昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

原爆忌

2018-08-06 20:07:15 | 俳句

昨晩、娘と二人きりで夕飯を食べた。
菜はオカブが作った。
豚の冷しゃぶである。
野菜に茄子と人参とキャベツを茹でて添えた。
二人とも言葉少なに食べた。
しかし楽しい夕餉だった。
思い出に残るほど。

原爆忌白い灯台浜伝ひ   素閑

原爆忌岸の葦の葉ちぎれとび   素閑

よしなにと迎えた紳士原爆忌   素閑

水汲みて原爆忌の朝新たなり   素閑

頬赤くいまだに女子や原爆忌   素閑

雲晴れぬうつにこもりて原爆忌   素閑

原爆忌富士の稜々雪の無く   素閑

娘らは納涼遊びや原爆忌   素閑

病院を出るに出られぬ原爆忌   素閑

赤子泣く産科病棟原爆忌   素閑



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かき氷

2018-08-05 19:58:09 | 俳句

かーたんが入院して10日足らず。
慣れぬ洗濯をしたりとか、掃除をしたりとか生活が変わった。
まあ、いい経験だ。
昨晩は、かーたんを病院に見舞った帰りに、行きつけの三軒茶屋の『きゃんどる』に行って、状況の報告をして、一杯やってきた。
暑い夏、いろいろとあったが、それなりに過ごしている。

かき氷思ひ出の刷毛いろどりて   素閑

水をまく老女を見つつかき氷   素閑

かき氷とまれ進級できにけり   素閑

かき氷いつもと違うと言はれけり   素閑

日暮しの散歩のついでかき氷   素閑

遅れきてかき氷のさじもてあそび   素閑

かき氷素顔のおもて素前髪   素閑

かばん捨てかき氷にて集いたり   素閑

いずれまたとは言えざりきかき氷   素閑



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瓜漬け

2018-08-04 15:31:46 | 俳句

8月はヴァカンスの季節だ。
日本でも学校は夏季休暇に入り、会社・官庁でもわずかながらお盆休みをくれる。
しかしフランスのヴァカンスは壮大だ。
もちろん一ヶ月ほどの休みが取れる。
フランス人はこのヴァカンスのために働くといわれている。
この季節の旅行先への移動は「グラン・デパール」と言われ、ローヌ川沿いのハイウェイなどキャンピングカーなどが疾駆する(渋滞しないところも日本とは違う)。
しかし、お金がなくてどこへも行けず、パリから離れられない人たちもいるわけで、そういう人たちを「ウーティアン」」(8月族)と呼ぶ。
見栄っ張りのフランス人は、さも旅行に出かけているかのように、窓の鎧戸をぴったりと閉めて、モグラのようにアパルトマンに閉じこもることになる。
このヴァカンス前の6月とヴァカンス後の9月がパリの社交シーズンだ。
前者ではヴァカンスの予定を話し合い、後者では結果を報告して自慢しあう。
考えてみればつくずく幸せな国民だ。

瓜漬けのしをのつよきを争ひぬ   素閑

山すそのけぶりたりけりきうり漬け   素閑

瓜漬けと白い冷や飯豆腐汁   素閑

手のかかる孫たちどもやきうり漬け   素閑

友のつま漬けたる瓜を黙し食ふ   素閑

北の空黒雲おおふきうり漬け   素閑

山しづかただ漬けし瓜はみし音   素閑

新たなる白き木の家瓜漬けぬ   素閑



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2018-08-03 21:07:52 | 俳句

かーたんの退院が決まった。
主治医が言うには、明日退院しなさいということだったが、かーたんがゴネて、もう少し病院でのんべんだらりと過ごしたいということで、来週の火曜、7日に退院することになった。
早期の退院で良しとしよう。
退院までに、かーたんが家で過ごせるよう、家の中を整えておかねば・・・

せみなくや虚ろに空へ抜けにけり   素閑

せみ時雨林がわれをつぶさんと   素閑

友はみな故郷にをりし油蝉   素閑

つかの間にいのちながらえなけよ蝉   素閑

葉も刈らず蝉を抱きて荒れし木々   素閑

戦終え蝉のなくのみ残りたり   素閑

汽車降りて蝉の時雨にむかへられ   素閑

大地燃え林の炎蝉の声   素閑

病身の枕にうずめせみ時雨   素閑



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白鷺

2018-08-02 22:19:32 | 俳句

多くの国で「老」ということはそれなりに価値を持つようだ。
英語でOLDというと尊敬の念が込められているし、中国では「老」を貴び、動物に「老」の字を冠せられたのは「老虎」と「老鼠」の二つだけだそうだ。どちらも賢さや峻厳さの尊崇である。
日本とて例外ではないのだが、しかし日本では他国と比べて、その度合いは少ない気がする。
昔から白木の新木の建築を尊び、伊勢神宮も数年に一度遷宮する国である。
女房と畳は新しいほうがよい、というが、これは文化的な基盤となっていて、良い、悪いの問題ではない。
だから老いぼれて独り言ちているオカブとしては、日本の方が都合がよいのである。

白鷺の舞降る岸辺人の無く   素閑

光輪に白鷺一羽飛びにけり   素閑

荒れた田に白鷺のさま映したり   素閑

けうはありてあしたはあらめ白鷺や   素閑

いつも来る白鷺おらず北の沢   素閑

白鷺に子らどぜう籠さらけ出し   素閑

白鷺の初めて自転車乗る子供   素閑

暮れの岸白鷺低く飛びにけり   素閑

白鷺のおほいなるさま雲となり   素閑



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熱風

2018-08-01 20:24:28 | 俳句

甲子園が始まっているが、炎天下の運動はしんどいだろう。
2020年の東京オリンピックがこの時期になっているが、本当にできるの?という声が上がっている。
オカブも疑問だ。
事故が起きてからでは遅い。
時期をずらすか返上するかの勇気を持った人はいないものか?

熱風や都表のしかめづら   素閑

熱風や草原なまく双胴神   素閑

荒神の祟りや熱風頭裂き   素閑

東方の島より来たる熱風や   素閑

砂埃熱風強くはらいたり   素閑

かうほねの池を熱風過ぎ去りぬ   素閑

熱暑の風浮御堂をば干乾かす   素閑

熱風よ崖の赤土崩れたり   素閑

炎風や心頭滅却涼しかな   素閑



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