そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

題名のない子守唄

2008年12月23日 | サスペンス/ミステリー


2006年 イタリア 121分
■原題「LA SCONOSCIUTA/THE UNKNOWN WOMAN」
■2008.12.14 DVD
■監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
■出演
   クセニア・ラパポルト(イレーナ)
    ミケーレ・プラチド(ムッファ“黒カビ”)
   クラウディア・ジェリーニ(ヴァレリア・アダケル)
   ピエラ・デッリ・エスポスティ(ジーナ)
   アレッサンドロ・ヘイベル(マッテオ)
   クララ・ドッセーナ(テア・アダルケ)
   アンヘラ・モリーナ(ルクレッツァ)
   マルゲリータ・ブイ(弁護士)
   ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
             (ドナート・アダルケ)

 《story》

「女は哀しみを食べて生きている」
「母の愛は、いつどんなときも 強く揺るぎのないものなのです」


イタリアのトリエステ。長距離バスから降り立ったイレーナ。高級レジデンスの管理人に、ここで仕事がないか尋ねる。「ないね」とそっけなく答えたものの、悲哀のこもった背中に「階段の共通部分なら」と答える。イレーナは、向かいのボロアパートに部屋を借り、このレジデンスを監視し、ある家族を見つめる。貴金属商を営むアダケル夫妻と4才の娘テア。イレーナはその家庭に入り込まなければならない理由があった。イレーナは、階段を清掃中、アダケル夫妻のメイドのジーナが降りていくときに足を引っかける。ジーナは重度の障害を負い寝たきりとなる。メイドとして新しく入ったイレーナは、テアが自分の娘である証拠を捜す。そして、自己防衛本能に障害のあるテアを密かに見守り鍛えていく。厳しい練習をしながらもテアはイレーナを受け入れていく。かつてイレーナを奴隷として妊娠させ生まれた赤ん坊を売るという商売をしていた黒カビが、イレーナの前に現れる。イレーナは、黒カビを刺して逃げたのだが、彼は生きていて、イレーナが盗んだ金を要求した。そして、阻むイレーナを陥れようと、テアの母親の運転する車に細工し、殺してしまう。警察に捕まったイレーナは、黒カビを殺し埋めたことを白状する。そして今までの過酷な体験、テアを自分の娘として愛おしんできたことを告白する。しかし、テアは自分の娘ではなかった。数年が経ち、刑務所から出所するイレーナ、そこには大きく成長したテアの姿があった。

 娘を必死で思う気持ち

自分のお腹をいためて生んだ子どもだから、きっとどの子も大切な存在にちがいない。男にはわからない、命のつながりがそこにある。ただの商売の道具にしか考えない黒カビのような男もいる。こんなことが現実に行われているとしたら、あの『闇の子供たち』と同じ、命の売買だ。それでも子どもを買う人間が存在する。売り手と買い手がかみ合っているのだ。しかし、母親は涙をかみ殺しながらも、やはり自分が生んだ子どもへの思いは強く深く刻まれているにちがいない。イレーナも、子どもに会いたいが一心で、多くの犯罪に手を染めてしまった。自分が生んだ子どものそばにいたいという思いから。結果的に、テアは自分の子どもではなかった。しかし、愛した。愛したという事実は、たとえ自分の子どもではなくても、子どもを愛する母親の気持ちと同じだった。自分の子どもじゃないから愛せなくなったのではないところに、人は関わることで心をつなぐのだということがわかる。それも、イレーナだからかもしれない。イレーナが、深く関わったからかもしれない。

 宴会があった。口べたな私が結構話ができたことに満足。中にはすごい芸人がいるものだと思う。日頃はそれほどおもしろいことを言うわけでもないのに、密かに練習して芸を披露する。たとえ、順番が来てやらなければいけないから仕方なく準備したにすても、会場を湧かせるだけの芸達者ぶり。もし自分にやれと言われたら、きっとずっと悩み続けて、当日欠席するかも。演技力は、人生を楽しく明るくしてくれる。人を傷つけることを心配するあまり、黙り込んでしまったらおもしろくない。傷つけないように気をつけることは必要。でも、思い切ってちょっと冗談を言い、少し羽目を外して何かをしてみれば・・・・あとで後悔するかな。


タワーリング・インフェルノ

2008年12月20日 | ファンタジー/アドベンチャー


1974年 アメリカ 165分
■原題 THE TOWERING INFERNO
■2008.12.13 BS2
■監督 ジョン・ギラーミン  アーウィン・アレン
■出演
   スティーヴ・マックィーン
    (マイケル・オハラハン消防隊長)
   ポール・ニューマン(ダグ・ロバーツ)
   ウィリアム・ホールデン(ジェームズ・ダンカン)
   フェイ・ダナウェイ(スーザン・フランクリン)
   フレッド・アステア(ハーリー・クレイボーン)
    O・J・シンプソン(ハリー・ジャーニガン保安主任)
   リチャード・チェンバレン(ロジャー・シモンズ)
   スーザン・ブレイクリー(パティ・シモンズ)
   ロバート・ヴォーン(ゲイリー・パーカー上院議員)
   ロバート・ワグナー(ダン・ビグロー広報部長)
   ジェニファー・ジョーンズ(リソレッティ・ミューラー)
   スーザン・フラナリー(ローリー)  シーラ・マシューズ(ポーラ・ラムゼイ)
   ノーマン・バートン(ウィル・ギディングズ工事主任)
   ジャック・コリンズ(ラムゼイ市長)  ドン・ゴードン(カピイ)
   フェルトン・ペリー(スコット)  グレゴリー・シエラ(カルロス)
   ダブニー・コールマン(消防署長)

 《story》

「脱出できるか、救出なるか、今世紀最大のスペクタル・アドベンチャー」

サンフランシスコに138階建ての超高層ビルが誕生した。そのグラス・タワーのお披露目の日、81階の倉庫から配線板のヒューズから発火。ロバーツの設計通りに行われていなかったのだ。社長のダンカンの予算を押さえる方針に、義理の息子のロジャーが規格を落とした部品を指示していた。135階では、著名人が集められ、盛大なパーティーが行われようとしていた。社長のダンカンに、式の中止を申し入れたが拒否。火災はしだいに広がり、消防隊に連絡。社長が避難を指示したときは、すでにエレベーターでの避難は困難になっていた。隣のビルとワイヤーで連結し、一人ずつの救出が始められた。女子どもの避難が終わり、男の番になったとき、ロジャーたちが我先にと群がり、ワイヤーが切れた。火は135階に達しようとしていた。最後の手段は、138階にある水のタンクの爆破だ。ロバーツと消防隊長のオハラハンが、爆薬を仕掛ける。人々は自分の体を水に流されないように結びつける。爆発とともに大量の水が押し出される。多くの犠牲者を出しながらも、火の勢いは収まった。

 懐かしい映画だ

あのときは、未来を思わせる事故という想定だった。だから全てが新鮮に見えた。スティーブ・マックイーンやポール・ニューマンという豪華な顔ぶれが話題をさらった。しかし、時代の流れを感じざるをえない。今ならきっとあり得ない事故だろう。手を抜くなら、もっとちがったところだ。避難経路や避難の仕方についても、より安全な方法が確立していなければ、こんな建造物は許可されないだろう。あんなヘリコプターを使った救出もありえない。ワイヤーでの方法も、最後の水のタンクの爆破もありえない。たとえタンクを爆破したとしても、それほどの水は流れ出ないと思う。だから、完全に火が消えることはない。壮大なスケールのアドベンチャーであったのに、今では影が薄れてしまった。懐かしい音楽と、俳優だけが光っている。でも、人のことを大切に考えない人は、嘘をつきごまかし、いざというとき自分だけが助かろうとする。人のためにがんばろうとする人たちの、なんと輝かしいことか。

 今もそうだけど、子どものころからわがままだったなと思う。このタワーリング・インフェルノの音楽が入ったレコードを、がんで買ってもらった。たくさんの映画音楽が入った2枚組アルバムだ。ステレオセット、自転車、カメラ、バイクなど、ほしいものはとことんねだった。手に入れるまでしつこく言い続けた。だから我慢できない贅沢な人間になってしまった。あのレコードは今でもある。レコードをかける器機はないけど、大事に保管してある。けっこう買ったものは大事に使ってきた。白黒写真現像セットの道具も、ガリ版刷り印刷道具も大事に保管してある。つまらないパンフレットまで集めていた。欲しい物を手に入れたいと思うと同時に、けっこう手に入れたものは大事に使ってきたと思う。いつかあのレコードを引っ張り出して聴いてみたい。


22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語

2008年12月20日 | ラブロマンス/青春


2006年 日本 119分
■2008.12.10 DVD
■監督 大林宣彦
■出演
   筧利夫(川野俊郎)  
   寺尾由布樹(若き日の川野俊郎)
   細山田隆人(相生)  鈴木聖奈(田口花鈴)
   中村美玲(北島葉子)  窪塚俊介(浅野浩之)
   南田洋子(団地の主婦)  峰岸徹(松島専務)
   村田雄浩(花鈴の父) 三浦友和 (杉田部長)
   長門裕之(やきとり屋甚平)  
   清水美砂(藤田有美)

 《story》

「切ないけれど、情熱に出逢う」
「17本目からは、ふたりで灯をつけた・・・」
「22才、あなたのあの頃・・・」


福岡市の商社に勤める44才の俊郎は、上司から海外勤務の打診を受ける。まだ独身で、はっきりしない関係の有美がいた。ある日、コンビニで「22才の別れ」を口ずさむ女性花鈴と出会う。俊郎は、コンビニをクビになった花鈴と再び出会い、「援交して」と言われる。何か不思議な縁を感じ、家に招き入れる。そして、俊郎と花鈴は結婚を約束するのだが、花鈴には秘密があった。花鈴は、同郷の青年と安アパートで助け合いながら生活していた。それは、22年前の俊郎と花鈴の母である葉子との姿であった。葉子の22才の誕生日に部屋を飛び出した葉子を追うことなく、郷里にもどった葉子は結婚し花鈴が生まれた。その事実を知った俊郎は、花鈴と青年を助けるのだった。花鈴と郷里に久しぶりにもどり、娘のような花鈴と22年前の葉子の姿をだぶらせる俊郎だった。

 意外と迫ってくる切なさ

初めは、まるで抑揚のない棒読みのようなセリフにコメディのような感じさえあったのだけど、それがだんだん切なさを醸し出しているように思えてきた。「22才の別れ」は、青春時代を象徴するような曲だ。それだけでも懐かしい。自分のあの頃の思うようにいかない恋を思い出す。人の気持ちが見えなかった自分を思い出し、どうしてあの時・・・と後悔してしまう。もっと別な展開があったんじゃないかと。俊郎はどうだろう。もし、あの時別れていなかったら、幸せな人生を送れていただろうか。送れていたとしても、花鈴は生まれていなかった。葉子も花鈴も、あるべき姿。幸せな道の線上にあるのだと思う。貧しさのために寄り添う姿は悲しくもあり切なくもあり、でも温かさがあるような気がする。ただの同棲とはちがう。俊郎はいつも冷静だからよかったけど、でも、一歩間違っていたらと思うと、不幸の連鎖になりかねなかった。かつての恋人の娘と結婚、愛し合っていた若い二人引き裂く、同僚の有美も傷つける。その危なさも切なさのひとつなのかも。

 公式サイト「22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語」

 カメラを通して見ると、いつもの町並みがとても輝いて見える。不思議だ。少し上のアングルから、流れるようにスライドして、別な世界が展開していく。監督やカメラマンは、そんな想像力を兼ね備えているのだろう。高校生のときからカメラを持っているけど、満足できる写真が撮れない。写真は好きで、よく撮るんだけど、撮っているときに何をどう撮ればいいのかわからない。貴重な一枚、シャッターチャンスと言うけど、そのタイミングがつかめない。それに、未だ、絞りだとか露出だとか、ホワイトバランスだとか、うまく使いこなせない。何やっても不器用だね。高校生のときは白黒写真。自分でフィルムの現像もして、現像液に印画紙を入れて写真を焼いた。その道具も買った。浮き上がる映像に感動した。今はデジタルカメラ。いくらでも撮っていいし、補正もできる。どこににでもあるけど、輝かせる方法を今でも追い求めている。今日も、町をあるいて写真を撮ろう。


歓喜の歌

2008年12月15日 | コメディ

2007年 日本 112分
■2008.12.7 DVD
■監督 松岡錠司
■出演
  小林薫(飯塚正)  安田成美(五十嵐純子)
  伊藤淳史(加藤俊輔)  由紀さおり(松尾みすず)
  浅田美代子(飯塚さえ子)  田中哲司(北澤直樹)
  藤田弓子(大田登紀子)  根岸季衣(塚田真由美)
  光石研(五十嵐恒夫)  
  筒井道隆(「リフォーム大田」の客)
  笹野高史(伊藤茂)  塩見三省(大河原勇)
  渡辺美佐子(大河原フク)  斎藤洋介(市長)

 《story》

「どうすりゃいいの? この一大事。」
「きっとあなたの心にあかりを灯す、笑いと涙の音楽喜劇」


地方の都市、みたま町文化会館。まるでやる気のない主任の飯塚は、外国人のホステスに入れあげ、役所から飛ばされ、離婚の危機。大晦日前の12月30日、Wブッキングが発覚。31日大晦日に入っているホールの予約に、同時刻に二組の合唱グループ。「みたま町コーラスガールズ」と「みたまレディースコーラス」予約を受けたのは6月。飯塚は、なんとかなるだろうと、代表に来てもらうことにしたが、両者一歩も譲らず。頼んだラーメンが湯麺に、たった30分前のミスでこれだから、半年前だと」後でお詫びにと持ってきた餃子。店長が入院、仕立屋と中華の店を必死で切り盛りしながら、コーラスの練習をしている奥さん。飯塚は何かに気づいた。大晦日に合同のコンサートを開くことができるように、ステージの大改装。会場に遅れている仕立屋の奥さんを迎えに走る主任飯塚。会場に鳴り響く「歓喜の歌」

 丸く収まってよかったよ

ひとつ本気になったら、今までうまくいかなかったことが、次々とうまくまとまっていく。けっこうあるかも。心はひとつだから、やる気さえ起きれば、さまざまなことをそれなりに乗り切れる。まあ、やる気が出ればだけど。やる気が出る秘訣があれば教えてほしいものだ。初めからやりたくないわけじゃない。やりたいのに気持ちが乗らない。ええ、それはやりたくないだけだよ。そうなんだけど。でも、心が活性化すれば、結構物事がうまくいくことは多い。
文化会館のような、公民館のような仕事がしてみたいものだ。イベントを組んだりして、楽しいことをやれそう。スケジュールの管理、会議室やホールの運営など楽しそう。映画などもできるだろうなあ。それでも、傍目にはわからない苦労があるのだろうけど、転職するならこれがいい。

 公式サイト「歓喜の歌」

 月曜日の朝はしんどい。栄養補強剤を飲み、ドリンク剤を飲み、安定剤を飲み、家を出る。職場に着けばあとは流れるように仕事をしていくのだけど、波に乗るまでがしんどい。何がいやなのか。はっきりした原因がない。確かに苦痛なことはあるけど、それが大きな原因ではない。職場に出向くこと自体が苦痛に思えるのだ。これって登校拒否と同じ感覚なんだろうな。気持ちが分かる気がする。でも、生活がかかっているから、負けていられない。もし、家を出る時間が遅くなっていけば悪化だけど、今のところ、いやだいやだと思いながらも、かなり早めに家を出ている。たとえ薬漬けでも、余裕をもって家を出られるだけマシだよ。・・・けっして怒らず、いつも笑っている・・・宮沢賢治のように、自分のことを大きく見ることなく、人のために動きたい。それが幸せであると思いたい。そうすればもっと楽になるはずだよ。さあ、明日もがんばろう。

美しき野獣

2008年12月14日 | アクション


2005年 韓国 125分
■原題「RUNNING WILD/BEAST」
■2008.12.6 DVD with r
■監督 キム・ソンス
■出演
   クォン・サンウ(チャン・ドヨン)
   ユ・ジテ(オ・ジヌ)  オム・ジウォン(カン・ジュヒ)
   ソン・ビョンホ(ユ・カンジン)
   キム・ユンソク(ジュ・ヒョンテ)
   カン・ソンジン(チョ・ヨンチョル)
   イ・ジュンムン(イ・ドンジク)

 《story》

「愛のために泣く」
「正義のために泣く」


凶悪犯罪捜査官チャン刑事は、まっすぐな性格で、犯人逮捕のためなら暴力も辞さない過激な刑事。だが、不器用ながらも家族を愛し、腹違いの弟の出所に出迎え見守ろうとする。しかし、その弟が、同じ日に出所し、政界にのし上がろうとしているヤクザの組織に殺される。このヤクザのボスであるユ・ガンジンを追うソウルのエリート中央検事オ・ジヌとチャンが手を組む。脅威感じたユは、二人を暴力刑事として陥れる。チャンは、ユを射殺しようと追いつめるが、狙撃隊に撃ち殺される。オは投獄されてしまう。数年後、出所したオは、ユを呼び出し撃ち殺す。

 暴力でしか解決できない

映画自体はおもしろかった。正義を貫こうとする姿勢は、「美しい」と表現できるかもしれない。悪を許せない、その憎悪が一斉にユに集中する。そして、それを阻む悪もまた現実にあることを痛感する。悪を守る悪。しかし、よく考えれば暴力は暴力だ。チャン刑事の暴力は正義でも何でもない。ただの感情をぶつけているだけ。美しいとは言えない。むしろ悪だ。捕まって当然、罪を償うべきだ。暴力で暴力は解決できない。チャンの復讐は正当で、ヤクザの復讐は正当ではないという、おかしな現象が生まれる。「美しき」というより「悲しき」だ。暴力でしか解決できない悲しさ、非条理がそこにある。正義は貫かれなければならない。しかし、それが暴力でなら正義ではなくなる。その悲しさだ。

 公式サイト「美しき野獣」

 初めての下宿で500mlくらいの湯を沸かす電気ポットを買ってもらった。コーヒーやお茶を飲むときに使った。東京で一人暮らしを始めた子どもに何かを送ろうと、二人で店に行った。湯沸かし保温ポットよりも、少しの湯を若洲だけのポットに決めた。あの時と同じ、思い出す。私は学生、子どもは社会人。ポットくら自分で買えるだろうけど、心ばかりの誕生日プレゼント。あの頃の私と比べたら、彼は大人だ。自分で何でもできる。私は仕送りをしてもらい、養ってもらっていた。バイトはしても、それは遊びの小遣いだ。パチンコにもはまって結構無駄遣いもした。米だけは買って、ラーメンとの寂しい食事も続いた。タバコも吸ったから、計画性のない、万年金穴のわがまま学生だった。


親切なクムジャさん

2008年12月13日 | サスペンス/ミステリー

2005年 韓国 114分
■原題「SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE」
■2008.12.6 DVD
■監督 パク・チャヌク
■出演
   イ・ヨンエ(クムジャさん)  チェ・ミンシク(ペク先生)
   クォン・イェヨン(ジェニー)  オ・ダルス(チャン)
   キム・シフ(クンシク)  イ・スンシン(パク・イジョン)
   キム・ブソン(ウ・ソヨン)  ラ・ミラン(オ・スヒ)
   ソ・ヨンジュ(キム・ヤンヒ)  
   キム・ジング(コ・ソンスク)  コ・スヒ(魔女)
   キム・ビョンオク(伝道師)  ナム・イル(チェ班長)

  《story》

「愛を必ず取り戻す」

刑務所から出所するクムジャさん。20才の時に、ウォンモ君誘拐殺人の罪で逮捕され、刑期を終えての出所。刑務所内では、いじめに合った新入りのために復讐したり、元北朝鮮のスパイの世話をしたり、みんなから「親切なクムジャさん」と呼ばれていた。しかし、出所後のクムジャさんは、まずウォンモ君の両親に会い、謝罪して自分の指を切断する。その後、ピンクのアイシャドーを入れ、まるで人が変わってしまった。かつての刑務所内での仲間に、改造銃を作らせ、自分を殺人の罪に陥れたペク先生を捜させた。ペク先生は、クムジャさんの娘を殺すと脅し罪を着せたのだった。クムジャさんは、13才になった娘と再会。そして、ペク先生への復讐が始まる。彼は、ウォンモ君以外にも、数人の子どもを誘拐し殺害していた。彼を廃校に閉じこめ、殺された親を集め、殺害のビデオを見せて、子どもを殺害された親一人ずつのペク先生への復讐が始まる。

 気持ちはそうだ、でも・・・

復讐の気落ちは、死刑にいたいし、自分が殺したくなるだろう。でも、私は、自分の子どもを殺した犯人を殺せるだろうか。たとえ殺して復讐できたとしても、きっと後味はいいものではない。自分も殺人者になっただけなのだから。犯人と同じ、殺そうと思って殺してしまうただの殺人者だ。その呵責に苛まれながら生きることになる。殺さなければ、殺したいという憎悪の気持ちを抱え生きていくことになる。どちらにしても満足した人生にはならない。あの親たちはすっきりしたのだろうか。やっと恨みをはらしたぞと満足できたのだろうか。でも、この憎悪の気持ちは、たとえ後で良心の呵責に苛まれても、押さえることはできないのかもしれない。多くの人の人生を台無しにしたペクという人物に、小さな善を見つける努力をするか、憎悪100%にして消し去るか。

 東京の子どもの誕生日。と言っても22才だ。この不景気の中で、派遣会社に入社できた。コンピューター技術は、たくさんの派遣社員が解雇される中で、すぐに採用が決まるほどの大きな力になった。この11月にマンションを借り、一人暮らしスタートだ。初めての給料も入ったという。お母さんと相談して、ポットと食料品を、誕生日プレゼント代わりに送った。一人で何でもできる子。福岡に行くのも、東京に行くのも、全部自分で決めて、全部自分で身の回りの手続きをやり遂げた。会社選びも、マンション決めも・・・健康に気をつけ、安定した生活ができるように願っている。落ち着いたら、高速道路が1000円になったら、東京に行ってみよう。

REM レム

2008年12月13日 | サスペンス/ミステリー

2000年 アメリカ/フランス/カナダ 105分
■原題「CHASING SLEEP/INSOMNIES」
■2008.12.6 DVD
■監督 マイケル・ウォーカー
■出演
   ジェフ・ダニエルズ(エド・サクソン)
   エミリー・バーグル(セイディ)
   ギル・ベローズ(ダーム刑事)
   ザック・グルニエ(ジェフリー・コスタス)
   ジュリアン・マクマホン(ジョージ)

 《story》

「睡眠で覚醒する記憶」

大学教授のエドが、夜中に目を覚まし、妻が帰宅していないことに気づく。そこで、友人に連絡したり、職場に連絡するが行方がわからない。ついに警察にも連絡し、事故で運ばれていないかと救急の病院まで連絡する。しかし、妻の消息はわからない。不安が深まっていくエドは、睡眠薬を服用する。自宅に、警察官が訪ね、妻の不倫相手、教え子の学生、友人、カウンセラーらが訪ねてくるが、しだいに何が現実で何が夢の出来事なのかわからなくなってくる。床を這う指、浴槽に横たわる大きな不気味な赤ちゃん。便器から溢れ出す血・・・・。妻の秘密の日記には、エドtの争いの日々が記されていた。そして、繰り返し聞こえる隣家の喧嘩の声、窓越しに見た隣家の男は自分だった。

 現実と夢との交錯

それは確かにある。あれは夢だったのか現実だったのか、わからなくなることがある。それはうつらうつらしていたり、極度に疲れていて物忘れが激しくなったとき。特に今は多くなっているかも。自分が信じられなくなっていく。エドもそうかもしれない。自分がしたことを隠したい、その現実から逃れたいという逃避がそもそものスタートだ。いやなことは無かったことにしたくなる。幸せな世界を夢見ている。薬を飲むことは、いやな世界から逃れ、幸せな夢の世界に浸っていたいから。でも、薬も効かなくなり、限界を超えてしまうとき、現実と夢の交錯が始まる。エドは、自分がやったことに気づいていくから、それは正常なのかもしれない。

 一進一退の一週間。浮いたり信ずんだり。でも、確実に前進していると信じている。毎日、疲労回復剤とドリンク剤、そして頭痛薬を飲んだ。肩から首筋、頭の横からてっぺんまでひどく痛んだ。休日になってそれが治まっていくのが不思議だ。やはり、疲労と精神的な極度の緊張からきているのだ。大きな失敗もして、迷惑もかけた。開き直って、どうにでもなれと捨て鉢な気持ちにもなった。でも、一進一退しながらも、振り返れば少しは前進を感じるだけでもいいのではないか。

サウスバウンド

2008年12月07日 | 人間/社会派ドラマ

2007年 日本 114分
■2008.12.5  日本映画専門チャンネル
■監督 森田芳光
■出演
   豊川悦司(上原一郎)  天海祐希(上原さくら)
   北川景子(上原洋子)  田辺修斗(上原二郎)
   松本梨菜(上原桃子)  松山ケンイチ(稲垣巡査)
   平田満(校長先生)  
   吉田日出子(区役所のおばさん)
   加藤治子(お祖母ちゃん=堀内たえ)
   村井美樹 (南先生)

 《story》

「東京→西表島 この一家、どこへ行っても何かある」
「お父さん、恥ずかしいから出てこないで」


小学6年生の二郎は、妹、姉、両親との5人くらし。父親は少し変わっていて、税金を払えと言う区役所のおばさんに、「だったら国民やめちゃおう」とか、修学旅行の積立額を見て、「学校と業者の癒着か」と学校に乗り込んでいく。しかし、下級生から金を巻き上げ、母親の悪口を言った上級生に乱暴を働いた二郎。家に教育委員会やら、上級生の親がやってきたとき、「あなたがたの質問は血が通ってない」など、けっこうまともなことを言っていると気づく。その後、食卓を囲んだ席で、母が「我が家は沖縄へ引っ越します」と宣言。沖縄は父一郎の故郷。来てびっくり。島上げての大歓迎。しかし、家は草むらの中のボロ屋。総出で住める家に。そして畑仕事を始める。そこに、観光開発業者が立ち退けとやってくる。「この資本家の手先どもが。田舎政治家と結託して、入植者たちの血と汗の結晶とも言える田畑を二束三文の金で、好き勝手できると思うなよ。」迫力ある父一郎の本気の声。バリケードを突破し、ショベルカーが迫ってくる。

 穏やかな物言いが好きだな

ただ感情的に怒るのではなく、言わなければならないことを、落ち着いた言い方で伝えるところが好きだな。しどろもどろになることなく、ただ相手を怒らせようとしているわけではなく、明るく自分の考えを伝えようとしている。その考えの中で納得できないこともあるけど、正しいこともある。一郎は、きっとさまざまな人のために本気で動くことができる人だ。二郎もそれを受け継いでいるのだ。怒りはやっかみ、嫉妬に似たものがある。「よくも言ったな」言われたことで腹が立つ。それは意見を聞いているのでも、言っているのでもなく、感情に感情をぶつけるだけ。冷静に自分の意見を主張することは学ぶべきところ。
沖縄の自然、本来自然はみんなのものだった。でも、今はどの木も森も、だれかのもの。いつか川も空でさえも、だれかのものになってしまうのではないだろうか。自然を守るにはたくさんの人の知恵と協力が必要だ。
「ハンサム★スーツ」に出ていた寛子さんがいた。
久しぶりに、ケーブルテレビの日本映画専門チャンネルを見た。いい映画をやってるんだけど、画質が悪い。気になって仕方ない。やっぱりDVDか、BSがいいね。

 公式サイト「サウスバウンド」

 「沖縄」っていうと、なぜか懐かしさを感じてしまう。生まれ育ったところではないのに。沖縄に初めて行ったのは15年くらい前。職場の同僚との旅行だった。そこで沖縄戦の写真集を買った。沖縄の歴史に触れた。ちょっとだけ。それから5年くらい前に、家族で行った。フリープランで、自分たちで考えて自然と戦跡とを巡った。それくらいなのに、なぜか懐かしく思ってしまう。それは思い出を振り返る懐かしさとは少しちがう。故郷を振り返る懐かしさだから不思議だ。今はお金も時間もないけど、いつか再び行ってみたい。そのときはだれかと行けるだろうか。

ぼくたちと駐在さんの700日戦争

2008年12月06日 | コメディ

2008年 日本 110分
■2008.11.30 DVD
■監督 塚本連平
■出演
   市原隼人(ママチャリ)  佐々木蔵之介(駐在さん)
   麻生久美子(加奈子)  石田卓也(西条)
   加冶将樹(孝昭)  賀来賢人(グレート井上)
   脇知弘(千葉くん)  冨浦智嗣(ジェミニー)
   小柳友(辻村さん)  豊田エリー(美奈子さん)
   成嶋こと里(前園ミカ)  倉科カナ(和美)
   水沢奈子(井上夕子)  森崎博之(寺島先生)
   坂井真紀(白井恭子先生)
   根岸季衣(バーバー吉田のばばあ)
   志賀廣太郎(神主)  ガッツ石松(孝明の父)
   安藤玉恵(孝昭の姉)  片桐はいり(みどり屋のおばちゃん)
   酒井敏也(電気屋のおじさん)  宮地雅子(看護婦さん)
   掟ポルシェ(花火師)  石野真子(たみ子=ママチャリの母)
   竹中直人(親方)

 《story》

「いっちょイタズラいきますか」

1979年、田舎のとある農道で、イタズラの戦いは始まった。スピード違反を取り締まる駐在さん。原付バイクで捕まったことから、自転車部隊作戦、金物作戦・・・駐在さんを落とし穴に落としたり・・・。ママチャリ高校生軍団は、駐在さんの奥さんに一目惚れ、さらに奥さんの妹の美奈子さんにも。お互いのイタズラ合戦が繰り広げられる。ある日、西条がバイク事故で病院行き。そこで入院しているみかちゃんに会う。美香ちゃんは心臓の手術を控えていて、花火をみることができたらその手術を受けるという。花火は隣町で行われ、ママチャリたちは、花火の拝借し、河原で打ち上げ、みかちゃんに見てもらおうと計画。さっそく実行するが、それは犯罪。たちがだから駐在さん。盗んだ花火は2つだったが、その後何発も続く打ち上げ花火。駐在さんのポケットマネーからの贈り物。無事みかちゃんは手術することになるが、その後も駐在さんとママチャリたちのイタズラ合戦は続く。

 わきまえたイタズラだから

イタズラがエスカレートして、傷つけ会うことになったら大変。今の高校生なら、感情的になって歯止めがきかなくなって、重大な事故につながることも。顔は怒っても、笑い合えるイタズラだからこそ楽しいのだ。そして、お互いにいがみ合っているように見えても、心の底では惹かれ会っている。通じ合っている。花火を盗むことは犯罪だからよくないけど、だれかのために何かをやりとげたい気持ちは胸を熱くする。それが、小さな子ども達やお年寄りや、弱い立場の人ならなおさらだ。
そう言えば、子どものころに落とし穴を作ったことがある。それでも、膝小僧あたりの深さだった。全身すっぽり落ちてしまうような落とし穴は危険。落とし穴にだれかを落としたくて、にやにやしながらだれかを連れてきたものだ。でも、ほとんど失敗。成功した覚えはない。定番のピンポンダッシュ、偽りのラブレター、ぐらいかな。今なら、学校に連絡、全校指導ってとこかな。


 公式サイト「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」

 高校生と言えば、酒にタバコ・・・昔もけっこうやってたよなあ。だれかの家でね。別に不良だったわけではないし、いたって真面目な高校生。公立高校の生徒会長もいっしょだった。制服着て酒屋に行ったこともあった。ちゃんと売ってくれた。たばこも、「めずらいいのが入ったぞ」と友達が1本くれたり、みんなで一箱買ったり。20才になったらタバコを止めると公言し、本当にやめた友達もいる。毎日吸ってたわけじゃないから、たまにみんな集まったとき、年に1回か・・・。常習じゃないことがよかったのか。青春の思い出。私はそれからタバコを本格的に吸うようになってしまうのだが。今から6年前に止めた。青春も区切りがついたといえるのか。

ハンサム★スーツ

2008年12月06日 | コメディ


2008年 日本 115分
2008.11.29 ワイナーマイカルシネマ
■監督 英勉
■出演谷
   原章介(光山杏仁)  塚地武雅(大木琢郎)
   北川景子(星野寛子)  佐田真由美(來香)
   池内博之(狭間真介)  大島美幸(橋野本江)
   本上まなみ(谷山久恵)  佐々木希(玲美)
   山本裕典(大沢勇気)  伊藤明賢(沢田)
   住田隆(山田隆夫)  ブラザー・トム(米沢明)
   温水洋一   中条きよし(白木)
   伊武雅刀(神山晃)

 《story》

「着るだけでハンサムになるスーツ、あります。」
「人生を変える夢のスーツ、あります!」

大木琢郎33才、死んだ母の店を継いで、庶民的な食堂を営むブサイクな男。ふられたこと限りなく、一度も恋は成就せず。ある日、店に美人の女の子がパートの申し込みにやってきた。彼女寛子の一途さに惹かれ、琢郎は告白。しかし、寛子は店をやめてしまう。琢郎は、友人の結婚式に着るスーツを買いに出かける。そこで、着るだけでハンサムになるスーツと出会う。名前を光山杏仁と変え、彼は一躍有名人になる。同じ頃、新しく入ったアルバイトの女の子本江さんは、ブサイクだけど笑顔のかわいい働き者。小さな幸せをいくつも感じさせてくれた。しかし、寛子を忘れられない琢郎、光山杏仁として大きな幸せが目の前に広がる。永遠に変身できるスーパースーツを着るか、琢郎のまま生きるか。光山杏仁のまま生きると決断した華々しいステージの上、本江さんが事故に遭って入院したという連絡。本江さんがくれたリストバンドの音楽が鳴る。まだ間に合うか、琢郎に・・・。

 ハンサムスーツほしい

寛子さん本江さんのような女性が現れたから、スーツなんていらないと思うのであって、もしであわなければ100%、ハンサムスーツを着ていたと思う。あんなスーツがほしいよ。人は心なんて、80%見かけだ。まず見て、最初の選択がやってくる。そこで、多くははじかれるのだ。もてもて人生おくってみたい。でも、もし寛子さんのような女性が現れたら、やっぱり考えるな。本江さんもいい。確かにあの笑顔やあの心のサポートは、いつもそばにいてほしいと思う人だ。そういう意味では顔ではなく、自分を心から支えてくれる人がそばにいてくれたら、見かけなんてどうでもいいと思うのかもしれない。
楽しい映画だった。見てよかった。しかし、まわりはカップルばっかり。独り者は私だけ。この映画館は、いつもはあまり来ないところ。夜8時代に見ることができて1200円ということで来た。狭くてスクリーンに迫っていて、人が多いと、見るのにつらい映画館だ。よほどの事情がない限り、次にくることはないかも。

 公式サイト「ハンサム★スーツ」

 昨日は暗い気持ちで過ごしたが、一転次の日は明るい気持ちで過ごせた。躁鬱ではなく、目の前に広がる光景だ。それだけ、大きく変化し、心を左右する。全体的に見て、なめらかに右肩上がりの好転に見える。ただ、自信をもって言えないところがつらいだけ。この土日は仕事が待っている。どうしてもしなければならない仕事。月曜日に提出。しかし、なかなか気持ちがついていかないんだよね。取りかかりがうまく行けばなんとか、土曜日中に済ませられるかも。この週末はいい映画もないしね。