昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

新国立劇場『ローエングリン』ゲネプロ

2012-05-29 08:26:00 | アート・文化

『ローエングリン』の新国立劇場公演ゲネプロを観てきました。
マティアス・フォン・シュテーマンの新演出は斬新。ワーグナーものとしては、すごくモダンなイメージの舞台作り。ただし、大道具や衣装は「最低限」といった印象をぬぐえないのは致し方ないかも。
指揮のペーター・シュナイダーと東フィルの演奏はぴったり息があって、ゲネプロとしてはかなりいい出来。
歌手陣は、ハインリヒ一世のギュンター・グロイスベックがバスを朗々と響かせているのがかなり強烈なイメージ。
タイトル・ロールのクラウス・フロリアン・フォークトは、テノールで本番のために喉を気遣っていたのか、二幕までは、あまり聞かせてくれないような歯がゆさを感じたが、三幕目では、さすがに情感たっぷりに、高らかに白鳥の騎士の哀歌を歌い上げた。三幕目の山『はるかな国に』はエルザに語り聞かせるような演出で、歌いぶりもいささか人間味あふれるローエングリンだった。
エルザのリカルダ・メルベートは、こちらも本番前にフル・ヴォイスで歌うのを控えていたのかもしれないが、いささか声が散れて集中したトーンになっていなかったのが気にかかる。
テルラムント伯爵のゲルト・グロホフスキー、オルトルートのスサネ・レースマークはそこそこの出来。
しかし、今回の演奏の最大の収穫は、合唱の素晴らしさ。合唱指揮の三澤洋史も今回の公演にはかなり気合を込めたと見えて、ほれぼれするレヴェルに仕上がっていた。日本の合唱陣もここまでの力強い、また音楽性に優れた演奏ができる段階まで来たかと思うと頼もしくなる。
あとは、本番の完成に期待。全般としては素晴らしいゲネプロ公演だった。

帰りがけにオペラシティの『HUB』に寄って、エールとフィッシュ・アンド・チップスでオペラの余韻に浸った。

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悲歌劇の紅涙醒めし夏の夕     素閑


フォルツァ・ドンナにまたまた行ってきました。

2012-05-27 08:15:00 | グルメ

今日の日曜日には、教会で「決算総会」というものが持たれた。文字通り、決算内容を審議する会議なのだが、昨年度の議事に引き続いて、今年度、また長期にわたるクリティカルな議事が討議されたので、かなり長時間に亘り、終わったのはもう日の暮れかけた頃だった。これから家に帰っておさんどんをするのもしんどいので、夕飯は外食にすることにする。さて、どこに行くかだが、ここは気張って、またフォルツァ・ドンナに行こうということになった。しかし、これだけ頻繁に行っても飽きないということは、それだけ価値の高いレストランであるということも言えよう。今日は店は混んでいた。予約をしていたので、いつもの奥の席に通される。まずはいつもの冷たい生ビールから。かーたんはカシス・グレープ。

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冷たい冷たい生ビール。答えられません。

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かーたんのカシス・グレープ。今日はアルコールは控えめに。

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アミューズ。同じようでいて、毎回、なにかしら手が加えられているのはここのマスターの矜持を感じる。

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前菜。トマトとモッツァレラ・チーズのサラダ。たまには目先の変わったものを頼んでみました。

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野菜たっぷりのバニーニャ。定番化しております。

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これもいつもの生春巻き。

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蒸し鶏のピリ辛中華風サラダ。今日は野菜中心で行きます。

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野菜ばかりでお腹がすいたので珍しくパスタを頼んだ。白身魚とズッキーニのクリームソース。

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生ハムとビーンズ、手打ち麺。美味い!

お腹がいっぱいで、今回はドルチェはなし。というわけで今日も大満足の食事だった。マスター自らのお見送りを受けて家路につく。

夏来たり暮らし向きなど忘れたり   素閑


教会学校のハイキングに行ってきました。(馬事公苑)

2012-05-20 07:41:00 | 日記・エッセイ・コラム

聖日礼拝の後、教会学校のハイキングに馬事公苑に行ってきた。オカブは教会学校の教師なので主催者側の一人。今年のハイキングは子供の参加者が5人とややさびしい規模だったが、少人数なりに楽しいハイキングだった。三軒茶屋からバスで農大前に。そしてうめのき公園でお弁当を食べてから、遊んだ。さすがにエネルギーが有り余っている子供たち。こちらが黙っていても、飛び出して行って夢中になって遊んでいる。

201253馬事公苑ではこの日、フェスティバルが開かれていて、希望者を馬に乗せてくれる、イベントが持たれた。写真の乗っている方は部外者です。

201252シーソーで勝手に遊び始めたら止まらなくなった。

201255大人も参加して大騒ぎ。

201258引率者もよそのお子さん相手に「いいお父さん」

3時半には現地を撤収して、4時に教会帰着。解散。お疲れ様でした。楽しい一日だった。

初夏や歓声あげて子と遊び     素閑


行者ニンニク

2012-05-18 03:49:00 | グルメ

今年も行者ニンニクの季節となった。食いたいからオオゼキで1パック298也を買ってきた。焼酎の肴に生に味噌をつけてがりがり齧る。あまり美味いとは思わないのだが、一度食ったら癖になる味だ。

201252_2薫臭が強いが一度食ったら癖になる味。

この激臭のする野菜は行者がひとたび食ったら3日は何も食わなくても身体がもつという言い伝えがあるという。玄奘三蔵と行者ニンニクとの関係の深田久弥氏による紹介はすでに一昨年のエントリーに書いた。この山菜もオカブにとって季節を感じさせるなくてはならぬ食物になりつつある。

201253_2ついでに今日のおかずの鯛のホイル焼き。

庭の草夏の気を帯び稜々と     素閑


銀座に行ってきました

2012-05-12 03:27:00 | 日記・エッセイ・コラム

久しぶりに銀座に行ってきた。かーたんの楽譜あさりのお付き合い。YAMAHAで1時間ほど、お買い物に付き合った。そして教文館でも楽譜の探し物。現在、ダイエット中だったが、あまりにお腹がすいたので遅めの昼食とすることにする。

201257生憎の曇り空だったが、銀座の街は人で賑わっていた。

どこに行こうか迷ったが、連休中、三茶のキャロットタワーに出店を出していた、ドイツ・オーストリアビール・ビアレストラン、ツークシュピッツェに行くことに決めた。銀座というか有楽町に近い裏通りの角のビルの二階に店はあった。ランチタイムはランチメニューしかなく、お目当てのシュニッツェルは食えなかったが、1,000円で十分の内容だった。

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ゲッサーのピルス。500ミリリットル。1,000円。ちと高い。

201252ハムとレタス、ニンジンのビネグレットの前菜。美味美味。

201253ハムステーキ。これはちょっと微妙な料理。

201254鰆のポワレ。これはなかなか美味。

201255センメル。380円也。オプション。これはコースにつけてほしかった。

201256シュナップス。550円也。なにか甘く、薬臭い、アルコール度数の低いシュナップスだった。

料理、酒ともに一部?はあるものの至極満足した食事だった。また来よう。今度は夜に・・・銀座から渋谷に出、下北沢から帰宅した。

雑踏の銀座のビル街風薫る     素閑


誕生・シュニッツェル・パーティー(レシピ公開)

2012-05-06 06:19:00 | 日記・エッセイ・コラム

今日はオカブのウン十ウン回目の誕生日。そこで自ら誕生パーティーを催すことにした。パーティーの献立はヴィーナー・シュニッツェル。シュニッツェルとは、ドイツ・オーストリア料理のトンカツのこと。特にウィーン名物のヴィーナー・シュニッツェルは、ラデツキー行進曲で有名な、ラデツキー将軍が、ミラノ遠征の際、ミラノ風カツレツをオーストリアに持ち帰り、宮廷料理になったという俗説がある。さて今夜の客はやったーうーまんにかーたん、そしてバイトから帰ったエルさんが加わる。まずはアペリティフのキールロワイヤルで、乾杯。そしてかねて下ごしらえしていたシュニッツェルを揚げはじめる。ここでシュニッツェルのレシピ公開。

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豚肉である。本場のウィーンの高級レストランでは仔牛のシュニッツェルを出すが、大衆的な居酒屋的な店では豚肉のものが主流。仔牛と豚肉を両方供するところもある。値段がそれぞれ違う。当然仔牛のほうが高い。今回の豚肉は西友で、ソテー用の5枚入りパックを大人買い。

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肉叩きで延ばす延ばす。ペラペラになるまで延ばす。肉叩きがなければビール瓶などで代用してもよい。

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ペラペラに延ばした肉。向こうが透けて見える。穴も開いている。

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延ばした肉に塩胡椒をする。全く下味をつけなくてもOK。お好みで・・・

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衣に着ける小麦粉の下準備。小麦粉を篩う。その前にベーキングパウダーを混ぜる。

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篩った小麦粉を肉にまぶす。

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小麦粉をつけた肉に卵をまぶす。ここまではトンカツと全く同じ要領。

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ここからがトンカツとの違いを見せつけるポイント。センメル・ブレーセルの登場である。センメル・ブレーセルとは、カイザー・センメルと称する、ドイツ・オーストリアの固パンから作ったパン粉である。これがあるとないのとでは大違い。センメル・ブレーセルではなく、普通のパン粉で作ったシュニッツェルはただの薄っぺらいトンカツと化す。センメル・ブレーセルはドイツ製のものが日本でネット通販で入手できるほか、福岡の『サイラー』でも通販で買うことができる。写真のものはオカブがウィーンで仕入れてきたアンカー社のもの。品質はいい。

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センメル・ブレーセルの粉。普通のパン粉よりもずっと粒が細かく、乾燥している。

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卵をつけた肉に、センメル・ブレーセルをまぶす。つけ落しがないように丁寧につけていく。

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衣をつけ終わった肉。揚げるのを待つだけの、まな板の鯉状態である。

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普通にサラダ油で揚げます。ここがいつも疑問に思うところなのだが、本場物のシュニッツェルはフライパンに薄く敷いたラードで揚げ焼きにするという。ラードはいかにも使い勝手の悪い油だし、薄く敷いた油で揚げ焼きというのは、まんべんなく火が通らないのではないかと思ってしまう。まあ、こんど挑戦してみよう。

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出来上がったシュニッツェル。レモンをきゅっと絞って食べると美味い。揚げ色の黄金色がオーストリア・ハプスブルク家の権勢を象徴しているという。

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アペリティフのキールロワイヤル。中身はもちろんスパークリング・ワインとカシスです。

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アントレ。レア・サーモン。

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イタリアンサラダ。

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オカブ風ジャーマン・ポテト。

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やったーうーまん寄贈のバースデーケーキ。

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いい歳をしてハッピー・バースデー・ツー・ミー♪

話も盛り上がり、6時から始めたパーティーも早11時に。明日もあるし、名残惜しいがこれにてお開き。深夜まで引き留めてしまったやったーうーまんを見送り、あとは山ほどある食器のお片付け。ふぅう。

窓開けて灯影に集い夏来る     素閑

 

 


フォルツァ・ドンナにまた行きました。

2012-05-04 07:20:00 | グルメ

風薫る頃、世間ではゴールデン・ウィークだと浮き足立っているのを見て、我が家でも、それらしいイベントをしないと済まないような気分になってきた。かといって、先立つものには乏しい。こういう時に、貧乏自営業の辛さが身に染みる。そんなわけで、レジャーとしてはコスパ最高の、フォルツァ・ドンナでかーたんと外食をしようということになった。6時にご入店。マスターに声をかけられて、店の一番奥のいつもの席に座る。料理はほとんどいつも通りのもの。しかし、美味い。毎度毎度、まずは冷たいビールから。かーたんはサングリア。

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ビール。ジョッキの肌には霜がついていて最高!

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サングリア。かーたんはこの店のがお気に入り。

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アミューズ。突出しにも手を抜かないところがいい。

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野菜のグリーンサラダ。自然の恵み一杯!

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フライド・ポテト。ちょっと毛並みの変わったものを今日は頼んでみました。

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レア・ビーフの叩き。実に美味い。

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生春巻きフォルツァ・ドンナ風。エスニック風味でお薦めの一品。

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海老と香草のアメリケーヌ・ソース。かーたんのお気に入り。

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野菜たっぷりのバニーニャ。ズッキーニやブロッコリーやベビーコーンがアンチョビ・クリーム・ソースで絶妙の味に。

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ドルチェ。ショコラ・パンダン。甘苦い味が食後の満足感を引き立たせてくれる。

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かーたんはキャラメル・アイスクリーム。

今日の食事も大満足で、マスターに感謝。「また、お越しください」の声に送られて、裁縫の時は今度はいつかな?とまた新たな楽しみに。

頬過ぎる風心地よし五月かな     素閑


キャロットタワーのちっちゃなちっちゃなウィーンフェア

2012-05-03 05:35:00 | 日記・エッセイ・コラム

連休後半の初日。何の気もなくかーたんと三軒茶屋に出かけた。商店街を見ていても、見慣れた風景と見慣れた品揃えなので、退屈してしまう。なんというか、三軒茶屋は、地元の土地持ちの旦那衆が道楽で店を続けているので、ほかの商店街に比べて、変化に乏しいということを聞いたことがある。土地持ちの商店主ということは家賃を気にしなくてもいいから、鷹揚な商売をしていけるということだ。しかし、そこは世知辛い今のご時勢、市場価格を無視した正礼のもとに鎮座ましましている商品は買い物客から見向きもされないということだ。しかし、三軒茶屋にも自由競争の波がひたひたと押し寄せていて、大分、街並みが変わった。大量仕入れ、薄利多売が可能なチェーン店が多くなったといってもよい。しかしトンカツの『しおじま』のような名店が失われるのはさびしい限りだ。茶沢通りを右に抜けてキャロットタワーに足を向ける。26階のスカイラウンジにエレベーターで昇って、摩天楼からの展望を楽しんで来ようという思惑だ。ところが、エレベーターホールにはウィーンのポスターが・・・ドイツ・オーストリア・ビア・フェスティバルというイベントをやっている。これは興味津々。しかし、26階に着いて納得。ウィーンというのは名ばかりの、小さなテーブルカウンターで、ドイツ・オーストリアのビールの展示・試飲・販売をやっているのだ。これは竜頭蛇尾というか羊頭狗肉というか・・・まぁ、世田谷区がウィーン一区と姉妹都市なので、こじつけたような名称のイベントまがいのことを考え出したというのが真相のようだ。しかし、ゲッサーやジップファーなどのオーストリア・ビールには興味があったので、出展社の『ツークシュピッツェ』の神長さんとは現地のビールの話などで盛り上がった。ついでに、ゲッサーを一杯。懐かしい味は美味かった。

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妻ともにそぞろ歩きや春行きぬ     素閑