「お茶タイム」の脇役

2011年07月03日 | 食事 -


「暑い時こそ、温かい飲み物を飲みなさい」

我が父によく言われた言葉だ。

真夏も変わらず“お湯”で日本茶を入れ、常に飲んでいた父らしい言葉だ。



私の二十代前半は、「珈琲」にはじまり、「珈琲」で終わる生活だった。
そのうち、「胃」に変調がきて、精神的な問題を抱えていたこともあり、
胃痙攣(いけいれん)を頻繁に起こすようになった。病院へ行き、指導を受けて、
おのずと 珈琲の量は減って、かむように 常温牛乳を飲む毎日が続いた。
珈琲は、気持ちを落ち着かせてくれて、同時に、消化を助けるけれども、
空腹で飲むと(胃酸を分泌させる作用があるので) 胃には少なからず負担がかかる。
その代わりに、「牛乳」は胃の中に膜をつくってくれるので、胃を守る働きを
してくれるらしい。 (飲み会の前に飲む人が多い理由だ)
当時の私は、数時間ごとに牛乳を繰り返し摂取して、やっと胃痙攣を克服した。


二十代後半頃には、わが師が「茶碗」を買ってくれたことがきっかけで、
自宅で「抹茶」をたてるようにもなった。
一時期は、知人の自宅に出向き、茶道もならっていたが・・・そう長くは続かず、
いつの間にか、(自宅で)ただお茶をたてるだけの楽しみ方になってしまった。


それから、三十代に入ると、英国に長期滞在してからは「紅茶」派になった。
茶葉の種類を研究して、その香りを楽しみ、紅茶専門店に通うようにもなり、
明らかに紅茶のグッズが増えていった。
あの当時の私は、日々の楽しみも、紅茶一辺倒になっていった。


中国に何度も行った際には、そのたびに、数多い中国茶に はまったし・・・
今は、インドの「チャイ」に はまっていると言えるかもしれない。
実際に、美味しいチャイのブレンドを探して、飲み歩いているし・・・
時間のあるときは、自分でスパイスの配分を研究したりもする。



私の生活に、飲み物はかかせないが・・・
それが、出来合いのものではないのがミソである。

だから、今回の引っ越しで、自分好みの 「ケトル」 に変えた。
お茶を入れる時に、お湯を長く細く注げる口をもった「フランス製のケトル」 だ。
そして、このたび、「和」の世界から、「鉄瓶」も用意した。
伝統工芸品の「南部鉄器」で、文様も飽きのこない伝統的な“あられ模様”にした。
鉄瓶で沸かしたお湯には、ほどよく鉄分が溶けだして、貧血になりがちな女性には
有り難い鉄器である。
飲み物の味を壊さない程度の鉄分は、身体の栄養バランスをとるためにも良好で、
昔から「ほしい」と思っていたので、(一日に最低一度は) 使うようにしている。


お茶や、珈琲、紅茶など・・・ 
あらゆる飲み物には、まず第一に、「水」の美味しさが欠かせないが、
一杯一杯を (その日の気分によって) お湯を沸かして入れる過程もまた・・・
私にとっては、楽しいひと時でもある。

最近の私は、焙煎茶を好む傾向にあり、自宅でお茶を煎ったりもする。
香り高い煎りたての「ほうじ茶」は、酸化してしまった高価な煎茶よりも、
数倍美味しいと思う。
お米も野菜もそうだが、新鮮なものが一番だということだろう。


尚、余談だが・・・・ 寝起きの朝の一杯は、いつも「白湯」である。
鉄瓶の白湯は、なかなかのものだ。