最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

私のコレクション 気になる雑誌 「雨亭通信」 から

2014年05月02日 | 気になる雑誌





前記事で坂本一敏さんの個人誌「雨亭通信」を紹介しました。その第2号に掲載されている坂本さんの「古書道楽 ―署名本と献呈本―」と題する一文を紹介しようと思います。
その前に、いくつか言葉の意味をご理解いただきたいと思います。青字は『新明解国語辞典』第4版 三省堂刊からです。

献呈」は、「儀礼として著書などを他人に贈ること」とあります。
恵存」(けいそん・けいぞん)は、 [保存してくださればさいわいです、の意]自分の書いた書籍などを贈物とする時、相手の名前のわきに書き添える言葉。

いずれも自著をどなたかに差し上げるときに使われる言葉で、「謹呈」も同じように使われます。
「○○○○様 恵存」と署名がある本を古書展などでは良く見かけます。宛名が有名人だったりすると古書価は高く、私のような無名人宛だと、安くなる傾向があります。「謹呈」と印刷された短冊が挟まっていることもあります。謹呈紙に署名がある場合もあります。

以上を踏まえて、ご覧ください。




(中略)


これは笑えない話ですね。
坂本さんは「目の前が真っ暗になった気がした」とお書きになっていますが、それにめげずに「この上は再び、初版極美本を手に入れて、ご署名だけをしてもらうより仕方がないと思った。」
そう思うところが、真の愛書家と言われる所以なのでしょうね。









私のコレクション 気になる雑誌 「雨亭通信」

2014年05月01日 | 気になる雑誌





「雨亭通信」(昭和60年4月~昭和63年3月)は坂本一敏氏が晩年に発行した書物に関する私刊の小冊子で、10号まで発行されました。
「発刊のことば」として、坂本一敏さんは次のように書いています。



坂本さんにご厚誼をいただくようになったのは、その少し前だったように思います。

「雨亭通信」の発送名簿をワープロで管理し、宛名シールに印刷するようにしたのは第2号からで、封入とシール貼りを終えたものを郵便局に搬入するまでをお手伝いするようになりました。


裏表紙に雅印を押したのは第2号だけでした。私への謝辞は名前を消してあります。


雅印の拡大。



4号からは秋山勝保氏がご厚意で作成してくれた栞を挟み込むという作業が加わりました。両面に絵柄があるものもありました。 クリックすると大きな画像でご覧いただけます。

終刊となった10号に挟み込んだ栞は、かなり大きなものでした。


寄稿者はそうそうたるメンバーが顔を並べで、興味をそそられる内容がほとんどです。表紙に目次があるので並べてみます。























「雨亭通信」の発送作業日だか、巻末の古書目録への注文品の発送日に、友人を援軍として連れて行ったこともありました。お昼は九十九里海岸近くの蕎麦処で、ご馳走になるのが常でした。