“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

警戒区域解除 高線量8町村、進まぬ再編

2012年04月02日 15時13分24秒 | 臼蔵の呟き
警戒区域田村、川内は解除 高線量8町村、進まぬ再編
田村市と川内村で1日、警戒区域が解除されました。しかし、この警戒区域指定解除をめぐり、原子力発電所至近距離の自治体との交渉は難航しています。その理由は、保障費用をめぐって、同一の町村で、額が異なり、住民の中に新たな分断が起きているからです。事故を起こした東京電力、国策として進めた政府、経済産業省の対応が不十分なことからこのような問題となっています。
各自治体、住民は、事故がなければ、避難も、保障も必要なかったのです。住民の住宅は、水道管が破裂していた。畳が腐ってしまった。屋根が壊れていて、内部にカビや腐食が発生している。田畑は荒れ放題になり、作付けが出来る状態ではない。除染も進んでいないために、子供がいる家庭は「被爆」などを心配して故郷に帰還できない。などなどの声がたくさん寄せられています。
各自治体は、今後の除染、地域の生活基盤整備、雇用の創造、社会基盤整備などの見通しが立たないことへの苛立ちもあります。帰ることが出来ても暮せる環境が整わない限り、本当の意味での帰還は実現できません。まして、自治体機能も分散しているために帰還のための自治体の対応もままならない状態です。


 福島第1原発事故で警戒区域などの避難区域に指定された福島県内11市町村のうち、田村市と川内村で1日、警戒区域が解除された。南相馬市の区域指定も近く解かれ、復興へ一歩を踏み出すが、残る8町村のほとんどと政府の協議は難航している。区域見直しは4月以降に持ち越しになった。
<分断危ぶむ>
 区域見直しの現状と各市町村の対応は表の通り。田村市と川内村、南相馬市は放射線量が低く政府との協議が比較的順調に進んだ。低線量の楢葉町も防火、防犯対策が整った段階で解除の見通しが立っている。
 これに対し、線量の高い地域は協議がはかどらない。政府案では、線量に応じて帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の三つに分割される自治体が多く、「住民を分断しかねない」と抵抗を招いている。
 3月、避難住民への新たな賠償指針が文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会から示されたことで、自治体の慎重姿勢が強まった。
 精神的損害の賠償請求期間が帰還困難区域なら5年(1人計600万円)、居住制限区域なら2年(計240万円)などと差が出て、住民間に不公平感が生じたためだ。

<首長も反発>
 馬場有浪江町長は3区域に分ける政府案に対し、「区域見直しが賠償の差別を招いてはならない。確実な復興策が示されるまでは見直しに応じない」と反発。渡辺利綱大熊町長も「賠償が不平等にならないよう町全域を帰還困難区域にすべきだ」と主張する。
 自治体が区域見直しに難色を示す理由はほかに(1)帰還住民が元通りに仕事して生活できる基盤整備の具体策が示されていない(2)確実な賠償が保証されていない(3)除染の実効性に疑問がある-など。「自治体の要望や疑問に対する政府説明が不十分」との不満も強い。
 田村市は当初、避難区域の全面解除を検討したが、賠償打ち切りを懸念して避難指示解除準備区域指定の道を選んだ。
 政府は3月末までに区域見直しを終える目標だったが、大半の自治体の同意を得られず、一部達成にとどまった。
 「見直しによって立ち入り可能な地域を広げないと生活基盤の再建が遅れる」(原子力災害対策本部)と理解を求めるが、合意点を見いだす段階には至っていない。

この国のかたち

2012年04月02日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
この国のかたち

NHK番組で司馬遼太郎・菜の花忌「3.11後の日本は」と題してシンポジウム番組が報道されました。玄有和尚、高橋克彦(作家)、赤坂憲雄(学習院大学教授)、佐野眞一(ノンフィクション作家)、NHKアナウサー司会での番組でした。
日本が制度疲労を起こし、この国が壊れようとしている。として議論が進みました。
その中で、玄侑宗久和尚は「TPP交渉参加と震災復興は相容れない。地域産業、コミュニティ再生なんか出来ない。このことだけでも民主党政権が震災復旧を真剣に考えていないと受け止めた。」と批判しました。
佐野眞一氏は「なし崩し的に物事を進めることが、いたるところで起きている。原発事故でもそのことが大きな要因となっている」と日本の政治、自治体との関係など分析しました。
赤坂教授は「福島県、福島の自治体は、原子力発電所に依存しない社会、地域になり、生きてゆこう」「倫理なき退廃」と発言しました。
玄侑和尚が、「原発ご苦労さん、原発のお通夜を出したい」「毎日毎日、新しい事実が分かってきた。民主党のマニュフェストはなんだったのか?」「福島県、原発立地自治体の除染は中間貯蔵施設が決まらないと進まない。仮置き場が決まらないからである」「毎日毎日揺らぎ続けている(自嘲気味に)」
高橋氏は、「原発マネーがこの30年間に、3500億円福島県、立地自治体にもたらされた。しかし、この全額で除染すら出来ない。」
最後に、赤坂教授が「3.11の体験、どういう気持ち」で生きてゆくか、生きてきたかを5年、10年と続けてゆきたい。そのことが3.11震災、原発事故に直面したわれわれ、日本、日本人にとって必要ではないか。
「文明とは、人間が心地よく生活できるシステムではないか」と司馬遼太郎氏が書いていると紹介されて終了しました。
司馬遼太郎氏の「この国のかたち」を題材として、日本、日本人とはなにか。3.11震災復旧、原発事故がなぜ起きたのか、原発事故をなくし、除染、住民が故郷に帰還できるようにする。故郷を再生させるためにどうしたらよいかの議論でした。この問題は、福島県、立地自治体の問題ではないのだということを示唆していました。


建物の解体を継続中

2012年04月02日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、東日本大震災被害の話です。

  

東京では3月31日に桜の開花宣言がありましたが、仙台ではようやく4月1日に梅の開花宣言が出ました。この紅梅は4月1日に撮影したものです。

仙台をはじめとして、地震の被害の跡がまだまだいたる所にあります。

  

団地の下のコンクリートの土留めが壊れて500キロのフレコンバッグに入れられた土嚢によって仮止めされています。この場所は330個ものフレコンバッグを使っています。数えたのかですって?大きな土嚢を良く見てください、赤いペンキで番号が書かれています。最後が330なのです。

全国の自治体に、がれき焼却の支援をお願いしています。津波によって出てきたがれきだけでなく、まだまだ家などの建物の解体が進んでいます。これも4月1日撮影です。

  

昔のように、全部まとめてガガーって壊すようなことはしていません。分別をしながら解体しているのです。外側のモルタルをはがし終わって、内装もほぼ撤去できた家です。見かけはまともに見えますが「全壊」の判定のあった家でしょう。全壊だと解体費用は自治体が持ってくれます。

この家のように木材のがれきがこれからもたくさん出てきます。もちろん放射性物質に全く汚染されていません。まだまだ出るでしょう。解体業者が居ないので順番待ちです。

  

これは40年位前に開店した当時は大きな商業施設でした。地元の人たちは開店当初には百貨店だと思っていたかもしれません。写真を良く見ていただくと、足場が付けられています。内装をていねいに分別して解体するのです。震災から1年以上たってやっと解体されます。

  


これは団地内の郵便局やプール、銀行、市民会館がまとまっている場所です。奥の方が空き地になっていますが、児童館や100名以上が入れる講堂のようなもの、各種会議室などが入っていた市民会館があったところです。最近、解体が終了しました。

そして、そこに入っていた児童館は、近くにプレハブの仮設で開業しています。

  

最後に、早春の花「まんさく」。米などの豊年満作(豊作)を願って命名された木の花です。これも4月1日に撮影したものです。

  

豊作でありますように。