そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

親切なクムジャさん

2008年12月13日 | サスペンス/ミステリー

2005年 韓国 114分
■原題「SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE」
■2008.12.6 DVD
■監督 パク・チャヌク
■出演
   イ・ヨンエ(クムジャさん)  チェ・ミンシク(ペク先生)
   クォン・イェヨン(ジェニー)  オ・ダルス(チャン)
   キム・シフ(クンシク)  イ・スンシン(パク・イジョン)
   キム・ブソン(ウ・ソヨン)  ラ・ミラン(オ・スヒ)
   ソ・ヨンジュ(キム・ヤンヒ)  
   キム・ジング(コ・ソンスク)  コ・スヒ(魔女)
   キム・ビョンオク(伝道師)  ナム・イル(チェ班長)

  《story》

「愛を必ず取り戻す」

刑務所から出所するクムジャさん。20才の時に、ウォンモ君誘拐殺人の罪で逮捕され、刑期を終えての出所。刑務所内では、いじめに合った新入りのために復讐したり、元北朝鮮のスパイの世話をしたり、みんなから「親切なクムジャさん」と呼ばれていた。しかし、出所後のクムジャさんは、まずウォンモ君の両親に会い、謝罪して自分の指を切断する。その後、ピンクのアイシャドーを入れ、まるで人が変わってしまった。かつての刑務所内での仲間に、改造銃を作らせ、自分を殺人の罪に陥れたペク先生を捜させた。ペク先生は、クムジャさんの娘を殺すと脅し罪を着せたのだった。クムジャさんは、13才になった娘と再会。そして、ペク先生への復讐が始まる。彼は、ウォンモ君以外にも、数人の子どもを誘拐し殺害していた。彼を廃校に閉じこめ、殺された親を集め、殺害のビデオを見せて、子どもを殺害された親一人ずつのペク先生への復讐が始まる。

 気持ちはそうだ、でも・・・

復讐の気落ちは、死刑にいたいし、自分が殺したくなるだろう。でも、私は、自分の子どもを殺した犯人を殺せるだろうか。たとえ殺して復讐できたとしても、きっと後味はいいものではない。自分も殺人者になっただけなのだから。犯人と同じ、殺そうと思って殺してしまうただの殺人者だ。その呵責に苛まれながら生きることになる。殺さなければ、殺したいという憎悪の気持ちを抱え生きていくことになる。どちらにしても満足した人生にはならない。あの親たちはすっきりしたのだろうか。やっと恨みをはらしたぞと満足できたのだろうか。でも、この憎悪の気持ちは、たとえ後で良心の呵責に苛まれても、押さえることはできないのかもしれない。多くの人の人生を台無しにしたペクという人物に、小さな善を見つける努力をするか、憎悪100%にして消し去るか。

 東京の子どもの誕生日。と言っても22才だ。この不景気の中で、派遣会社に入社できた。コンピューター技術は、たくさんの派遣社員が解雇される中で、すぐに採用が決まるほどの大きな力になった。この11月にマンションを借り、一人暮らしスタートだ。初めての給料も入ったという。お母さんと相談して、ポットと食料品を、誕生日プレゼント代わりに送った。一人で何でもできる子。福岡に行くのも、東京に行くのも、全部自分で決めて、全部自分で身の回りの手続きをやり遂げた。会社選びも、マンション決めも・・・健康に気をつけ、安定した生活ができるように願っている。落ち着いたら、高速道路が1000円になったら、東京に行ってみよう。

REM レム

2008年12月13日 | サスペンス/ミステリー

2000年 アメリカ/フランス/カナダ 105分
■原題「CHASING SLEEP/INSOMNIES」
■2008.12.6 DVD
■監督 マイケル・ウォーカー
■出演
   ジェフ・ダニエルズ(エド・サクソン)
   エミリー・バーグル(セイディ)
   ギル・ベローズ(ダーム刑事)
   ザック・グルニエ(ジェフリー・コスタス)
   ジュリアン・マクマホン(ジョージ)

 《story》

「睡眠で覚醒する記憶」

大学教授のエドが、夜中に目を覚まし、妻が帰宅していないことに気づく。そこで、友人に連絡したり、職場に連絡するが行方がわからない。ついに警察にも連絡し、事故で運ばれていないかと救急の病院まで連絡する。しかし、妻の消息はわからない。不安が深まっていくエドは、睡眠薬を服用する。自宅に、警察官が訪ね、妻の不倫相手、教え子の学生、友人、カウンセラーらが訪ねてくるが、しだいに何が現実で何が夢の出来事なのかわからなくなってくる。床を這う指、浴槽に横たわる大きな不気味な赤ちゃん。便器から溢れ出す血・・・・。妻の秘密の日記には、エドtの争いの日々が記されていた。そして、繰り返し聞こえる隣家の喧嘩の声、窓越しに見た隣家の男は自分だった。

 現実と夢との交錯

それは確かにある。あれは夢だったのか現実だったのか、わからなくなることがある。それはうつらうつらしていたり、極度に疲れていて物忘れが激しくなったとき。特に今は多くなっているかも。自分が信じられなくなっていく。エドもそうかもしれない。自分がしたことを隠したい、その現実から逃れたいという逃避がそもそものスタートだ。いやなことは無かったことにしたくなる。幸せな世界を夢見ている。薬を飲むことは、いやな世界から逃れ、幸せな夢の世界に浸っていたいから。でも、薬も効かなくなり、限界を超えてしまうとき、現実と夢の交錯が始まる。エドは、自分がやったことに気づいていくから、それは正常なのかもしれない。

 一進一退の一週間。浮いたり信ずんだり。でも、確実に前進していると信じている。毎日、疲労回復剤とドリンク剤、そして頭痛薬を飲んだ。肩から首筋、頭の横からてっぺんまでひどく痛んだ。休日になってそれが治まっていくのが不思議だ。やはり、疲労と精神的な極度の緊張からきているのだ。大きな失敗もして、迷惑もかけた。開き直って、どうにでもなれと捨て鉢な気持ちにもなった。でも、一進一退しながらも、振り返れば少しは前進を感じるだけでもいいのではないか。