ゲーム・コミック・遊び雑談

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ゴルゴ13のTVアニメ第1話(アニメ)

2008年04月13日 21時51分40秒 | コミック・アニメ
「ゴルゴ13」のTVアニメが始まりました。その第1話は「AT PINーHOLE」でした。どうも観てみて原作とは表現の仕方が違うなと思いました。

約25分間の放送で1つの話を完結させる方針のようで、以前「シティーハンター」のアニメでもどうも短時間に詰め込みすぎている印象がありましたが、この「ゴルゴ13」でも同様の不安を感じました。その方針の賛否についてはさておき・・・・・・

私としては原作でいくつか印象的な場面や演出があったのですが、その何れもが省略や変形させられていたのが残念でした。これから書いていきますが、手元に原作がなくて細かい所の記憶は曖昧です・・・・・・

1つ目はデイブにゴルゴが仕事を依頼する時のやり取りです。「デイブ・マッカートニーと言えば全米でも5指に入るガンのハンドメーカーではなかったのか?俺の依頼主が俺の腕を信用するように、俺もあんたの腕を信頼してここに来た」「分かったよ、デイブ・マッカートニーの全てをこれに賭ける。全てをな」

ここはゴルゴの人間らしさというのか、相手の人間を見抜いて静かだけど熱く語っているものを感じます。そして本当に腕前を信用してデイブを頼って来た、お互いの仕事の大変さを肌で感じ取り尊重している。

「注文はそれだけか」「ならもう行ってくれ、仕事の邪魔だ。なにしろ3時間だからな」とゴルゴに言えるデイブに対して一種の感動がありました。

「デイブ ありがとう」とゴルゴは礼を言い、デイブは黙ってニッコリと笑います。この時に両者に一種の友情のようなものが生まれたような気がします。

ゴルゴは冷静でマシーンのような正確さでどんな神業も顔色一つ変えずにやってのけますが、時折見せる人間らしさのようなものを見付けた時に読者は嬉しくなる瞬間があるのではないでしょうか。このアニメではゴルゴは終始クールでした。それがカリスマ性でもありますが、原作を読んでいるだけにかえって物足りないものがありました。

次に狙撃の周辺というか、まずゴルゴがなかなか現れなくてやむを得ず狙撃班で最高の男に狙撃が命じられます。彼はオリンピックで金メダルを取った男でした。上司は「君ならやれる」「失敗は許されない」と言います。金メダリストはスコープを覗き狙いをつける・・・しかしあまりのターゲットの小ささに汗だけが流れ落ち、「・・・私には出来ません」とガックリ肩を落とします。いかに困難な狙撃であるかの演出。

ゴルゴが到着して対応を受ける。ゴルゴは「距離」「風向き」「風速」などを訊きます。「距離はFBI狙撃班が測定したところ、1041m」(←いい加減)「風速・・・」などと即答で返ってき、次に「気温と湿度」という質問が・・・・・・

それを傍目に見ている男達が「気温や湿度が関係するのか?風なら分かるが・・・」「湿度は・・・ 火薬の燃焼時間に影響し ・・・着弾点に差が出る・・・」(←ここら辺もいい加減・・・)などと会話しています。「そんなに微妙なものなのか?」「1キロ先では特に、な」・・・・・・

こうしたさりげない解説が話を盛り上げています。ゴルゴ本人は多くを語らず、脇役が仕事の困難さや解説をする、それによって読者は背景や状況を理解したり物語に深く入り込んだりします。こうした点でも物足りなさがありました。

そしてラストですが、「風」や「気温・湿度」などの情報をもらったゴルゴは一言も発せず鋭い眼光で素早く計算している様を見せ、周囲の驚きや緊張感を尻目に狙撃に入ります。

様々な人間の思惑や好奇心、命の危険、責任などが渦巻く中、ゴルゴは何事もなかったかのようにあっさりと片をつけます。周囲が固唾を飲んでいる、その中気付くとゴルゴの姿はもうありませんでした。

この素早さというのかあっけなさというのか、ここが非常に印象的でした。そう、ゴルゴはプロの狙撃手であり犯罪者なのです。常にヒットの後の逃走の経路や方法などに気を配っているのです。

決してスポーツ選手のように超一流の芸当を見せた後に人々の喝采を浴びるのを望んでいる訳ではありません。そんなものが許される筈がないのです。そういった意味でラストのちょっとした部分なのですが、その短い時間においてもあの原作の雰囲気が味わえなかったのが残念でした。


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