最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

オークションに出品される署名入り本

2018年07月04日 | 署名本





ネット・オークションには結構な数の「署名入り本」のが出品されています。好きな作家でしたら、その肉筆署名が入っていれば、とてもありがたいと思うものですが、その気持ちに付け込んだニセモノが横行しています。

アイドルの偽サインも多いようですが、署名があるだけで、ふつうの初版本の数倍の値が付くわけですから、ボロイ儲けになるとでも思うのでしょう。署名入り本ばかりを出品している何人かの中には、署名を偽造したものが多数含まれているケースがあります。

専門家ではありませんが、署名本を多く見てきていると、明らかにニセモノであることがわかるものがあります。三島由紀夫、川端康成、安部公房、開高健、村上春樹、庄野潤三、星新一……。特に好きな最後に名を挙げたの二人の作家のものは、一目でニセモノとわかります。こんな字は書かないと。

こんな例が実際にありました。先日終了した川端康成氏の署名入り本。この本は落札されましたが、奥付を見れば明らかですが、川端さんが亡くなった後に出版されたもの。出品した人はどうやって天国まで川端さんに署名を貰いに行ったのでしょう。