■2004年 韓国 126分
■原題「WHEN SPRING COMES/SPRINGTIME」
■2008.4.18 movie plus
■監督 リュ・ジャンハ
■出演
チェ・ミンシク(イ・ヒョヌ)
キム・ホジョン(ヨニ=元恋人)
チャン・シニョン(スヨン=薬剤師)
キム・ガンウ(ジュホ)
ユン・ヨジョン(ヒョヌの母親)
イ・ジェウン(ジェイル)
チャン・ヒョンソン(ギョンス)
《story》
「失敗したって いいじゃないか」
楽団への夢を追うイ・ヒョヌ。なかなか思うようにはいかず、音楽講師として生計を立てていた。その苛立ちを恋人にぶつけてしまい、二人の関係にも溝ができた。息子を心配する母親も疎ましく感じられる。イ・ヒョヌは、田舎の中学校が、吹奏楽の顧問を募集している公告を見つけ、向かう。かつては入賞していた楽団も今は学校のお荷物。入賞しないと廃部になってしまう。生徒達と触れあううち、イ・ヒョヌの心の中に何かが生まれた。おばあさんと二人で、苦しい生活をしているジョイル。彼のために、夜のバイトを始めるイ・ヒョヌ。父親の反対で、吹奏楽部を辞めさせられたヨンソク。炭坑の入り口で、吹奏楽部を率い演奏するイ・ヒョヌ。次第にイ・ヒョヌと生徒の心は強く結ばれていく。彼を心配し、訪ねてくる母、そして恋人のヨニ。大会の日、イ・ヒョヌの顔も生徒の顔にも笑顔があふれていた。
だれかのためにがんばっているとき
身近な人は見えなくなることが多い。でも、だれかと出会い、その人のために少しくらい苦労してでも役立ちたいと思うことがある。その人が自分よりもたくさんの苦労をし、努力している人なら、もっと心を動かされてしまう。そして自分のこだわりが、なんてばかげたものだったのか痛感する。恋人や母親は甘えてしまうだけ。離れてみることが、近くて見えなかった思いやりを感じさせてくれた。思うようにいかない人生、ついつい身近な人にやつあたりしてしまう。でも、彼女たちは彼を見捨てなかった。だからこそ、彼は戻っていったのだと思う。「失敗したっていいじゃなか」とは、周りの人が温かく見守っていてはじめて成り立つこと。突き放されたら、失敗はただの失敗だ。彼が感じたことを、生徒を見守ることで実現した。寄り添う人を想う心を実感した。形だけじゃなかった。仕方なくではなく、心からそうしたいと願った。それが「春」のあたたかさだと思った。
公式サイト「春が来れば」