昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

フォルツァ・ドンナでエルさんと飲み会

2012-03-30 13:16:00 | グルメ

エルさんが春休みである。相変わらず、休みといってもバイトに明け暮れる毎日だが、たまには親子でどこかに連れ出してやりたい。とは言っても、なかなか両者とも忙しくて、空いた時間が取れない。ようやく今日、夜、飲みに行くという約束で、若林のフォルツァ・ドンナへ行くことになった。エルさんも、二十歳になってバイトが終わるとバイト先のご主人から、一杯誘われたりして、大分、お酒のほうも鍛えられているらしい。そこで、かーたんとエルさんとオカブとで五時半過ぎに家を出た。予約の六時にちょっと遅れてフォルツァ・ドンナ到着。マスターの威勢の良い「いらっしゃい!お待ちしておりました!」という声に迎えられる。金曜の晩とあって客の姿がちらほら。真ん中の四人席に案内される。さて、ドリンクに生ビール、エルさんはカシス・グレープなるもの、かーたんはいつものサングリアで乾杯。エルさんとはバイトのこと、学校のことなどいろいろ話した。普段じっくり話す機会がないので、こうして親子水入らずで、酒杯を前に心置きなく話せる場は嬉しい。エルさんも普段は親父の前では無口だが、今日はアルコールの効力によってか、口も軽くなり、楽しい団欒となる。この子は、両親に似て、大変な健啖家で美味しいものには目がない。そこで料理もガンガンとり、がつがつ食う。なにせ、安くてうまいのがこの店のいいところ。これだけ飲んで食って、お支払は12,250円!だからこの店好きなんだよね。また来よう。4月から新年度が始まるエルさんの大学生活に乾杯!

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ジョッキに霜がまとわる冷たい生ビール!

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カシス・グレープなるもの。

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続いてオレンジ・グヮバなるもの。

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かーたんのサングリア。

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アミューズ三種。

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蒸し鶏のピリ辛中華風サラダ。

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生ハムとルッコラのサラダ。

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エビの香草マヨネーズ和え

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ナスとトマトのチーズ焼き。

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生春巻きフォルツァ・ドンナ風。

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野菜たっぷりのクリーム煮アンチョビ入り。

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マグロとアボガドのタルタル。

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春菊と菜の花・白身魚のフリッター。

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豚の香草パン粉焼き。

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ドルチェにバニラのジェラート。

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フォルツァ・ドンナのエントランス。地下にあって入るところが少しわかりにくい。

娘とのはるたけなわの酒宴かな     素閑


ビフテック・フリット

2012-03-24 12:22:00 | グルメ

またまた、ビフテキの登場である。なにせ、ここのところ、サミットで牛肉のセールを頻繁にやっているの、それを大量に仕入れて、簡単にできる料理で腹を満たすということに慣れてしまった。ビフテック・フリットについての薀蓄はもう嫌というほど書いた。しかしあえてまた書く。ビフテック・フリットはフランス人の国民食である。向こうのリーマンは、会社の近くのカフェで、この牛肉の焼肉を食い、そして家に帰ると女房の手料理で、また食うことになる。これが連中にとって全く飽きない。ちょっとしたレストランでは、もっとほかの料理もあるのだからそちらのほうを食味してみてもよさそうなのだが、彼らは牛肉と揚げ芋を食いまくる。もっとも、最近は、フランス人のほとんどが共稼ぎで、主婦はあまり家でおさんどんをすることがなくなったと聞く。その場合、主婦は、会社からの帰りがけに、シャルキュットリー(総菜屋)に寄って、サラダやソーセージ、ハムなどの類を仕入れて、晩の食卓に乗せる。これだったら皿に盛るだけだからいかにも簡単である。フリットとはポンム・フリット、フレンチ・フライドポテトのことである。これに大量の青菜を添えて食べるので栄養のバランスは取れている。そもそも牛肉を焼いて食う習慣は、18世紀にイギリスから渡った比較的新しい歴史のものである・しかし当時は、牛肉を食べられるのは貴族か都市のブルジョアで、農村部ではたまに塩漬けの豚肉を食べられるのがせいぜいだった。それに従えば、フランス人の肉食への情熱というものはすさまじいものがあることは容易に想像できるのであっって、太陽王ルイ14世は100皿にも及ぶ料理のコースを臣下や外国の賓客の前で食べたといわれる。もちろん全部、胃の腑に収めるわけではなく、つまみ食いであったろうとされている。要は権力の誇示である。この料理には、野禽や家禽なども含まれていたがすべて「王のヴィアンドゥ(王の肉)」と称されていた。肉を大量に食べることが権力の誇示になったのである。ところで、最近のフランス人は、エリートはスマートではなくてはならぬという呪文にはまり、肉は赤身のところを少々、パスタや芋はスキップする傾向にあるという。前世期のガストロノミー崇拝は、スマート&リーンの一大方針にかき消されてしまったかのようである。

ガラス戸を固く締めるや春の宵     素閑

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タイ・グリーンカレー

2012-03-22 06:44:00 | グルメ

ご案内の通り、木曜日はうちは夫婦そろって忙しいので、簡便なレトルトカレーを作って食うことにしている。かーたんは普通のカレーだが、オカブは趣向を変えてタイ・カレーを食うことにしている。しかし趣向の変わったものは、当然お値段が張るのが通常で、普通のスーパーでタイ・カレーのレトルトパックを買うと300円近くする。これは我が家の破綻を予感させる価格である。しかし、安心召されい。西友でS&Bのタイカレー1パック128円といううのが毎日の定価で出ている。そこで三軒茶屋に出た時にはこの西友S&Bタイ・カレーを大量に仕入れておいてストックしておく。さて、ご存じ、レトルトカレーの作り方はいたって簡便である。鍋にお湯を沸かしてレトルトパックごと入れればいいのである。適当に温まったら、お湯から出して、ご飯にかけて出来上がり。味はというと、やはり128円の味である。しかし300円のものと172円の差があるとは思えない。したがって、非常にリーズナブルといえる。しかし、オカブ流タイカレーはこれにトッピングとして大量のコリアンダーの細切れをかける。これは30年前、ヨーロッパ放浪旅行の折、ストラスブールで居候になっていた、カンボジア人の家庭で伝授されたものであることはすでに何回も書いた。重複を恐れずに繰り返せば、オカブはこの家で、ソーメンに鶏の丸焼きを乗せたもの、インスタントラーメンに鶏の丸焼きを乗せたものなど、主に鶏を主材料とした大変なご馳走に預かった。これらの料理にカンボジア特有の調味料、そして東洋系の香菜コリアンダーが大量に使われていたのである。この家の主のBin Yok Rong は、よく私を車に乗せて、町の中心部まで行き、行きつけのアジア食材店(エスニック食材店)で彼らにとってはなじみの、したがってごく普通の日本人であるオカブにはわけのわからない食材を仕入れていた。彼としては、極東からのお客に珍しい食材の買い物を見せたかったのであろう。そして先にも述べたとおり、この煮込み料理に大量の生のコリアンダーの細切れを刻んでかけて食べる。かれらにとっては当たり前のスパイスだったのだろう。しかし30年前の日本人にはそんなものを食べた経験もないので、最初は強烈な臭いが鼻についてどうにも我慢が出来なかった。しかし、少し慣れてくると俄然病み付きになった。日本に帰国してそれらしいスパイスを、高級スーパーで探しまくった。しかし見つからない。しかし25年の歳月をかけてやっと、このコリアンダー(香菜)がどこのスーパーでも当たり前に手に入るようになったのは、5年位前からである。オカブはこの野菜を一束、遠慮なくみじん切りにしてカレーにかける。そしてこのカレーを味わっていると、30年前の青春の思い出と、異郷の地の香りが漂ってくるのである。

春盛りみちるは南の香りかな     素閑

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春の晴れ間に世田谷公園

2012-03-16 06:07:00 | 日記・エッセイ・コラム

わが愛車である。からこれ10年近く前に買った。しかしまだ快調に力強い走りの冴えを見せてくれる。今日は平日ではあったが急ぎの用もないので、この愛車で世田谷公園までサイクリングと相成った。しかししばらく乗っていないとお尻が痛い。脚の筋肉もつってくる。身体の老化が著しい。そこでこのサイクリングを週末に定期的にやることにした。老化防止である。別に老化して老いぼれてもいいのでが、かーたんが迷惑だ。しばらくはLet's exercise!だ。

親子にて春日に照らされ遊びける     素閑

 

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ビーフストロガノフ

2012-03-15 11:55:40 | グルメ

我が家の今晩のおかずはビーフストロガノフ・ハッシュト・ビーフ風である。かーたんが作ってくれた。銭もないのに結構美味そうなものを食っているではないかとは言うなかれ。これも、先に述べた、牛肉の半自由化によりオージービーフが輸入され、100g98円という安い価格で消費者が購入できるようになった恩恵をあずかった次第。オージービーフは貧乏人の味方である。だいたい関東人は昔はあまり牛肉を食うという風習がなかった。我が家では、つい最近まで(かーたんが嫁いでくるまで)すき焼きも豚肉のを食っていた。そのほうが安いし、牛肉よりも豚肉のほうが美味いと思っていた。牛肉といえば、吉野家の牛丼で食うのが関の山であった。しかし国際情勢の変化により、我が家にも輸入物の牛肉が侵食してきた。なにせ、豚肉と同じ値段である。食わない訳にはいかない。オージービーフは貧乏人の味方である。Photo

会社を辞める前はこんな貧乏生活を強いられることになろうとは思ってもみなかった。昔は結構ユーガにやっていた。 しかし、子供のころから大人になったら貧乏になるんだろうなあ、という漠然とした予感はあった。なにかこう、もやもやとした言い表すのが難しい不安のような感覚である。そして大学時代もそれなりに社会に出たら落ちぶれるんだろうなあ、という漠然とした予感があった。なにかこう、もやもやとした言い表すのが難しい不安のような感覚である。それが現実のものとなって、目の前に突き付けられても、大した感慨はない。今、初老と中年との中間のような年齢である。昔でいえば完全な老人の部類に入るだろう。もう、大して長くない先は見えている。なにか諦観ともつかない安閑とした境地に安住している。老後がどうなるかわからない。なんの保障もないぷー太郎のようなものである。しかし、くよくよしたものでもない。ただ、もって生まれた人物から、泰然自若という様態とはずいぶん違ったありようであるのは情けない。仕事のほうも今、新しいことを仕掛けようとしているが、志はあれど道遠しである。実現性からはずいぶん離れた大言壮語を心の中で行っている。どうなることやら??まあ、これも生まれついての地に足のつかない性格と、努力を厭うあまりよろしくない心魂のなせる業であろう。春の宵、でるのは苦いため息ばかりである。

朧月友の栄進醒めた酒     素閑


季節外れの梅見

2012-03-14 18:25:31 | まち歩き

確定申告ではないが、北澤税務署まで行く用事ができた。そこで、行く道の途中にある円乗院と羽根木公園で梅見をしてこようという計画を立てて、3時過ぎに家を出た。北澤川の緑道を行く。冷たい冬から暖かい春の陽気が兆したこの日は外に出て日光の恩恵に浴そうという人が大勢いて北澤川の緑道は平日にもかかわらず子供を連れた散歩の家族連れ、ジョギングをする人などで賑わっていた。さて、円乗院は真言宗豊山派の古刹。中世の伝承の巨人、「ダイタラボッチ」の起源の縁や、正月に保存会の人たちによって演じられる「代田餅つき歌」の縁などがある由緒ある寺である。

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円乗院では参道脇にある文殊菩薩、六地蔵などを見た。

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円乗院にはこの近辺では貴重な日本庭園が解放されている。そこには紅梅白梅が植えられ、季節外れではあるが春の陽気に惜しみなく花を咲き誇らせていた。しかし今年の冬は異常に寒く、今の頃でも梅はまだ八分咲きである。

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円乗院の庭園はそれは見事なもので、滝から水が落ち、泉水には錦鯉が放されている。ここにくると、都会の真ん中にいることを忘れさせてくれる。

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しかし、円乗院の梅は華やかではあるが、どこか控えめで、ゆかしい香を放っていた。7

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円乗院から環七を渡って梅ヶ丘へ、そこにある羽根木公園に向かう。羽根木公園も、平日というのに梅見の人たちで賑わっていた。写真を撮る人、句碑を眺める人、梅花を仰ぎ鑑賞する人など、待ちに待った春の陽の中で思い思いに寛ぎのひと時を過ごしていた。

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しかし、羽根木公園の梅もまだ八分咲きであった。羽根木公園では、2月に世田谷区主催の梅祭りが開催され、模擬店が店をだし、茶席などがしつらえれる。しかし2月の時期では梅はまだほとんど咲いていなかったであろう。

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さて、梅を愛でて雅の心に浸った後は、税務署でうんざりするような浮世の雑事に心悩ますのであった。

狂い咲き人少なき様梅林や     素閑


雛祭り

2012-03-03 13:36:00 | 日記・エッセイ・コラム

今年もひな祭りの季節がやってきた。しかし、物入れにしまってあるひな人形を出して飾り付けたのはつい一昨日のことというのは、無精が身についているかーたんとオカブとしては毎年恒例のこと。切羽詰ってからでないと、なかなか身体が動かない。まあ今年のお雛はエルさんもバイトのことだしなんの祝いの行事もしないことにしていた。そこで、オカブとかーたんは夕飯に不塚越のカレーの残り物を温めてなんともわびしい晩餐を澄ました。我が家のお雛は、エルさんが生まれたときの初節句にかーたんの実家のおばあちゃんが買ってくれたもの。お内裏さまとお雛様の二体しかないが、なかなか大振りで立派なものである。そのエルさんも昨年、二十歳を迎え今年成人式、この四月には大学三年に進級する。まあ、すくすくとここまで大きくなったものだ。完全に独り立ちするまであと一息。あとは片付くところに片付いてもらうのを待つばかりだ。三月に入り休みということもあり、エルさんはバイト先からなにかと急な店番を要請されることが増えてきたようだ。今日も飛び込みの当番。なにかエルさんの大学生活というものは学校に行って、バイトをしてに明け暮れているようで、いかにものんびりとした学生生活を謳歌したオカブとしてはなにか可哀そうになってしまうようだ。しかし、まあなんとか二十歳のお雛を迎えられた。めでたしめでたしである。

雛祭り変わり映えせぬわが身かな     素閑

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