■2006年 日本 101分
■2007.10.6 wowow
■監督 中村義洋
■出演
多部未華子(田中エリ子) 岩田力(田中ダイゴ)
石田えり(エリ子の母) 嶋田久作(エリ子の父)
崔洋一(富山のオジサン)
梅沢昌代(富山のオバサン)
小笠原翼(エビヅカ) 田中要次(エビヅカの父)
《story》
「お姉ちゃん、もうボクたち、
元の世界に帰れないかもしれない」
弟のダイゴの帰りが遅いので、姉のエリ子は迎えに行く。国道225線を横切り、公園のブランコに乗っているダイゴを見つけた。かばんにしまったシャツには「ダイオキシン8倍」と書かれていていじめにあっているようだ。二人は家路につくが、途中街の名前が書かれた看板には見たこともない字が・・。そして角を曲がると無いはずの砂浜が・・・。家に帰ると誰もいない。母親のすがたがない。自分たちが違う世界に入り込んだことに気づいた。エリ子とうまくいかなくなっていた、仲が良かった友達と寄りを戻していたり、ダイゴが小学校時代に事故で死んだ少女が生きていたり、以前の世界と少しちがっていた。大きく違うのは両親がいないこと。何度も二人で元の世界に返れるように試みるのだけどうまくいかない。両親がいないことを親戚の人に知られ、二人は別々の家に預けられることになった。母の世界とつながる唯一のテレフォンカードの残りを使って話をする。家の中で撮った写真にはぼんやりと両親の姿があった。
期待ほどでは
結局帰れなかったことが欲求不満。予想通りラストは帰ることができてハッピーエンドにならなければ。なぜならこの世界はおかしいのだから。両親が別の世界に行っているのと同じ。失踪扱いになっているのだから。いなくて当たり前じゃないでしょう。二人の努力の結果、元に戻ったら、以前と少し変化していた、そのおもしろさであっと言わせる。おきまりのラストだけどね。このままだとすっきりしないなあ。自転車で北海道の坂を上って微笑んでもいい気持ちはしない。姉弟が仲良くなってもこの世界の価値を感じないよ。両親と引き替えの価値。