そよかぜから-映画

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父親たちの星条旗

2006年11月20日 | 人間/社会派ドラマ


2006年 アメリカ 132分
■原題「Flags of Our Fathers」
2006.11.20 TOHOシネマズ緑井
■監督 クリント・イーストウッド
■出演
 ライアン・フィリップ(ジョン・“ドク”・ブラッドリー)
 ジェシー・ブラッドフォード(レイニー・ギャグノン)
 アダム・ビーチ(アイラ・ヘイズ)
 ジェイミー・ベル
     (ラルフ・“イギー”・イグナトウスキー) 、
 バリー・ペッパー(マイク・ストランク)
 ポール・ウォーカー(ハンク・ハンセン)
 ジョン・ベンジャミン・ヒッキー(キース・ビーチ)
 ジョン・スラッテリー(バド・ガーバー)

《story》

「世界が忘れてはいけない島がある」

「戦争を終わらせた1枚の写真。その真実」

「アメリカから見た硫黄島」

ジョン・“ドク”・ブラッドリーは、太平洋戦争当時のことを一切口にしなかった。その生涯を閉じようとしている今、彼の息子は、なぜ父は語ろうとしないのか。その真相を探るため、当時の父の衛生兵としての軌跡をたどり始めた。そして、1枚の写真からすべてが始まっていることを知った。
当時、予想を上回る日本軍の抗戦に、アメリカ軍は苦戦していた。硫黄島の上陸作戦も5日で終わると思われていたが、日本軍の抵抗は激しく、アメリカ軍の戦死者も増えていく中、戦費は膨大にふくらみ、国内での資金繰りに苦慮していた。そんな中で、硫黄島でアメリカの国旗を掲げている様子の写真が新聞に掲載される。軍は、この写真に写っているとされる人物を使って、資金援助のキャンペーンを行うことにした。写真の6人のうち3人はすでに死亡。本土に生還できたのは3人だけだった。国内では、この3人を利用した大規模なキャンペーンが繰り広げられた。戦場での悲惨さを体験してきた3人は、この派手な演出や本土と戦場の大きな違いに困惑し、次第に苦悩し始める。

◎戦争映画は好きではない。でも、クリント・イーストウッド監督の、両方の国の側から描いた2部作というところにひかれた。それに、かっこよさではなく、戦争の裏側にある真実を描こうとしているところがいい。戦争は、怖いものだ。恐怖がいっぱいで孤独なものだ。人を傷つけることが平気になる怖さ、自分を守るために残酷になれる怖さ、目の前の人に、会ったこともない人に、憎しみを感じる怖さ、味方さえ信じられなくなる怖さがる。

戦争は、それを仕組み、利用して、自分だけ得をする人があること。それに、人の心を操り、けしかけ、命を投げ出してでもいいと思う人間作ってしまう。さらに、そう思わない人を、そう思う人が罵り、仕組んだ人が見えなくなる。だれも傷つけたくないし、だれからも傷つけられたくない。

今の日本はいやなことばかり。教育基本法が改定され、愛国心がことさらにクローズアップされ、従わなければならない、心が縛られる教育がなされようとしている。学校選択制、教員の免許更新、給料格差、文化的行事の廃止、能力別クラス、安定しない家庭(雇用条件の悪化、労働条件の悪化)・・・いじめの原因は、そうした国の制作そのものにある。国自体が弱い立場の人をいじめている。傷害者、お年寄り、子どもたち・・・見えないところで、新しい法律がいつのまにかできて、弱者切り捨てで、自殺者が急増。この怒りは他国に向けられ、戦争がいつでも起こせる条件が整えられていくのだ。憲法改正、もちろん9条でしょう。

この映画の戦争の裏側にある事実。それは、これから何十年後かにあきらかになる、今の日本の裏側にある事実と、ほぼ同じことなんじゃないかなと思った。たぶん、そのときそんなに驚きを持って見ることはない。だれも信じられない戦場の様子と、今の日本は同じ状況かもしれない。

公式サイト「父親たちの星条旗」 



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