『ボヘミアン・ラプソディー』という映画が流行っているらしい。
クイーンというロックバンドをモデルにした映画だそうな。
泣けるらしい。
尤もオカブは映画を見て泣いたことはないが・・・
この映画も結局見ることはないだろう。
そもそもクイーンと言うバンドはもちろん名前は聞いたことがあるが、音楽は一つも聴いたことがないし楽曲も知らない。
オカブたちが麻疹のようにロックに染まった、一世代後のスターだからだ。
オカブたちの時代はニューロックが去り、ロックン・ロールやクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルなどのノスタルジー系や、グランドファンク・レイルロード、ディープ・パープルなどの本格的ハードロックが世の中を席巻した時代だ。
オカブもバンドを作りドラムを叩いた。
それは本当に麻疹のようなものだった。
遠い昔の話である。
本当に遠い・・・
寒布団いぎたなくさけこぼしけり 素閑
葦切りの布団に割れた脚ぬくめ 素閑
夜半過ぎて母の匂ひす布団かな 素閑
焼けの色痩せ布団ゐる老ひの骨 素閑
ふるさとに帰りし布団湿りけり 素閑
禅院の柏餅なる大蒲団 素閑
磯荒れて波にもぐるは蒲団かな 素閑
乱れたる蒲団の端の薄笑ひ 素閑
外は雪はたまたみぞれ蒲団出ず 素閑
伊豆の宿同僚みたりの蒲団かな 素閑