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最終回文庫 ◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されない不具合があります。ご容赦ください。

私のコレクション 『野干の手柄』(平紙本)

2025年04月18日 | 縮緬本・平紙本
『野干の手柄(きつねのてがら)』日本昔噺第十二號 英國ヂエイムス夫人編述 明治20年1月/出版 出版人/長谷川武次郎 発行所/弘文社


見返しに描かれた輿の御簾部分は、左側にめくることが出来るようになっていて、めくると輿の中から子狐が顔をのぞかせるという仕掛けになっています。



そして、本文の始まりの ONCE の O の飾り文字の中に狸が描かれ、狸の視線が輿の中の子狐に向けられています。


同じ内容で縮緬本も発行されていますが、縮緬加工をして柔らかくなった紙はこの仕掛けに向かなかったようで、縮緬本にはこの仕掛けは採用されていません。
研究者によると、本書は今や「めったに見ることの出来ない 稀覯本」なのでそうです。

私のコレクション 訳者 ラフカヂオ・ヘルン(2)

2012年10月03日 | 縮緬本・平紙本





前記事に続き、5冊セットのうちの1冊、"THE GOBLIN SPIDER" 訳者は同じラフカディオ・ハーンです。

表紙。

挿絵の中から2点。


奥付。こちらは初版です。

裏表紙。


ここに収められた話は、ラフカディオ・ハーンが日本各地に伝わる蜘蛛伝説を集めて、そこから創作したものだと考えられています。













私のコレクション 訳者 ラフカヂオ・ヘルン

2012年10月02日 | 縮緬本・平紙本





長谷川武次郎が発行した縮緬(ちりめん)本は21種20冊あるそうですが、大正時代後半に息子の西宮與作が発行したラフカディオ・ハーン訳の日本昔話(JAPANESE FAIRY TALE)は縮緬加工していない大判の平紙版で5冊あります。5冊帙入りのセットで販売されたようですが、手元にあるのは、バラで2冊だけです。2冊とも程度は良好です。
タイトルは"THE FOUNTAIN OF YOUTH"(訳語は「不老の泉」「若返りの泉」など)。
所蔵のものは昭和に入ってからの重版本です。

表紙。

挿絵がいくつか入っています。泉の水を飲んだお爺さんが若返った場面。

その話を聞いたお婆さんは泉の水を飲みに行く。
いつまでたっても帰ってこないお婆さんを探しに行くと、泉のほとりにお婆さんの着物の中にいる赤ちゃんを見つける。
若返りの泉の水を飲み過ぎて、赤ちゃんに戻ってしまったという場面。


奥付。ラフカディオ・ハーンは「ラフカヂオ・ヘルン」と表記されています。


裏表紙。

手元にあるもう1冊、"THE GOBLIN SPIDER"は、次の記事で紹介します。
本当の縮緬本は1冊しか持っていません。縮緬本の状態の良いものは、かなり値が張りますからね。
手触りは柔らかくていいのですが、クタクタしているので、どうしても保存が良くありませんし、これを画像にして、わかってもらえるのか……という心配があります。まあ、おいおい紹介していきます。


縮緬本は梅花女子大学のコレクションが有名です。
http://manabiya.baika.ac.jp/el/index.php?course=7

放送大学図書館の貴重書のサイトでは、何冊かの縮緬本の全場面が見られます。
次回紹介する予定の"THE GOBLIN SPIDER"も、全場面見られます。 
http://lib.ouj.ac.jp/gallery/virtual/index.html