最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

【展覧会のご案内】 ティニ・ミウラと三浦永年の展覧会 ~会期終了~

2017年04月06日 | ルリユール


     ~会期終了しました~

 


「ティニ・ミウラと三浦永年の展覧会」が下記日程で開催されます。




会期:2017年4月12日(水)~4月19日(水)
時間:10:00~20:00
場所:紀伊國屋書店 新宿本店4階フォーラム(入場無料)

ティニ・ミウラ制作の装幀本50点と三浦永年制作のマーブル・グラフィック50点を展示(一部販売)します。

会期中の4月15日(土)と17日(月)の両日、17:00~ ティニ・ミウラと三浦永年によるギャラリートークを開催します。要予約(参加費は無料)お名前と参加希望日をご連絡ください。
※ギャラリートークがある両日は、閉場時間が早まることがあります。

      連絡先は画像をご覧ください。 










【ご案内】 ギャラリートークと展覧会 豪華製本装幀の世界 ~会期終了~

2016年09月16日 | ルリユール



     終了しました


 先日、新刊をご紹介したティニ・ミウラさんが来日し、著書『世界の巨匠 ティニ・ミウラの手造り豪華本1990-2015』のサイン会と、編者であり夫君の三浦永年さんとの記念対談をおこないます。90年代以降から現在までの活動内容と総革装幀本の素材、技法、デザインなどのお話が聞けると思います。
ご興味と関心がある方は、ぜひご予約の上、お運びください。

展覧会会期:2016年9月28日(水)~10月18日(火)
場所:丸善日本橋店3階 ワールド・アンティーク・ブック・プラザ
(営団地下鉄日本橋駅B3出口地下直通)

ギャラリー・トーク: 10月7日(金)、10月12日(水)の2回
時間はいずれも18時~ (17:30~受付開始、19:20頃~サイン会)

サイン会書籍: 三浦永年編『世界の巨匠 ティニ・ミウラの手造り豪華本1990-2015』
B4判変形・上製 226頁 勉誠出版 2016年刊 本体19,440円



予約(各回40名)申し込み先は
  → 丸善日本橋店のイベント情報をご覧ください。 




【新刊のご案内】 ティニ・ミウラの手造り豪華本 1990-2015

2016年06月16日 | ルリユール



ケルスティン・ティニ・ミウラ6冊目となる作品集です。
およそ25年間に制作した約1000点の中から厳選した手造り革装本123点、デザインした37点の合計160点を掲載しています。




函ジャケットに使われているのは『アラビアン・ナイト』Arabian Nights (サンフランシスコのアーレン・プレスから1980年限定200部で発行された同書を、青のモロッコ革に多様種の革のオンレイ装飾とプラチナ、金などの箔押しの技法を駆使して豪華な手造り総革装本に仕上げています)
見返し:金と銀の装飾革と青・緑の仔牛革。
遊び紙:オーログラフ。
花布:緑・エメラルドグリーン・ネイビーブルーの3色の絹糸による手縢り。
小口:三方金。
シミーズ:青のモロッコ革とマーブル・ペーパー青紫のスウェード。

『ティニ・ミウラの手造り豪華本 1990-2015』勉誠出版 2016年6月23日発行 
B4判 総カラー226ページ 定価19,440円(本体18,000円)



昨年の秋口から、この本の校正作業のお手伝いを始め、紆余曲折あったものの、ようやく上梓することが出来ました。
出版不況下での高価な豪華本ですから、店頭で目にする機会は少ないと思いますが、お目に留まったら、ぜひお手に取ってご覧ください。
高くて買えないとおっしゃらずに、お近くの公共図書館にリクエストしてください!


詳細は勉誠出版のHPをご覧ください。AMAZON経由で版元直送も可能です。










私のコレクション ロイヤル・ビジターズ・ブック

2016年01月01日 | ルリユール





いわるゆ「芳名録」ですが、デザインと製本装幀はティニ・ミウラ女史の手になるものです。
芳名録ですから、当然のことながら中身は白紙です。

  表紙


  見返し。


  見返し制作者署名部分。


  小口装飾。じつに凝っています。







画像だけでは大きさのイメージが湧かないと思いますが、
タテ38.2㎝、ヨコ27.87㎝、厚さ4.5㎝で、重量もかなりあります。


これから先も、VIP待遇の方が我が家を訪れることはおそらくないでしょうから、
永遠に中身は白紙のままになりそうです。





私のコレクション 自作ルリユール本 『愛書狂』

2015年06月04日 | ルリユール





ケルスティン・ティニ女史のアトリエに通って、手ほどきを受けながら作った本がもう1冊ありました。

生田耕作編訳『愛書狂』(白水社1980年)の市販本をルリユールしたもの。

使ったマーブル紙は、専門店で購入したものです。


                                        右はシミーズ。



タイトルと著者名は別の革に金箔押し。(本に直接タイトルを箔押しすると、失敗した時に救いようがないため)













この時期だから出来たと言えるもので、緻密な作業を継続する根気は、既に喪われています。












私のコレクション  『私の製本装幀芸術の世界』 超美麗装幀本 その2 (私家版限定20部)

2014年02月22日 | ルリユール





前に紹介した同書(限定26部本)には、別に限定20部の私家版があります。
こちらも発売当時はとても手を出せるような価格ではなかったのですが、30余年の時を経て、信じられないような価格で手に入れることが出来ました。前に紹介した同書(限定26部本)と同様に桐箱、渋紙箱入りで、マーブルペーパーのスリップケースが付いています。本体とシミーズ(ブックカバー)を紹介します。

その表紙。


表紙(部分)。


ブックタイトル。


手かがりの花布。小口(三方)はプラチナ。


表3下部の署名箔押し。


シミーズ(ブックカバー)背革、表紙はオリジナルのオーログラフ。


シミーズ(ブックカバー)のタイトル。


シミーズ(ブックカバー)の裏側には、表紙デザインが写っています。


奥付(一部修正)。





















私のコレクション ケルスティン・ティニ・ミウラ 『私の製本装幀芸術の世界』 超美麗装幀本

2014年02月15日 | ルリユール





この本が刊行されたのは1980年。この本にはクロス装の上製本、限定350部の総革装の特装本、1冊ずつデザインが異なるモロッコ革装の限定26部(私家版として別に20部)がありました。
その時、私は一介のサラリーマンで、22000円の上製本を購入するのが精一杯でした。

当時は手を出せるような価格ではなかった限定26部のモロッコ革装の超美麗特装本も、刊行から30余年経ち、価値観が多様化して、以前ほど本に対する価値が認められなくなったのか、本という形が好きという人間が少なくなったのか、発売当時の何分の一で入手できました。

これはモロッコ革装の超美麗特装本限定26部のうちの1冊。
三方小口プラチナ/見返し=カーフスキン/花布(はなぎれ)絹糸による手かがり/ブックカバー(シミーズ)=背革装、表紙オーログラフ・小口特製モロッコ革/スリップケース=オリジナル・オーログラフ/特製クロス装の第2のスリップケース/桐箱入/渋紙箱入



手前が総モロッコ革装の本。
うしろは左から「ブックカバー(シミーズ)」「スリップケース」「第2のスリップケース」「桐箱」。

オーログラフのブックカバー(シミーズ)は、前小口側に少しかぶさるようになっています。




オーログラフのブックカバー(シミーズ)。



花布(はなぎれ)絹糸による手かがり。



小口は三方プラチナ。




表3の下部に入れられる製作者の名前。




奥付部分(一部修正)。





次の記事で、同じ本のモロッコ革装の超美麗特装本私家版20部を紹介します。























私のコレクション 星新一(24) 気まぐれロボット 自作ルリユール

2014年01月18日 | ルリユール





部屋を片付けて、ようやく出てきました。あのケルスティン・ティニ・ミウラ女史のアトリエに何日も通って、ティニさんがお使いの製本道具類を使わせていただき、手ほどきまで受けて仕上げた1冊です。プロが使う道具類は、とても使いやすかったです。
自分が好きな作家の中で、見栄えのする大型の本というので選んだのが、星新一著『気まぐれロボット』(理論社 1966年7月)。

元の本(ハードカバー、角背、函)を全部解体して折丁ごとにし、綴じ直したものを丸背に変え、背とエッジを革、平の部分はマーブル紙貼りにし、函帙を作りました。



地の小口部分の拡大。丸味出しをして丸背に仕上げてあります。



函帙は紫色のクロス貼り。内側は赤色のフェルト貼り。



タイトルと著者名は別の革に金箔押し。(本に直接タイトルを箔押しすると、失敗した時に救いようがないため)



タイトル部分のアップ。



花布は編まずに、表紙より淡い色の革で紙芯を巻いたもの。



函帙に載せて、背の部分。



駆け出しの素人が造ったにしては、なかなかのものだと思いますが、今作れと言われてもこの時の集中力は無いし、老眼は進んでいるし……
まず、無理です(T_T)

 ※この本が入っていた元の函は、コレクションが函欠の裸本だった方に差しあげて、喜ばれました。