最終回文庫◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

※2011年9月以前の旧サイトで掲載した記事では、画像が表示されないものがあります。ご容赦ください。

素敵なプレゼントをいただきました

2022年11月13日 | 特装本

宅配便で四角い荷物が届き、品名は「書類」とありましたが、開けてみたら中は本で、アトリエ・ミウラが2004年に刊行した三浦功大/著 『蓮への招待』の超特製限定12部本でした。

著者の三浦功大氏は写真家で、来日した名だたるジャズメンの撮影や蓮の研究家として活躍した方で、本書は蓮の研究をまとめた厚冊です。西田書店刊の市販本のほかに、アトリエ・ミウラが刊行した限定100部の特装本(青色の総革装)がありますが、本書は、臙脂色の総革装、三方金(三方の小口が金貼り)、朱色の箱帙に収められ、見返しに三浦永年作のオリジナルマーブル紙2種が使われ、著者/三浦功大、デザイン/ティ二・ミウラ、刊行者およびマーブル紙制作/三浦永年の三氏の署名が入っています。

 

 

 

 


私のコレクション 高橋啓介『日本の限定本百粋』湯川書房刊(特装本)

2011年11月15日 | 特装本





高橋啓介著『日本の限定本百粋』湯川書房刊。
『限定本彷徨 上』(昭和62年)、『限定本彷徨 下』(平成元年)の2冊を総革装で合本にしたもの。
製本家 大家利夫氏による手づくり製本で、購入希望者20人以内ということで、記番がないので実際に何部造られたのかは不明です。

背(部分)。


署名紙が挟み込まれています。


奥付(部分)。画像を修正してある箇所には、私の名前が印刷されています。


募集の案内状。


案内状によれば、所蔵者の名前はペンネームでも大丈夫だったようですから、著名人の名前にしておけばよかったかなぁ(^_^;)
この案内状が届いたのが、長期にわたった大きな仕事が完成した時だったので、自分へのご褒美として購入を決めたんです。






私のコレクション 坂本一敏(2) 『古書の楽しみ』(特装限定95部)

2011年11月09日 | 特装本





坂本さんの思い出は尽きませんが、ご厚誼をいただいたそもそもの始まりは、坂本さんが雑誌「古書通信」に「雨亭文庫」という名で古書店をなさっていた頃でした。後から聞けば、古書籍販売の鑑札まで取っていたのだそうです。

その時は、すごい経歴の方とも知らず、ふつうの古書店に注文するように、注文葉書に「目録によく載っている蔵書票(書票)というものについて教えてもらいたい」と書き添えたところ、注文した本と一緒に、たくさんの書票を送っていただきました。それから、書票の魅力にはまり込んでいったのです。


そんな坂本一敏さんの著書『古書の楽しみ』の私家版特装限定本。限定95部(別に家蔵本15部)。

左がかぶせ函、右は愛用の着物を表紙にしています。


函を開いたところ。


宮下登喜雄さん制作の書票が入っています。


添えられている「私家版刊行覚書」。


奥付。


そんなことから始まったおつきあいでしたが、やがて雨亭文庫で刊行していた豆本シリーズの発送をお手伝いするようになり、お宅に何度もお邪魔するようになっていきました。

ご相談を受けて、ご自身の自選歌集を造りたいということで和装本を造ったりもしたので、それは次でご紹介します。





私のコレクション 坂本一敏(1) 『蒐書散書』(特装限定60部、114部)

2011年11月07日 | 特装本





愛書家として、また日本書票協会会長として、またあるときは雨亭文庫の主人として活躍された坂本一敏さんの著作の一冊です。

造本にうるさかっただけあって、ご著書の限定版は凝っています。2種類の限定本を紹介します。

アトリエ・ミウラ1980年刊『蒐書散書』特装限定60部本。


マーブル紙装の函。


表紙クロスもマーブル染め。


三方小口もマーブル染めになっています。


識語「一期一會」と署名。


奥付。川端康成のノーベル文学賞の賞状をデザインしたことで知られるケルスティン・ティニ・ミウラ女史と夫君の三浦永年氏の手によるマーブル制作、製本ということが記されています。対向ページにおふたりの署名があります。切れてしまっているので、別に載せます。


手書きの限定番号が入ったページ。


ケルスティン・ティニ・ミウラ女史と夫君の三浦永年氏の署名。




もう1種類。書肆季節社刊の『蒐書散書』限定114部本(うち14部は芹沢銈介作品入り、100部は金守世士夫作品入り)


その金守世士夫作品。


識語は、やはり「一期一會」


限定番号の表示ページ。