そよかぜから-映画

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メゾン・ド・ヒミコ

2006年11月10日 | 人間/社会派ドラマ

2005年 日本 131分
■2006.11.10 wowow
■監督 犬童一心
■出演 オダギリジョー(春彦) 柴咲コウ(沙織) 田中泯(照男) 西島秀俊(細川専務) 歌澤寅右衛門(ルビイ) 青山吉良(山崎)

《story》

「私を迎えに来たのは、若くて美しい男。彼は、父の恋人だった」

塗装会社につとめる沙織は、大きな借金を抱えていた。夜はコンビニで働くなど、苦しい生活を送っていた。そんなある日、沙織の元に若くて美しい男が訪ねてくる。彼は、幼いときに出ていった父の恋人だった。父、照男はゲイバー「卑弥呼」を継いだあと、ゲイのための老人ホームを作った。沙織の元を訪ねた男、春彦は、父が余命短く、彼の老人ホームで働かないかとすすめる。悩んだ末、破格の日給であったことから、そこで働くことを決意する。そこは、穏やかで優しくて哀しい場所。老人たちは、沙織を暖かく迎えた。しかし、沙織の父に対する憎しみはますます大きくなっていった。

◎人は、遠くから見ているだけでは、何もわからない。自分の中にある何かが、嫌悪感を持てば、そういう目で見ていく。でも、近づけば、ふれあえば、だれでも暖かさを感じる。そして大事にしたくなる。もし、沙織のところに春彦が来なければ、誰とも心を通わせることなく、沙織はずっと父を恨み続けたことだろう。そしてゲイに対する考えも、嫌悪感以上のものは持つことができなかっただろう。
でも、正直に言って、私自身はこの映画を見ても、ゲイというものがよくわからない。「性同一性障害」という名前を金八先生のドラマから教わったが、それではないような気がする。単なる趣味、自分の本能的な欲求のように見える。自分の好きなように生き、子どもの心を踏みにじった人にしか見えない。人として許せても、父としては許せない。まあ、それは置いておいても、だれでもともに生活して、あたたかな触れ合いがあれば、好きになれる。それは確かにある。あの中学生もそうなんじゃないかなと思う。ゲイに目覚めたのではなく、触れ合いにはまったのだと思う。そう思いたい。「ゲイ」というものが、人間とのつながりの壁だとしたら、私はそれを乗り越えられないでいるのかもしれない。そういう形ではなく、根本の人と人とのつながりを、私に問うているのだ。

公式サイト「メゾン・ド・ヒミコ」