壽岳文章『日本の紙』昭和19(1934)年3月10日 靖文社/発行

装幀/芹沢銈介
冒頭に紙漉きの原料から漉き作業の様子を写した写真が8ページあり、その後に「和紙のしなじな」として、実物和紙8葉を貼った10ページがあります。
本文中に装幀者の名前を記載するのを忘れたために、名前だけ印刷した別紙紙片を表題紙の前ページに貼り付けてあります。

以前の記事「私のコレクション "HAND-MADE PAPER OF JAPAN"」で紹介した外国人観光客に向けたものを「昭和十八年の夏、筋のはこびを、ほぼ観光人文庫のに頼りながらも、すつかり骨を入れかへて書き改め、和紙のすきな南方氏の乞ふにまかせ、ここにおほやけにする。」と、改稿しています。
表題紙

奥付

本書には、壽岳文章氏の署名を雁皮紙にいただき、挟み込んであります。

昭和22(1947)年6月30日に発行された、本書の三刷本。

表題紙

装幀と口絵、実物見本貼付部分が変わっています。

「あとがき」で次のように述べています。
「舊版のやうに、紙の見本をそへることはできなくなつた。心のこりであるが、いたしかたがない。寫眞も原版を燒いたので、その代りに芹澤銈介兄がずつと前に作つた型染紙漉屏風―武州小川を描いたもの―の絵づらを写真にとり、口絵とする。風情はかへつて加はつたことと思ふ。」
添付の実物和紙は3葉(雁皮、楮、三椏)にとどまっています。
奥付
