Saitolab 「なにもせんほうがええ」

婚しては妻に従い ボケては猫に従う

アリスのカメラ

2014年02月16日 | 書籍・映画・音楽
敬愛する作家 安部公房の私生活が綴られた「安部公房とわたし」を購入する。作家と愛人関係にあった女優・山口果林の回想記となる。安部作品を読み解くうえで作家の私生活、それも人間関係は必要ない情報であると思う。この本を読もうと思ったきっかけは作家の人間的な行動、心情よりも趣味嗜好品にまつわる表記が拾えないかと思ったからだ。作品「方舟さくら丸」にある立体航空写真やカメラ、「燃えつきた地図」で喫茶店のテーブルに広げられた探偵の持ち物の数々、そして「ユープケッチャ」標本など。テープレコーダー、ワードプロセッサー、人体骨格標本模型にシンセサイザー、ダンボール箱などはどれも欠かすことのできないピースでもあるのだ。そして最新電子機器に腕時計、万年ペンにスチルカメラなど際限なきコレクションは愛人を囲うよりもスリリングではないか。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オールパン | トップ | ニセコ紀行 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

書籍・映画・音楽」カテゴリの最新記事