昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

恵方詣り

2019-01-04 17:29:38 | 俳句

島原の乱の話である。
幕府方の総大将、板倉重昌は寛永十五年一月一日に一揆方の籠る原城に総攻撃をかけ、失敗して戦死した。
なぜ一月一日に総攻撃かと言うと、元旦であれば、一揆方も油断しているだろうという企みである。
しかし、一揆方は耶蘇教徒なので元旦を祝する習慣がなかったため、重昌の思惑は外れたというのが松本清張の解説。
しかし、これはちと可笑しい。
一揆方は旧教のカトリックであったが、カトリックでは新年の初日を神に捧げるという意味で、元旦に特別なミサを行う。
ちなみにプロテスタントは元旦を祝せよと聖書にないので元旦には特別なことをしない(日本の一部の教会では信徒が初詣に行くのを妨げるため元旦礼拝なるものを行う場合もある)
まあ、この総攻撃失敗は、一揆方が元旦で油断しているであろう思惑が外れたというよりも、重昌が総大将松平伊豆守派遣、総大将更迭の報を聴いて、戦備の整わないままヤケクソの攻撃に出たのが原因であろう。
正月早々辛気臭い話だが、多くの方がご存知のように、西欧でも大晦日は徹夜でカウントダウンで飲み明かし、一月一日は多くの人が二日酔いで寝ている。だからと言っては何だがほとんどの国で元旦は祝休日である。
そんなことで、改めて、皆様、佳いお年を!

青き空恵方の白き山なれや   素閑

礼まわり恵方の浦浪しづかなり   素閑

今日の朝妻の願掛けかの恵方   素閑

弁財天うるわしかんばせ恵方かな   素閑

凶方も恵方となるや七福に   素閑

旅の空恵方と知れり村はづれ   素閑

杉木立恵方に詣る奥やしろ   素閑

朝日拝む遠き大島恵方かな   素閑

氏神の恵方となれりめでたしや   素閑

恵方なれ風冷たくも陽はぬくし   素閑


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