最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

私のコレクション 赤江瀑(6)  限定本『マルゴォの杯』(限定150部)

2011年10月26日 | 赤江瀑





1977年2月25日湯川書房刊。限定150部。ビロード装二重函入り、4段マウント総革装。



函のビロードには深紅のものと若干赤味の強いものの2種類があるようですが、意図して2種類作られたのではないようです。

その表紙。


奥付。


署名は墨。


限定番号が表示されたページ。


刊行案内が貼付された送り函?


刊行時に湯川書房社主と懇意の方を通して入手しましたが、送り函などは付いていませんでした。
この「送り函付」とされるものは、古書店で入手したもの。

湯川書房の造本は、ひと味もふた味も違います。所蔵する限定本の中で群を抜いての一番だと思います。





私のコレクション 赤江瀑(5) 限定本『芙蓉の睡り』(限定150部)

2011年10月24日 | 赤江瀑





湯川書房刊『芙蓉の睡り』(昭和54年8月30日 限定150部)には、帙の色違いがあります。

2種類を並べました。


開いた帙と本の表紙。左は刊行案内。


署名はペンです。


奥付。「異装本はない」とありますが、こういうのは「異装」とは言わないんでしょうね。




私のコレクション 赤江瀑(4) 限定本『禽獣の門』2種(限定150部、200部)

2011年10月23日 | 赤江瀑





未来工房刊『禽獣の門』の限定本には2種類あります。

限定150部本。1979年9月刊。段ボールのサックケース。


布貼りのかぶせ函。


革継ぎ表紙の背。


署名入りの遊び紙。署名は墨。


限定番号が入ったページ(部分)。



こちらは豆本。限定200部。1979年9月刊。左は布貼りの函、右は本の背。


左は函、右は本の平(継ぎ表紙)。


署名入りの遊び紙。署名はペン。


限定番号が入ったページ(部分)。






私のコレクション 赤江瀑(3) 限定本『花曝れ首」*未来工房(限定200部)

2011年10月22日 | 赤江瀑





最終回文庫の改装本と同じタイトルですが、未来工房から平成15年12月に刊行された限定200部の豆本です。
流石にプロの仕事は違いますね~(^_^;)

この本、4色あります。











豆本はページの開きが悪いので、署名部分や奥付の紹介はカンベンしてください。

この4種類をセットで購入したマニアが15人いたそうです。


私のコレクション 最終回文庫改装本(2) 赤江瀑『花曝れ首』(限定6部)

2011年10月20日 | 赤江瀑





最終回文庫で改装した本も数点あります。

講談社文庫で刊行された赤江瀑『花曝れ首』。糸かがりの本ではないので、折丁をバラバラにすることが出来ないので、ハードカバーにして函をつけただけです。

左が函、右が本の背(文庫本のジャケットのタイトルを使っています)


左が函、右が本の平。和紙には経年のシミが出ちゃっています。


標題紙も文庫本のジャケットを利用しています。


薄紙を入れて、そこに「最終回文庫改装本」というゴム印を押しています。


会員の希望者数が5人だったので、自分の分を入れて6部を改装しました。


私のコレクション 最終回文庫特装本(1) 高橋啓介『珍本古書』(限定12部)

2011年10月19日 | 最終回文庫特装本





最終回文庫で何度か特装本を造りました。

特装本と言っても、印刷から始めるのではなく、市販本を改装したものです。そのうちの1冊を紹介します。

高橋啓介著『珍本古書』は、保育社カラーブックスを元にしています。文庫本ですから、ソフトカバーで角背です。
それをいったん折丁をバラバラにし、綴じ直して丸背、ハードカバーに仕立てました。

左が函、右がハードカバー版。



左が函の背、右が本の背。



自筆のタイトルと署名。もともと署名入りで販売されていた本を神保町で購入しました。



さらにもう1枚の署名紙が入っています。

その訳は……高橋啓介氏の遊び心で、造るのだったらと署名入りの和紙を12冊分送っていただきました。
1冊に2枚の署名紙が入っています。


通常の奥付の対向ページに貼り付け奥付を。



拡大すると……


12部作成して、1番は高橋氏に贈呈し、最終番号を手元に残しました。

10部は世の中に出て行ったわけですが、一度だけ古書店の目録に出たことがあります。





私のコレクション 星新一(20) 伊藤勇輔作品集

2011年10月18日 | 星新一





どうしてこの本が星コレクションに入るのかって? まあ、ちょっとご覧ください。

ケースです。


表紙。


奥付。私家版なので、住所等は画像処理しています。


この本に収められている作品名「崩壊するビル」

星ファンなら、見覚えがあるのでは?
そう、講談社から刊行された単行本『なりそこない王子』(1971年9月)の表紙になっています。

で、この作品集には、星さんが「伊藤さんと私」という一文を寄せています。

そのため、コレクションの対象になったというわけです。

「伊藤さんと私」には、このように書かれています。
案内状に印刷されていた絵が魅力的だったため、ほとんど個展というものに足を運んだことがなかった星氏が個展会場に赴き、伊藤氏ご本人と会い、その後、同人の画集を送ってもらった。
雑誌に作品を載せるときの挿絵は、編集担当者に任せていたが、「オール読物」に載った短篇「魅惑の城」を書き終えた頃にその画商が届いたので、担当者に画集を見せて、挿絵を伊藤さんに依頼しようとした。しかし、その時伊藤さんは闘病中で、描きたいけれども無理という返事に、その画集の中から絵を使わせてもらった。その挿絵を見たほうぼうの雑誌社担当者から、依頼したいので連絡先を知りたいという問い合わせがあった。
「魅惑の城」を含めた作品集『なりそこない王子』を上梓するにあたって、表紙を伊藤さんの絵で飾り、各短篇にも伊藤さんの絵を入れることとなった。

この一文は、次のように結ばれています。
「考えてみると、伊藤さんとは数分間の会話を一回しただけのつきあいである。それなのに、一生忘れられない印象が残った。私にとって伊藤さんは、異次元の世界からふとあらわれ、そして、たちまち異次元へと帰っていった人なのである。」

伊藤勇輔氏は、闘病の甲斐なく『なりそこない王子』が刊行された前年の1970年に他界されています。




私のコレクション 星新一(18) アンソロジー(台湾)

2011年10月13日 | 星新一





台湾の出版社、傳文文化事業有限公司から1996年5月に刊行された日本人作家の短編集『日本短篇小説名作選(二)』です。

星新一氏の「信念」(『妄想銀行』に収録)が収められています。

表紙。


目次。




その奥付。


漢字表記の作家名はそのままなので、わかりますが……吉本ばなな氏だけは、「芭娜娜」となっているのがおかしいですね。




私のコレクション 星新一(17) (中国)

2011年10月10日 | 星新一





『1分間小説選』ということなのでしょうかね。手元にあるのは、同じシリーズと思われる2冊です。




奥付です。残念ながら初版ではなく2刷です。


もう1冊はこれ。装幀が似ています。


こちらは初版ですね。



こんなのもありました。『波子小姐』を訳すと、どうなるんでしょうか。


奥付です。


目次です。そのままのもあるので、半分ぐらいはわかりそうですね。



探せば、まだありそうです。

私のコレクション 星新一(16) アンソロジー(ノルウェー)

2011年10月09日 | 星新一





ノルウェーのオスロにある”Den norske Bokklubben”というブッククラブから1972年に刊行された、『すばらしい物語』(アンソロジー)です。
ノルウェー語?は読めないので、詳細は分かりませんが、なんとなく見当は付けられそうです。

その表紙。


版権表示部分を見ると、日本人作家は小松左京氏、星新一氏と…


安部公房氏。


こちらが裏表紙にある奥付。

ノルウェーとオスロはわかりますが……(^_^;)




私のコレクション 星新一(15) 星一胸像除幕式

2011年10月06日 | 星新一





面白いものを入手しました。

星新一氏の父、星一氏を顕彰する胸像を建立した記念式典の模様を写した写真です。その写真を複写しました。

その胸像。


「親切第一」は星製薬の社訓です。
星新一氏のご本名「親一」は「親切第一」からつけられたというのは、有名な話ですね。


式典の挨拶を聞いている、いちばん右端が若き日の星新一氏です。


挨拶に立った星新一氏。


除幕式の星新一氏。


列席者の星新一氏以外は、個人が特定できないように修正しています。

記念式典のアルバムということで、おそらく星新一氏が写っているのではないかと見当をつけてオークションで手に入れたもの。
星新一氏が写っている写真が含まれていたので、満足(^o^)

 【追記】この胸像は、福島県いわき市・勿来市民会館前に昭和47(1972)年7月9日建立とのことなので、この写真の撮影日は、その日ということになると思います。


私のコレクション 星新一(14)『人造美人』(特装限定20部)

2011年10月02日 | 星新一




ショートショートの最初の作品集『人造美人』(新潮社1961年2月刊)の特製版です。

判型は新書判。市販本は角背・ソフトカバーですが、丸背・ハードカバー・バックスキン装に変えています。
「特装」とか「限定」等の表示はありませんし、奥付表示も市販本と変わりません。お世話になった方などへの配り本のようで、限定部数は20部と言われています。

星新一ファンクラブ主催の「星コン」のオークションに、星新一さんご自身が提供してくださったものを「落札」したもの。
「大金を使わせてしまって申し訳なかった」と、星さんから雑誌創刊号に掲載された作品の生原稿をお送りいただくという後日談があり、とても思い出深い一冊です。



背文字は箔押し。下にあるのは自作のシュミーズ。


表紙もタイトルと著者名の箔押し。 


宛名は画像処理で消してありますが、識語と署名をいただきました。


自作のシュミーズをかぶせ、自作のクロス貼りの函に納めてあります。





私のコレクション 井上洋介(5) 『乙女風景』

2011年10月01日 | 署名本





井上洋介版画集『乙女風景』。版元は村松書館。昭和53年2月10日初版発行。

 箱入り本。


 これは表紙。 


 この本は、すべてにオリジナルのゴム版画が一葉入っています。対向ページにサインをいただきました。


 サインページを大きく。


帯には、こんなふうに書いてあります。
「井上洋介初の画き下ろし連作版画集。収録作品数41点。オリジナル版画1点を口絵として添付
(3種類のうちの1点、本によって版画は異なる)。井上洋介の世界が版画のなかで圧倒的に展開する。跋文は草森紳一「版画の〈自由〉」


 所蔵は2冊。違う絵柄の版画が入っていました。


 サインは版画挿入ページの折り返し部分にいただきました。