■2008年 アメリカ 96分
■原題「THE SPIDERWICK CHRONICLES」
■2008.5.5 TOHOシネマズ緑井 with h
■監督 マーク・ウォーターズ
■出演
フレディ・ハイモア(サイモン/ジャレッド)
サラ・ボルジャー(マロリー)
メアリー=ルイーズ・パーカー(ヘレン)
ニック・ノルティ(マルガラス)
ジョーン・プロウライト(ルシンダ叔母)
デヴィッド・ストラザーン
(アーサー・スパイダーウィック) 《story》
「さあ、覚悟を決めろ! その『謎』に挑め」
「“この本、読むべからず。少しでも読めば、恐ろしい結末が待つ”」
「スパイダー・ウィック家に封印されていた謎を秘めた手引き書とは・・・」
ニューヨークから引っ越してきた母と子ども達。経済的に苦しくなって、古い親戚の家に移ることになったもだ。その家は80年前にある研究をしていたスパイダー・ウィックの家で、彼は行方不明だった。娘はどこかの施設に入って余生を送っているという。家族に反抗的なジャレッドが不思議な音を追っているうち、屋根裏部屋を見つけ、そこで古い本を発見する。「決して開けて読んではならない」という警告を無視し読んでしまう。そこには、スパイダー・ウィックが研究していた妖精の秘密が書かれていた。そして、家の外では見えない何者かが弟のサイモンを連れ去ろうとしていた。サイモンを救出したジャレッドは、家を守る妖精ブラウニーから、その本をねらっているゴブリンたちのことを聞く。森でホグスクイールの協力で妖精が見えるようになったジャレッドは弟と姉と、スパイダー・ウイックの娘ルシンダ叔母さんに会いに行く。そこで、スパイダー・ウィックは、妖精の世界を守るために妖精に連れ去れたことを知る。今の窮地から脱出するためにはスパイダー・ウィックを捜し会いにいくしかない。家を守っていたサークルが消される。ジャレッドたちはゴブリンたちとの戦いに勝つことができるのか。 結びつきを強めるの窮地
みんなで協力して戦おうというとき、結束することが多い。これは戦争に使われるから気をつけなければいけない。北朝鮮だ、中国だと駆り立てて、目をそちらに向けさせ、戦争の準備が着々と始まる。戦争そのものはだれかの金儲け。
わがままに見えたジャレットも、家族のみんなも、何か課題をかかえていた。その課題を解決するためには、何か大きなきかっけが必要だ。それが今回の事件だったということだろう。家族の視点から見たらね。
妖精という不思議な生き物を考えたら、映画の映像は今までになくすばらしかったと思う。CGは映画を画期的に変えてしまった。たださびしくもある。リアルにあり得ないことを表現できるが、映画作りとしての工夫がすべてCGに集中してしまって新鮮みがなくなっていくような気がする。現実をいかに造って表現するか、演技をするかに、映画のおもしろさはある。この映画では、二役があった。あとからわかった。違和感がなかった。どんな撮影なんだろうか。
ラストに妖精の世界に行ってしまった二人。向こうでの生活はどんなものなのだろうと、現実に返ってしまった。妖精が見えることが幸せなことなのかどうなのかわからないね。 公式サイト「スパイダーウィックの謎」
■2007年 アメリカ 108分
■原題「ENCHANTED」
■2008.4.5 TOHOシネマズ緑井 with r,h,t
■監督 ケヴィン・リマ
■出演
エイミー・アダムス(ジゼル=姫)
パトリック・デンプシー(ロバート・フィリップ)
スーザン・サランドン(ナリッサ女王)
ジェームズ・マースデン(エドワード王子)
レイチェル・カヴィ(モーガン・フィリップ=娘)
ティモシー・スポール
(ナサニエル=エドワードの従者)
イディナ・メンゼル(ナンシー・トレメイン) 《story》
「アニメの世界のプリンセスが迷い込んだのは、現代のミューヨーク。
愛を語る歌も、ピラピラのドレスも止められ、
魔法もきかないこの大都会から、
『おとぎの国』に戻ることはできるのか」
魔法の王国『アンダレーシア』に暮らすジゼルは、王子様の出現を心待ちにしていた。そして運命の日、ひと目見て恋に落ちたジゼルとエドワード王子。結婚式の日、それを許さない継母の女王は、ジゼルを別の世界に追放してしまう。そこは現代のニューヨークだった。派手な衣装のジゼルに、ニューヨークの市民は冷たかった。お城の看板を前にして叫んでいるジゼルに声をかけたのは、フィリップ親子だった。ジゼルを追いかけて、現代のニューヨークにやってきたエドワード王子。それを阻止しようと継母のメリッサ女王に従いナサニエルもやってきた。親しくなっていくジゼルとフィリップ親子。ジゼルの恋の行方は・・。
思った通りのハッピーエンド
こういう映画はこれでいいと思う。家族みんなで安心して見に行ける。実は突然映画に行こうということになり、初めは「うた魂」に行こうと提案したが却下。ディズニーなら、ヤフーでも好評価だし、まちがいなだろうと思って出かけた。最初のアニメのシーンでは、どうなることやらと不安になったが、ニューヨークに移ってからはリズムよく展開していく。ジゼルの王子はニューヨークにいた、で終わるだろうと予想通り。でも、それで安心して見ていられ、「ああおもしろかったね」と素直に言える。映画の基本は娯楽だからね。エドワード王子も妃を迎えられてハッピーエンド。
ロバートの忙しい弁護士生活の中で、ジゼルは落ち着いて生活できるのだろうか。ロバートが足をゆるめられるかが鍵だね。現代の生活は時間に追われのんびり人を見つめ自然を楽しむことができていない。ジゼルがそんな安心した落ちついた生き方に引き寄せられるかにかかっている。私も引き寄せてほしいよ。毎日13時間労働だなんていやだ。残業代も出ないしね。帰ってご飯を食べて風呂は行って寝て、次の仕事の準備して朝早く出かけていく。だれかに止めてもらいたがっているのかもしれないね。 公式サイト「魔法にかけられて」
■2007年 アメリカ 112分
■原題「THE GOLDEN COMPASS」
■2008.3.20 TOHOシネマズ緑井
■監督 クリス・ワイツ
■出演
ニコール・キッドマン(コールター夫人)
ダコタ・ブルー・リチャーズ(ライラ・ベラクア)
サム・エリオット(リー・スコーズビー)
エヴァ・グリーン(セラフィナ・ペカーラ)
クリストファー・リー(第一評議員) 《story》
「その針は教えてくれる」
「ライラ・ベラクア12歳。真実を示す羅針盤を手に
世界を変える度に出る。」
私達の世界とよく似たパラレルワールドでのお話。そこでは、魂は体の外にあり、動物の姿だった。子ども時代は、その姿は安定せず、大人になると固定した。
ライラ幼いときに両親を失い、オックスフォード大学の学寮で育てられていた。その頃、謎の組織に子ども達が次々とさらわれるという事件が起こっていた。親友のロジャーもさらわれてしまった。教授から預かった「黄金の羅針盤」を手にライラは北を目指して旅立つ。そして、魔女や鎧グマ、ジプシャン族と出会い、勇気をもって謎の組織に挑む。 子ども向け、少し難解
1年以上も前から宣伝していたので期待していたんだけど残念。安っぽいディズニー作品に見えた。小学生くらいの子どもを対象にしているように見えた。でも複雑な世界であり難解。現代の子どもたちのファンタジーの世界はこんなものなんだろうか。昔の、ピーターパンの世界とはちがって、私には複雑で理解しがたい。羅針盤の素晴らしさをあまり感じなかったのはなぜだろうか。他の人間が扱っても何の役にも立たないことが見えなかった。扱える人間は特別なんだ、選ばれたライラだけ。そんな一点に集中していくような場面がなかった。簡単にライラの手もとに届き、簡単に使うことができた。それがおもしろくなかった。また、続編が作られるのだろうなあ。
真実・・・それはだれもが見たいもの。知りたくない真実もたくさんあるから、何もかも知りたいとは思わない。特に人の心なんてわかってしまうとノイローゼになってしまう。知らない方が幸福であることは多い。しかし、世の中全体をだまそうとしている歴史の真実は知りたいものだ。冷凍食品に農薬を入れたのは誰か・・・三億円強奪の犯人はだれか・・・邪馬台国はどこにあったのか・・・。黄金の羅針盤は教えてくれるだろうか。 公式サイト「ライラの冒険 黄金の羅針盤」
■1987年 アメリカ 107分
■原題「BATTERIES NOT INCLUDED」
■2008.1.9 BS2
■監督 マシュー・ロビンス
■製作総指揮
スティーヴン・スピルバーグ
フランク・マーシャル
キャスリーン・ケネディ
■出演
ジェシカ・タンディ(フェイ・ライリー)
ヒューム・クローニン(フランク・ライリー)
フランク・マクレー
(ハリー・ノーブル=黒人の管理人)
エリザベス・ペーニャ(マリサ・エステヴァル=妊婦)
マイケル・カーマイン(カルロス=立ち退き屋)
デニス・ボウトシカリス(メイソン・ベイラー=画家)
トム・アルドリッジ(シド・ホーゲンソン)
ジェーン・ホフマン(マリエル・ホーゲンソン
ジョン・ディサンティ ジョン・パンコウ 《story》
「ニューヨークに奇跡が起こる」
「イーストサイドの下町を突然訪れた可愛くて、ひょうきんな奴らたち。
一体何をしでかすか」
ニューヨークの下町、イースサイドに再開発の波が押し寄せていた。周りの建物はすでに壊され、最も古い建物が1棟残っているだけだった。そのアパートの住民は立ち退きを拒否していたため、嫌がらせが絶えなかった。アパートには、恋人を待つ妊婦のマリサ、売れない画家のメイソン、管理人のハリー、そしてレストランを経営しているライリー夫妻の5人だけが残っていた。1階の店は壊され、営業できない。しかし、奇跡が起こった。翌日、店が元通りに直されていた。屋上にやってきた小さな円盤形の宇宙生物の仕業だった。2匹はそこで子どもを3匹産んだ。しかし、1匹は死んだ状態で生まれた。それをハリーは持ち帰り直した。アパートへの嫌がらせはますますひどくなり、地下で水道や電気系統を破壊していたカルロスは、宇宙生物と出くわし、たたき壊してしまう。怖くなって飛び出した宇宙生物の子どもたちを捜して、アパートの住人達は町中を捜し、救い出す。その間、カルロスたちはアパートに火をつけてしまう。だれもいないと思っていたアパートにフェイが残っているのを見つけ、カルロスは助ける。アパートは全焼。宇宙生物たちはどこかに行ってしまう。しかし、さらに奇跡は起きた。住人達の優しさを知った宇宙生物たちが仲間を連れてやってきた。再びあのアパートが復活した。 懐かしいほのぼの映画
新しい映画ばかり見て、なかなか古い映画を見る機会がない。この映画は、2~3度は見ていると思う。感動したことを思い出す。でも、1980年代の映画が古くさく感じられる。あの頃、わくわくして見た映画が、なんだか安っぽく感じられて仕方ない。新しいものを常に求めるリズムができあがってしまっているのが悲しい。今は話題に上らない、レンタル店に行ってもどこにあるかわからないような古い作品。あの頃、そんな映画を映画館でわくわくしながら見たものだ。そんな自分と重なるのではないだろうか。古いものがどんどん埋もれていく。新しいものの波に押し流されていく。ふと立ち止まって、古いものの良さを改めて見つめ直す時間を作っていいんじゃないか。次から次にやってくる波から上がって、のんびりと今までの時間を振り返ってもいいんじゃないか。そんな訴えを感じた。しかし、悲しいかな、いずれ新しい波はここにもやってくる。波に飲まれ埋もれていく。直すことより最新式の物を買う方が、安上がりでいい製品が手に入るのだから。






■2005年 アメリカ/イギリス/フランス 99分
■原題「Nanny Mcphee」
■2007.12.17 wowow
■監督 カーク・ジョーンズ
■出演
コリン・ファース(セドリック・ブラウン)
エマ・トンプソン(ナニー・マクフィー)
ケリー・マクドナルド(エヴァンジェリン=使用人)
アンジェラ・ランズベリー(アデレード)
セリア・イムリー(クイックリー夫人)
デレク・ジャコビ(ホィーン)
イメルダ・スタウントン(ブラザウィック夫人)
トーマス・サングスター(サイモン)

「さあ、不思議の扉を開けよう」
葬儀社に勤めるブラウン氏は、妻を亡くし、7人の子どもたちのいたずらに手を焼いていた。世話をするナニーを頼んでも、子どもたちのいたずらですぐにやめてしまう。それに、この屋敷の賃貸料を負担してくれている妻の叔母との約束で、1ヶ月以内に再婚しなければいけない。そうしなければ、この屋敷から家族全員追い出され、みんなバラバラになってしまう。そんなとき、この屋敷にステッキを持ったマフィーがやってきた。その杖をつくと、いたずらをしていた子どもたちはキッチンから出られなくなったり、ベッドから動けなくなってしまった。こうして彼女は、「朝は起きること、夜は寝ること」を教えていった。マフィーのおかげで子どもたちのイタズラはなくなり、礼儀作法を身につけていくのだった。そんなとき、叔母がやってきて子どもたちの中から一人連れてかえるという。マフィーの知恵で、勉強したがっていた使用人のエヴァンジェリンが連れて行かれ、子どもたちは全員無事だった。しかし、もうひとつの難関であるブラウン氏の再婚が待っていた。期限が迫り、仕方なく身近にいるクイック夫人に結婚を申し込むのだった。事情を知った子ども達もしぶしぶ認めざるをえないのだった。そして、結婚式の日・・・・。

お父さんを再婚させたくない子どもたちの気持ちはよくわかる。だから、イタズラをして手を煩わせるのだ。元はと言えば、こどもたちとしっかり話し合わないブラウン氏がいけない。事情を話せば道はもっと早く切り開けたかも。とは言ってもあのいたずらはちょっとひどいなあ。本当は礼儀作法を知っているけど、それを素直に出せない子どもたちになってしまっていると思っていた。素直さを取り戻す魔法だと思っていた。これは当たりかな。この家族がもっと素直になって向き直るように力を貸しに来たのがマフィーだと思ったんだけど。このお話にはシリーズがあるの?。その中の一つ?。マフィーはまたどこかの難問にぶつかっている家族の元に行くのだろうか。
ところろで、立ち直っていく家族はよかったけど、ラストでいきなり使用人との愛の告白は違和感があった。今までの布石が感じられないだけに戸惑う。教育を受けて、きれいになっただけじゃないか。彼女がブラウン氏にあこがれていた気持ちはわかる。しかし、ブラウン氏が、彼女が使用人のときからどういう気持ちでいたかが問題だ。実は以前から・・・それもおかしな話になるかも。そこら辺をもっとうまくつなげられないものだろうか。「サウンド・オブ・ミュージック」の別バージョンとして、少し未完成さを感じた。

■2006年 メキシコ/スペイン/アメリカ 119分
■原題「EL LABERINTO DEL FAUNO/PAN'S LABYRINTH」
■2007.10.25 サロンシネマ1
■監督 ギレルモ・デル・トロ
■出演
イバナ・バケロ(オフェリア)
セルジ・ロペス(ピダル大尉)
マリベル・ベルドゥ(メルセデス=大尉に仕える)
ダグ・ジョーンズ
(バン=牧神、ベイルマン=怪物)
アリアドナ・ヒル(カルメン=オフェリアの母)
アレックス・アングロ エウセビオ・ラサロ
パコ・ビダル フェデリコ・ルッピ 《story》
「だから少女は幻想の国で、永遠の幸せを探した」
1944年スペイン。内戦終結後もゲリラたちはフランコ将軍の圧政に反発。以前として戦いは続いていた。オフェリアはおとぎ話が大好きな少女。臨月を迎えた母とともに、再婚相手のピダル大尉の元に向かう。途中母の具合が悪くなって休んでいるとき、偶然拾った石が近くにあった石像の目にはまった。すると口から昆虫が飛び出てきた。将軍の屋敷の近くで、妖精になった昆虫のあとをつけて迷宮を見つける。そこにはバンがおり、オフェリアは地底の魔法の王国のプリンセスであると告げる。満月の日までに3つの試練を乗り越えれば、魔法の国に帰れるという。オフェンスは、試練に立ち向かう決意をする。 童話の中でハッピーエンド
現実は、あの冷酷なピダル大尉に殺されてしまうのだ。ピダル大尉は、他人の痛みなんて感じない。自分の痛みさえ感じない。ぬくもりのひとかけらもない。しかも頭脳は明晰、館はするどい。悪の道をのしあがっていく素質十分すぎるくらいだ。
現実は変えられない。オフェリアが魔法を使えるようになり、悪を退治して、親子共々幸せに暮らしましたとさ、で終われたら最高だね。しかし、現実と童話は重ならない。彼女がただ殺されたのではなく、試練を乗り越えて、童話の世界で英雄になれたことが何より幸せな結末だ。彼女は殺されたけど、ハッピーエンドだったと言えると思う。彼女の心の中は、魔法の国にたどり着くことができたのだから。
唯一、現実と童話の世界が重なった、あのミルクが入った洗面器の怪しげな木。母親を救ってくれそうだった。でも、暖炉に放り込まれてしまった。今一度、同じものを作っていたら、母親は助かったかもしれない。いや、やっぱり死ぬ運命だった。だから、焼かれてしまったのだ。
決して食べたり飲んだりしてはいけない迷宮で、彼女が口にしたぶどう。なぜなんだ。あんなに賢い子なのに。ここで食べさせてもらっていないわけでないと思う。何が彼女を誘惑したのだろうか。妖精たちが、「食べてはいけない」と何度も止めようとしたのに。それを振り払って食べてしまった。幸せへの誘惑。それとも、いたずら心。童話の世界の、必ず通る道。童話の世界のクライマックスに通じる道。言われたことをしなければいけない。でも、最後に弟を傷つけなかった。それが、大きな試練への道だった。心の中はすばらしいハッピーエンド。 公式サイト「パンズ・ラビリンス」
■1976年 アメリカ 130分
■原題「King Kong」
■2007.10.24 wowow
■監督 ジョン・ギラーミン
■出演
ジェフ・ブリッジス(ジャック・プレスコット)
ジェシカ・ラング(ドワン)
チャールズ・グローディン(フレッド・ウィルソン)
ジャック・オハロラン(ジョー・パーコ)
ジョン・ランドルフ(ロス)
ルネ・オーベルジョノワ(ロイ)
ジュリアス・ハリス(ボーン)
デニス・フィンプル(サンフィッシュ)
ジョン・ローン(中華料理店のコック) 《story》
ペトロックス社は新たな油田を求めて、南太平洋の島に調査船を送った。いつも霧に囲まれた伝説の島がそこにあった。動物学者のジャックは、その島が霧に覆われているのは、巨大な動物が生息しているのではないかと考え、調査船に密航する。ある日、漂流しているボートを発見。映画撮影のために香港に向かう途中嵐にあって難破した生き残りのドワンが乗っていた。。霧に包まれた島を発見した一行は上陸し、巨大な柵の中で生活する原住民を見つける。原住民は、ドワンを差し出すように要求してきたが、船に逃げ帰る。その夜、原住民は船に近づき、ドワンをさらう。ドワンは生け贄としてつながれた。現れたコングは、ドワンを丁寧に扱った。ドワンに愛情を持って接した。ジャックたちは、ドワンを救出するためにコングを追う。調査団は、コングで一儲けしよう、生け捕りにするための罠をしかける。ニューヨークに連れてこられたコングは、頑丈な鎖につながれていた。大勢の観客の前でコング披露のセレモニーが行われた。ドワンが囚われの演技をしているところに、多くの記者が押し掛け、襲われていると思ったコングが暴れ出す。鎖を断ち切って、ドワンを追う。ドワンを見つけたコングは、故郷の島の様子と酷似した世界貿易センタービルに向かう。その頂上で、戦闘機に撃たれ落下する。 懐かしく見ることができたね
最新の「キングコング」は、この1976年版以上の期待をしてしまう。それは、映像だけでなく、どれだけ感動できるかだ。コングとドワンの報われぬ愛情がどんな形で感動を与えてくれるかを考えてしまうからだ。そういう意味では、まだまだ1976年版の方が心に残った。無理はいっぱいあった。あまりに簡単な島の発見、巨大過ぎる柵、あれはどこの木を使ってどうやって作ったのだろう。コングの不自然な動き。コングを求めて、行きは難関を越えて行くのに、帰りはあっという間に帰り着いた。きっとつぶしてしまうだろう人を握る場面。どうやって船に乗せたのか。どうやって鎖につないだのか。謎は多いが、昔は単純なスト-リーで満足できた。今は、ついつい現実と比較してしまう。
当時、あのコングの手は話題になった。巨大な手、リアルに動き。ワゴンの胸をなでるシーンは、コングの無邪気な思いを表現してくれた。
金儲けしか考えない人間が命を軽んじるのはいつものこと。あの島で密かに暮らしていれば幸せだったのにね。人間の欲望の犠牲になったコングの悲哀さがある。現代の生き物たちも大なり小なり、こうした人間の欲望の犠牲になっているのだろうな。
■2006年 アメリカ 110分
■原題「Lady in the Water」
■2007.10.22 wowow
■監督 M・ナイト・シャマラン
■出演
ポール・ジアマッティ(クリーブランド・ヒープ)
ブライス・ダラス・ハワード(ストーリー)
ジェフリー・ライト(デュリー)
ボブ・バラバン(ハリー・ファーバー)
サリタ・チョウドリー(アナ・ラン)
M・ナイト・シャマラン(ビック・ラン)
フレディ・ロドリゲス(レジー) 《story》
「急いで、ハッピーエンドまで、もう時間がないわ」
「この秋、眠れぬ夜に贈る」
アパートの管理人クリーブランドは、電球を交換したり空調を修理したり、住み込みで単調な生活を送っていた。ある夜、クリーブランドは庭でストーリーという少女を見つける。彼女はプールの地下水路を住処にしていて、「ナーフ」という妖精であることをつきとめる。女子大学生の母が語る伝説と酷似していた。ストーリーは魔物に襲われ故郷に帰ることができないでいた。ストーリーは特殊な予知能力を持ち、アパートの住人への予言と運命がつながっていた。ストーリーを自由にするには、住人は一致団結して謎を解かなければならない。クリーブランドは、自分の過去を直視し、住人は自分達の運命を信じなければ団結はできない。そして、この賭けに挑まなければ、ストーーリーどころか人間の運命をも変えることができない。 まるでゲームみたい
大人が子どものように目を輝かせてゲームをやっているみたい。もっと幻想的な映像があるのかと思っていたが、期待はずれ。あのモンスターだけがうろうろしていて、現実に入り込んでいるけど、妖精はまるでそう思いこんでいるだけに見える。チラシは不気味なほど幻想的なのに、映画はクリーブランド一人が騒いでいて、仕方なく住人も参加しているみたいな感覚だった。
人間と水の中の妖精は元々仲が良かった。人間が水から離れてしまって、妖精を置き去りにした。平和をもたらす妖精がそばにいなくなり、人間戦争を繰り返すようになった。この伝説も無理があるように思えて仕方ない。全体的に無理して作った作品に見えた。 公式サイト「レディ・イン・ザ・ウォーター」
■2005年 韓国 134分
■原題「Welcome To Dongmakgol」
■2007.10.12 wowow
■監督 パク・クァンヒョン
■出演
シン・ハギュン(ピョ・ヒョンチョル=韓国軍リーダー)
ソ・ジェギョン(ムン・サンサン=韓国軍衛星兵)
チョン・ジェヨン(リ・スファ=人民軍リーダー)
イム・ハリョン(チャン・ヨンヒ=人民軍の下士官)
リュ・ドックァン(ソ・テッキ=人民軍の少年兵)
スティーヴ・テシュラー(スミス=連合軍の大尉)
カン・ヘジョン(ヨイル=村の少女)
チョン・ジェジン(村長)
チョ・ドッキヨン(キム先生)
クォン・オミン(ドング=少年) 《story》
「笑顔が一番つよいのです」
「子どものように純粋な村-
誰も知らないこの村に、三組のお客さんがやってきた」1950年、朝鮮は南北に分かれて戦っていた。そんなことなど知らない山奥の村、「トンマッコル」子どものような純粋な村に、ある日3組のお客が来た。1人は、連合軍のスミス。戦闘機で不時着し助けられた。そして仲間の負傷者を殺すように命令され、逃れた人民軍の三人、逃げ延びている民衆が渡る橋を爆破できなかった韓国軍の2人。この村で鉢合わせになった人民軍と韓国軍。両者のにらみ合いの中で、村人達は無邪気な態度を取る。ヨイルは人民軍が持っていた手榴弾のピンを外してしまう。慌てて投げたところが食料の倉庫だった。トウモロコシが爆発によってポップコーンになって空を舞う。3組は、村人たちと畑仕事に出る。次第に打ち解け会い、いつしか盛大な宴会を村人たちと開くまでになった。そんなとき、スミス大尉を捜すために、連合軍がこの地域に侵入することになった。24時間以内に見つからなければ、この辺りを総攻撃するという。降下し、村にたどり着いた5人は、村人たちに銃を向け、人民軍の居所を教えろと迫る。村長に暴力で脅しにかかり、たまりかねたピョたちは反撃する。銃の乱射。ヨイルに弾があたり、命を落とす。両軍とスミスは、村への総攻撃を防ぐため、墜落した戦闘機から武器を持ちだし、村を離れる。攻撃の目標を別なところに向ける作戦が立てられた。
争っていることがばからしくなる
何が敵で、何が味方かわからない。正義だと思っていたのに、不条理なことを押しつけられる。味方だと思っていたのに、命をねらわれる。敵だと思っていたのに、たまらなく愛おしくなっていく。戦争とはそういうものなのだということだ。憎しみや恨みが、人の心を狂わせる。優しさや笑顔を奪っていく。この村の人々のような純粋な心は誰にでもあるのだ。だれもがそうありたいと思っているのだ。でも、何かが心をかき乱す。欲望であったり、憎悪であったり・・・。
この村で。次第に優しさを取り戻していくと同時に、笑顔が増えていく。銃も手榴弾もいらない。生活していくだけの道具があればいい。遊べる自然があればいい。あの村は、だれもが求めている理想の村なのかもしれない。
その村を攻撃する愚かさ・・・きっと現実の世界にもたくさんあるだろう。今まで笑顔で暮らしていた人々の上に落とされる爆弾や機銃攻撃。戦争のために、多くの笑顔の村が悲しみの村に変わってしまったことだろう。たった5人だけれど、笑顔の村を守ることができた。これは「戦争」という悲しみを産む魔物との闘いだ。 公式サイト「トンマッコルへようこそ」




■2006年 日本 101分
■2007.10.6 wowow
■監督 中村義洋
■出演
多部未華子(田中エリ子) 岩田力(田中ダイゴ)
石田えり(エリ子の母) 嶋田久作(エリ子の父)
崔洋一(富山のオジサン)
梅沢昌代(富山のオバサン)
小笠原翼(エビヅカ) 田中要次(エビヅカの父)

「お姉ちゃん、もうボクたち、
元の世界に帰れないかもしれない」
弟のダイゴの帰りが遅いので、姉のエリ子は迎えに行く。国道225線を横切り、公園のブランコに乗っているダイゴを見つけた。かばんにしまったシャツには「ダイオキシン8倍」と書かれていていじめにあっているようだ。二人は家路につくが、途中街の名前が書かれた看板には見たこともない字が・・。そして角を曲がると無いはずの砂浜が・・・。家に帰ると誰もいない。母親のすがたがない。自分たちが違う世界に入り込んだことに気づいた。エリ子とうまくいかなくなっていた、仲が良かった友達と寄りを戻していたり、ダイゴが小学校時代に事故で死んだ少女が生きていたり、以前の世界と少しちがっていた。大きく違うのは両親がいないこと。何度も二人で元の世界に返れるように試みるのだけどうまくいかない。両親がいないことを親戚の人に知られ、二人は別々の家に預けられることになった。母の世界とつながる唯一のテレフォンカードの残りを使って話をする。家の中で撮った写真にはぼんやりと両親の姿があった。

結局帰れなかったことが欲求不満。予想通りラストは帰ることができてハッピーエンドにならなければ。なぜならこの世界はおかしいのだから。両親が別の世界に行っているのと同じ。失踪扱いになっているのだから。いなくて当たり前じゃないでしょう。二人の努力の結果、元に戻ったら、以前と少し変化していた、そのおもしろさであっと言わせる。おきまりのラストだけどね。このままだとすっきりしないなあ。自転車で北海道の坂を上って微笑んでもいい気持ちはしない。姉弟が仲良くなってもこの世界の価値を感じないよ。両親と引き替えの価値。