最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

私のコレクション 『詩世紀詩集』特製本

2023年11月13日 | 赤江瀑

赤江瀑が、本名の長谷川敬の名前で発表していた詩が収録されている本です。

『詩世紀詩集1955年版』 昭和30年8月15日/詩世紀の會発行/あかね書房発売/定価350円 本書は「300部限定版」とあります。この本は前に紹介しましたが、移転する前の記事で画像が表示されないので、表紙と奥付ページを載せます。

https://blog.goo.ne.jp/saisyukai-bunko/e/56c2b539658ab110cf623de7acba7100

 

 

 

それが、全く同じ装幀で定価が700円の「特製本」と奥付表記したものがこちらです。

その奥付。

 

特製本の定価が加わっているだけで、他は全く同じです。

(「特製本には箱があった」という情報もありますが、未確認です)

 

「詩世紀」56号(昭和30年9月1日発行)39ページに、編輯兼発行人の服部嘉香氏が書いた「閃光録」に、『詩世紀詩集1955年版』発行時の顛末が書かれています。発売が「あかね書房」になった訳などが書かれていますが、書誌的な詳しいことには触れられていません。

 

 

 

 

 

 


ふるさと伝説の旅10 中国 風土記の国

2023年06月27日 | 赤江瀑

赤江瀑氏の生前に刊行された著作(単独著作、アンソロジー、エッセイ等が収録された本)は全部集めたと思っていましたが、こんな本がまだ抜けていました。

『ふるさと伝説の旅(全13巻のうちの第10巻) 中国 風土記の国小学館 昭和58年10月30日発行

この中で、山口県 「琵琶の音にむせぶ亡霊――耳なし芳一」を執筆しています。

 

表紙。

 

その目次部分。

 

 


未来工房発行 赤江瀑豆本『四月幻穹』

2018年05月13日 | 赤江瀑






著者の赤江瀑さん、未来工房を主宰していた桑原宏さんのおふたりとも鬼籍に入られたので、差し障りのない範囲で記事にします。


前にも紹介した、2006年3月に未来工房から出た『四月幻穹』は、限定20部の肉筆豆本で「オークション形式」で落札価格が公表されないという、何とも不可解な方式で頒布され、入札金額上位20人の落札者は個々の入札価格で購入しているため、頒価というものが不明です。




未来工房から頒布の案内をいただき、メールで入札したのですが、その後、出版されても何の連絡がなかったので主宰者の桑原さんに電話で問い合わせたところ、私からの入札のメールが届いていないと言われました。釈然としない思いで落札価格を尋ねると、最低入札者の入札額は私が入札した額より低いことがわかりました。桑原さんは気の毒と思ったのか、版元保管分の1冊を私の入札価格で分けてくれるということになり、多少多めに送金したところ、後日届いたのは、ここに紹介する赤江瀑さんの原稿と手紙でした。


 赤江瀑さんから未来工房に宛てた肉筆の本文在中のレターパックの宛名部分。




 桑原さんからの手紙。





 赤江瀑さんの手紙(A3判 スキャンの都合で真ん中1行が抜けています)

 
 肉筆の本文は22冊分、用意されたということです。
 限定20部(公称)のほかに、刊者本が2部ある可能性があるということです。



 赤江瀑さんの原稿を説明したメモ。(A3判)





原稿の段階でのタイトルは、今のところ仮題ということで『四月濛濛』でしたが、刊行されたときは『四月幻穹』となりましたが、その経緯はわかりません。
赤江瀑さんからの手紙の中にはギャラの額が書かれていますが、生々しいのでその部分にはモザイクをかけてあります。










初見資料 赤江瀑エッセイ

2016年12月31日 | 赤江瀑
ひょんなことから赤江瀑氏のエッセイが掲載されていることを知りました。

ローリング・ストーンズのLP「サタニック・マジェスティーズ」ロンドン発売25周年特別企画の完全限定盤
ロンドンレコード 1976年?

付属する8ページの冊子には、三宅はるお氏の解説、歌詞と訳詩(宮原安春氏)に加え、
見開き2ページで赤江瀑の「〈僕にとってのローリング・ストーンズ〉シヴァの暴風神」と
題したエッセイが掲載されています。

  LPレコードでA4のスキャナーには収まらないので帯の部分だけですが、下が切れてしまいました。





  冊子の表紙





  エッセイ部分





私のコレクション *赤江瀑 解説の本 

2016年09月14日 | 赤江瀑





これと決めた作家の場合、解説や推薦を書いている本がある時には、コレクションの対象にしてきました。
途中で挫折した作家も多いですが、継続して調査している作家は2人。星新一さんと赤江瀑さんです。
(ふたりとも、ここでの記事が多いので、言わなくてもおわかりかと思います)


ネットで見られる赤江瀑の著作リストや関連書のリストには載っていない本を見つけました。

  函。B4判の大型の本です。




  本体はクロス装です。





  その奥付部分。





  該当部分。「狙われている鑑賞者」というタイトルで、1ページの解説文が掲載されています。












  








「詩世紀」における長谷川敬(赤江瀑)

2016年06月03日 | 赤江瀑





赤江瀑(本名:長谷川敬)が、高校生の時から参加していた同人誌「詩世紀」に掲載された作品を調べ上げた労作です。

巻末に「詩世紀」第1次創刊号から第100号までと、第2次創刊号から第8号までを調べ、長谷川敬名義の掲載作品をリストアップした一覧表があります。



表紙

     

『「詩世紀」における長谷川敬(赤江瀑)』 2016年5月1日 書肆いろどり 発行 32ページ、中綴じ簡易製本。



目次

     




入手方法は以下。

URL: https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=76913765&m

書肆盛林堂さんでも扱っています。
http://seirindousyobou.cart.fc2.com/



所蔵していた「詩世紀」に載っていた長谷川敬作品のタイトルは前に紹介しましたが、それはごく一部に過ぎず、その後の調査を怠っているうちに、きちんとした資料が作成されたことは、たいへんにありがたく、喜ばしい限りです。












私のコレクション 気になる雑誌 「詩世紀」(3)

2014年04月21日 | 赤江瀑






以前買い求めた「詩世紀」のバラが所在が不明になっていたのですが、捜索の結果、段ボール箱から出てきました。
その何冊かを紹介します。(作品名は旧漢字が使われていることが多いため、表記通りになっていないことがあります)


「詩世紀」48号。表紙


その目次。掲載作品は「古典のうづ」



49号表紙。


その目次。掲載作品は「觀念にみる不穩な話」


50号表紙。


その目次。掲載作品は「悲戀 <では 夜のガスパールと云う奴は…>」



56号表紙。


その目次。掲載作品は「卒塔婆センチメンタリズム」



70号に作品の掲載はありません。(画像略)


74号表紙。


その目次。掲載作品は「星月夜の悪にまぎれて」



99号表紙。作品の掲載はありません。



100号表紙。表紙に棟方志功、目次カットは利根山光人と豪華です。


その目次。掲載作品は「ディステンパーの犬」


この雑誌も「当初の使命を果たした」と、100号(昭和35年8月)が終刊号になっています。


これまで3回にわたり、手元にある「詩世紀」における長谷川敬の名で発表した詩作のタイトルを紹介してきましたが、ここにまとめておきます。

21号 「断崖」
22号  掲載なし
23号  掲載なし
24号 「假睡」
25号 「蒼い死の仮面 ―シューベルトの小夜曲に―」
26号 「主題を「男色」にとる挿話」
29号 「奈落の水」
31号 「超の抒情」
48号 「古典のうづ」
49号 「觀念にみる不穩な話」
50号 「悲戀 <では 夜のガスパールと云う奴は…>」
56号 「卒塔婆センチメンタリズム」
70号  掲載なし
74号 「星月夜の悪にまぎれて」
99号  掲載なし
100号 「ディステンパーの犬」










私のコレクション  『詩世紀詩集 1955年版』 (限定300部) 追記

2014年04月07日 | 赤江瀑




私のコレクション 赤江瀑(2) で書いたこと以上に新たな発見は無いのですが、同人誌「詩世紀」数冊が入っていた段ボール箱をようやく見つけたので、発行当時、この本に関する記述があるのではないかと……。


「詩世紀」56号の表2(表紙の裏)の広告。



限定300部とも、特製版があるという説明もありません。


謎は深まるばかり……。








私のコレクション 赤江瀑関連資料

2014年04月06日 | 赤江瀑






1991年にモーリス・ベジャール演出・振付による「ニジンスキー 神の道化」公演は8月16日の東京公演を皮切りに、大阪、京都、名古屋、熊本、福岡、東京、富山、秋田、仙台と巡り、10/6の北海道を最後とする38回に及びました。演じたのはジョルジュ・ドン、シーペ・リンコフスキー。
といっても、そのときのプログラムにそう書いてあるだけで、バレエのことは全くわかりません。


見出しに掲げたその時のパンフレットはA4判より少し大きいので両サイドが切れています。




このパンフレットに赤江瀑氏が「魔法の禱り」と題した一文を寄せています。





対向ページにはジョルジュ・ドンの姿が。肖像権も著作権もあるので、モザイクをかけてます。


私のコレクション 気になる雑誌 「詩世紀」(2)

2014年04月01日 | 赤江瀑



赤江瀑氏が本名の長谷川敬で詩作を発表していた同人誌「詩世紀」の21号から26号、29号について調べることが出来ました。

1952年3月号(21号)蒲原有明哀悼號





断崖 という15行の作品が掲載されています。


1952年4月号(22号)には作品の掲載はありません。



「波沈子」による前號寸評があり、その最後に 「断崖」長谷川敬に刮目する。 とありますが、毎号、前號寸評が載っているかというとそうではなく、前號寸評が載っている号はほとんどありません。


1952年5月号(23号)に作品の掲載はありません。




1952年6月号(24号)




假睡 と題した作品が載っています。










1952年7月号(25号) 表紙は24号となっていますが、25号の誤植です。


谷川俊太郎の「朝・留守」と題した詩が掲載されています。当時、『二十億光年の孤獨』を出版したばかりの新人でした。



目次には作者名しか載っていませんが、
 蒼い死の仮面―シューベルトの小夜曲に―  と題した作品が載っています。


1952年8、9月合併号(26号)



主題を「男色」にとる挿話 と題した作品が掲載されています。



目次にルビはありませんが、作品の掲載ページでは、主題には「テーマ」、挿話には「エピソード」とルビがついています。


1953年1月号(29号)





奈落の水 と題した作品が掲載されています。








私のコレクション 気になる雑誌 「詩世紀」(1)

2014年03月27日 | 赤江瀑





赤江瀑氏が作家デビュー前に、長谷川敬(本名)の名前で詩作を発表していたことは知られていますが、その全容を調査した方はいるのでしょうか。


同人誌「詩世紀」昭和28年3月号(4巻3号)




その目次。「超の抒情」という作品が掲載されています。



 
赤枠の部分です。部分拡大しました。




著作権がありますから、作品自体を載せることは出来ません。
現物を手に取って、作品が載っているかどうかを調べられないことがほとんどなので、なかなか集まりません。

全容ならずとも、調べた方がいらっしゃればご教示ください。






私のコレクション 赤江瀑作品の映像化台本

2014年03月20日 | 赤江瀑





以前の記事で、赤江瀑作品が映像化された作品として、以下の印をつけた4タイトルを挙げました。

「白い肌の狩人 蝶の骨」監督/西村昭五郎 にっかつ 1978年 の台本(準備稿)。
プロデューサー、企画、脚本、監督の欄にはお名前がありますが、撮影‣照明‣録音‣美術‣編集‣音楽‣助監督などの製作スタッフの名前欄は空白です。





「雪華葬刺し」監督/高林陽一 大映 1982年 この台本は未入手です。



「オイディプスの刃」監督/成島東一郎 角川春樹事務所 1986年
表紙に文字は無く、これは標題紙にあたるページ。準備稿とあります。




こちらは別の台本の表紙。
角川春樹事務所 作品とあります。角川小説賞第1回受賞作品で、書き込みもなく使われた形跡はありません。





「くれないものがたり」監督/池田敏春 パイオニアLDC 1992年 の台本。(仮題)「ひたくれなゐ」―決定稿―となっています。
その表紙。





裏表紙。使った人の名前が書いてあります。
誰かと思ったら、室井春治役を演じた佐野史郎さんのサインです。





台本の中にもいろいろ書き込みがあります。
京都弁の台詞のイントネーションに苦労されているようです。これもご本人が書いたのでしょう。





これ以外に、テレビドラマの台本と思われるものがあります。 
赤江瀑 原作「マルゴォの杯」より 「殺意の二重奏」(仮題)製作 テレパック TBS




背に「ザ・サスペンス」とあるのですが、TBSのそのシリーズの放映リストを見ても、該当する作品はありません。



「マルゴォの杯」は、関西テレビ系列月曜夜10時枠の連続ドラマ 「京都サスペンス(2)」で、1988年12月26日に放映されたという記録がありました。
監督 山下耕作 脚本 小森奈津 出演 岩下志麻、奈良岡朋子、石橋蓮司、長塚京三 制作 東映
これにも台本はあるのでしょうが、未入手です。










私のコレクション 赤江瀑『マルゴォの杯』 湯川書房 に異装本は存在するのか?

2014年03月05日 | 赤江瀑





巷では赤江瀑『マルゴォの杯』(湯川書房 1977年刊 限定150部)のビロード貼り函の色が2種類(臙脂と金赤)あると言われています。

並べてみれば、確かに色味が違いますが、これは意図して作られたものではなく、途中で材料が不足したために似た色のビロードを使ったというのが真相のようです。


そのことをもって異装本があると言うのであれば、表紙の革の色味もこのように違っているし、函の内張りの草色のビロードも違います。


内張りのビロードの色違いと、函の外張りのビロードの色違いが組み合わせによって存在すれば、それだけでも4種類あることになってしまいますし、革の色味やシボは1冊ごとに違うわけですから、そこまで些細な違いをあれこれ言う必要はないように思います。

異装本というのは、制作者が何らかの意図をもって作成したものですから、この本に関しては異装本は存在しないというのが私の見解です。


本書の詳細は、最初に紹介した記事をご覧ください。  →こちら








私のコレクション *追悼*赤江瀑(14) 映画ポスター

2012年07月16日 | 赤江瀑






赤江瀑作品が映像化された中で、これは珍しいと思えるものです。

「白い肌の狩人 蝶の骨」(赤江瀑原作 西村昭五郎監督 1978年 にっかつ 出演者:野平ゆき・山口美也子・戸浦六宏・中原潤ほか)が、イタリアで上映された時のポスター。


ポスターの大きさは全紙で、畳1枚分ほどもあるので、画像2枚をつなげてあるために歪みがあり、上下を一部分カットしてあります。
"VIOLENZA"はバイオレンスのこと。なんとなくわかりますね。"vietato ai minori di 18 anni" は「18」と入っているので、何となくわかりますね(^_^;) 「18禁」です。
主演の「野平ゆき」さんの名前が「YURI NOMIRA」になっているのがご愛嬌。


赤江瀑作品を映像化したものは、他に以下の3作品がありますが、ここでは作品名だけ挙げておきます。
 ☆「雪華葬刺し」高林陽一監督 大映 1982年
 ☆「オイディプスの刃」成島東一郎監督 角川春樹事務所 1986年
 ☆「くれないものがたり」池田敏春監督 パイオニアLDC 1992年

記事をアップして、新聞を読み始めたら、「雪華葬刺し」の高林陽一監督の訃報が載っていました。びっくりです。