昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

寒月

2019-01-24 16:14:35 | 俳句

今はエアコンが発達して、寒暖を屋内で身に染みて感じることが少ないから、寒さも家にいる限りはそんなに深刻なものではない。
そして、それを防ぐものとして、昔は炬燵、行火、火鉢、湯たんぽなど多くのものがあったが、現代ではエアコン以外には電気毛布くらいであろう。
便利になったと言えば便利になったが、旧態依然の暖房器具がなくなったのはちと寂しい。
人間は生理的に暑さにはストレスを感じないが、寒さにはストレスを感じるという。
オカブにしてみれば糞暑いほうがよほど鬱陶しいが、人類が原始生活をしている頃、生存の脅威の一つが凍死だったことを想像すると、人間の細胞のDNAに寒さへのストレスが刻まれているのであろう。
しかし、今年は寒い。
去年ほどではないにしても・・・
思わずブルルである。

寒月も昇りて孫を寝かしつけ   素閑

橋畔に茶屋の一軒寒の月   素閑

集まりて熱き饂飩や寒の月   素閑

名も知らぬ山のいただき寒月や   素閑

寒月や小鳥も飛び去る闇の中   素閑

寒月に問ひも申さむおほさむの   素閑

寒月のとほひ山風藁飛ばし   素閑

寒月や宙に浮かぶるされかふべ   素閑

寒月のわづかに照らすつくばひか   素閑

寒の月香炉のけむりますぐかな   素閑

寒月に金襴緞子の藁家かな   素閑


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冬の風

2019-01-24 08:46:31 | 俳句

狂乱物価と言われた時代があった。
石油ショックと言われた時代があった。
ともに物価が高騰することを嘆いたことによって名付けられた。
しかし、今は物価が上がらないと言って、野党が政府を攻撃する時代である。
隔世の感がある。
しかし、感覚的には、確実に物価は上がっている。
外食費も高くなった。
人件費の高騰の結果であろう。
これが、あらゆる分野に波及する。
宅配業界だけではない。
悪性インフレはある日突然やってくる。
オカブなど、もういつ死んでもあとくされの無い年齢だが、若い人は覚えておいてほしい。
これは決して既得権者の戯言ではない。
実際に、2年前と今とではどちらが金銭的に暮らし良かったか比べてみるとよい。
アベノミクスは評価するが、負の側面があるのもゆめゆめ忘れてはならない。

寒風やわけても背筋吹き通り   素閑

冬の風心やどりし服の中   素閑

寒風を受けて子供の風上に   素閑

寒き風ともに世わたる仲間かな   素閑

寒風や燎原の火の闇の中   素閑

四つ目垣寒風に遭ひ竹の笛   素閑

暮れなむと寒風枝にあれ幹に   素閑

冬の風闇の女の吐く息や   素閑

寒風の肌の細かきしこめかな   素閑

寒風や世の常ならむまけいくさ   素閑

満州の原の寒風守備隊兵   素閑


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