危ないかもしれませんね。西日本は、これらも全く問題ないのではないでしょうか。


【日本農業新聞 3月28日 一面トップ】 (これはWeb版)

家庭の食事は安心  18都県で放射性物質の調査  日本生協連

日本生活協同組合連合会(日本生協連)は27日、東京都渋谷区の本部で、18都県の家庭の食事に含まれる放射性物質量の調査結果を発表した。放射性セシウムは、福島、宮城両県以外の家庭からは検出されなかった。また検出した中で最も高かった福島県の家庭でも、同じ食事を1年間食べ続けた場合の人体への被ばく線量は推計で、政府が4月から適用する食品の新たな年間許容線量1ミリシーベルトの13.6%とかなり低かった。日本生協連は、今回の結果で「組合員の不安を解消できると思う」としている。

 調査は、2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所の事故で、放射性物質による食品の汚染に生協組合員が不安を感じているため、汚染の実態を把握し不安の解消につなげるのが狙い。

 岩手、宮城、福島、群馬、栃木、茨城、埼玉、東京、千葉、神奈川、新潟、長野、山梨、静岡、愛知、岐阜、三重、福岡の18都県の生協組合員237世帯を対象に11年11月14日~12年3月23日に行った。各家庭の2日分の食事(6食分と間食)を混合し、検出限界が1ベクレルのゲルマニウム半導体検出器で、1キロ当たりの放射性物質を測定した。

 検査の結果、放射性セシウムは、226世帯(95%)の食事からは検出されなかった。検出されたのは、福島県96世帯のうち10世帯の1~11.7ベクレルと、宮城県11世帯のうち1世帯の1ベクレルだった。この11世帯と同じ食事を1年間続けた場合、被ばく線量は推計0.019~0.136ミリシーベルトで、年間許容線量の1.9~13.6%だった。

 日本生協連の内堀伸健品質保証部長は、「全国で大規模な調査ができた。12年度も調査を続けるつもりだ」と話した。

 食品の基準値について政府は4月、年間許容線量1ミリシーベルトを基に、一般食品で現行の1キロ当たり500ベクレル(暫定規制値)を100ベクレルに厳しくする。