そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

ヒカリサス海、ボクノ船

2008年12月31日 | 人間/社会派ドラマ


2008年 日本 117分
■2008.12.28 DVD
■監督 橋本直樹
■出演
   仁科仁美(奈々子)  深水元基(浩貴)
   松本まりか(志穂)  中山弟吾朗  仁科克基
   小野晴子  冨田翔  小木茂光  六平直政
   仁科亜季子

 《story》

「悲しまなくてすむ距離」

弟の達也の七回忌、未だ両親との間の溝は埋まらない。お互いにそれを避けて生きてきた。そんな奈々子の前にピエロが現れる。どこか懐かしくお節介なことを言うピエロ。今まで当たり触らず生きてきた奈々子の人生に変化が起こる。幼なじみの浩貴、いじめにあっていた少年との出会い。7年前、寝たきりの達也に、運動会の弁当を作る材料を買うために家を空けた。その間に達也の様態が悪くなった。達也の治療費を稼ぐために働きに出ていた母は、「達也」なんて死んじゃえばいい」という言葉が浮かび、奈々子を疑う。父が、達也の部屋を片づけることを提案。しかし、そのことをきっかけに、母の今までの不信が奈々子にぶつけられる。見殺しにしたと告げ、奈々子は家を飛び出す。海に入る奈々子。達也の部屋で真実を見ていたピエロが動く。幼なじみの浩貴が海にもぐり、奈々子を救う。「お姉ちゃんありがとう」の声を聞く。家に戻った奈々子は、両親に素直に真実を伝えた。

 確かにあるよね

悲しまなくてすむ距離ってあるよね。それは逃げていることなんだろうか。それとも、衝突を避けるひとつの手段なんだろうか。奈々子の場合は、事件が起きたとき、きちんと伝えていれば解決できたかもしれない。だれもが理解できる真実。それを聞いて疑うことはないと思う。なぜ言えなかったのか。あの病院での母の目なんだろうか。それがきっかけになることは確かにある。ピエロは弟の達也の分身、姉を助けたいから、今の苦しみから救いたいから現れた。でも、それは幼なじみの浩貴なしでは実現できない。もしかしたら浩貴さえも達也の分身かもしれない。さらにあの少年も、姉を救うために現れた。姉を救うために集ったのかも。疑問なのは、奈々子が服をぬぐこと。なぜ何のために。素直になろう、という表現なのかな。

 生き物部。すぐに部長になってしまった。ほとんど遊びのクラブ。でも、後輩はいっぱい集まった。クラブ宣伝がよかったのだろうか。ステージで、補虫網を持ってアピールした。今考えれば、みんなの前でよくできたものだ。あの度胸、勇気が今ほしいものだ。新入部員が10人以上集まった。狭い部室がいっぱいになった。でも、一番楽しかった1年間。恋もしたし規則も破った。みんなで行ったキャンプ。実験のために飼ったハツカネズミ。怖い物なしでいろんなことをした。今思えば、それだけわがままでたくさんの人を傷つけた。懐かしさと後悔、そして恥ずかしさも。今、求めているのは感じる心。それとも感じない心。どっちだろうか。



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