Saitolab 「なにもせんほうがええ」

婚しては妻に従い ボケては猫に従う

飢餓海峡

2020年05月23日 | 書籍・映画・音楽
BSでエアチェックしていた映画「飢餓海峡」を観る。面白い映画ではあるが内容の割に3時間は長すぎた。2時間程度の尺に納めたほうがテンポもよくなるのにと思える。三國連太郎の演技は素晴らしいが「マルサの女2」と演じ方が一緒なのは仕方ないか。ほぼ同時代の黒澤映画「天国と地獄」ほど感情移入できない原因を考えてみた。「天国~」ではリアルタイムに進行する誘拐事件での犯人と刑事の攻防があり犯人が悪人に徹していた。「飢餓」では次々判明する状況証拠から犯人とその足取りを浮かび上がらせ追い込んでいくスタイル。映画前半部分はそれなりに緊張感もあった。事件が大きな転換を迎えるためには10年の歳月が必要であり流れは一度断ち切られる。また、犯人の犬飼(三國連太郎)が極悪犯人でないことから追う刑事より三國側に感情移入してしまう。この映画の見どころは大湊の花街。秘湯雷電湯元朝日温泉や下北の湯野川温泉などつげ義春が好む寂びれた湯治場。そして何より現役時代の川内森林鉄道。映画のストーリーよりそういう情景に興味が向いてしまう。令和の時代になって語られる「昭和」は主に70年代以降の風物ではあるが、我々世代にとっての「昭和」は昭和20~30年代を指すことに間違いない。この映画はピチピチの左幸子を観ていればそれで満足なのでした。

飢餓海峡

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