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環境の変化

2006年01月27日 | 介護日記 -
「いつもと違うことをする」っていうのは(誰にとっても)大変なことだが、
現在の父にとっては(より一層)そのハードルは高いような感じがする。

田舎に帰りたがった父は、田舎に帰ったことによって、状態が悪化してしまった。
これは、まぎれもない事実だ。
日々の「環境の変化」は、高齢者にとって影響が大きいことを実感する。

この数日、足の固まった父に「オムツ」の使用をすすめて、
それを習慣化してもらうために(実際)“はいてもらっている”。
排泄のために、起き上がる行為や、トイレに行く行為(ほんの数歩なのに)が、
父には苦痛をともなう苦しみになってしまうのだが、さらに、ソレを失敗することで、
このうえない精神的苦痛を味わうことになってしまう・・・。

「足が固まった“今”だけ―ね」
「また良くなったら大丈夫だから、“今”だけでも、しようよ」

しかし現実には、
オムツを着用したことによって、より排泄状態は“ドロ沼”になってしまっている。
より混乱をしているようにも思えるし、オムツ自体の存在を忘れているようにも思える。
実際には、オムツをしている意味は、全くない。
なぜなら、オムツの効用を得ずに、ただオムツを日々捨てているだけだからである。
・・・もう、「何が良くて、何が悪いのか」・・・私には、よくわからない。

日々の実質的作業(排泄失敗による掃除や洗濯)は、私にとってかなり大変だし、
落ち込んだ父の精神的ケアは、何よりももっと大変だ。
本来もっている前向きな気持ちは、どっぷりと暗黒に落ち込んでいく・・・。
度重なる寝不足と、身体的疲労(腰の痛み)が拍車をかけて、ついには
自分が“生きていること”にも、時々“疲れ”を感じてしまうという危険な状態を―
我が精神世界に感じている・・・。


昨夜、深夜二時ぐらいかなぁ・・・。
父が全裸で階段を登ってきて、「SOSコール」をした。
足が痛いので、奇妙な四つんばいになっていて、寝ぼけマナコに飛び込んできた光景は、
まさに(カフカが書いた)「変身」である。
      <※「変身」⇒目が覚めると、虫に変身してしまった男の話>
      <※不謹慎なようだが、この話を咄嗟に連想してしまった>
ショックを通り越して、もう凍りつくしかない。
いつものように・・・階下は、壮絶な状況で放置されていた。
私は、音に気をつけて、(いつでも父が安眠できるように)深夜の掃除がはじまる。
こういうサイクルで、(どうしても)寝不足になる。
決まって、夜の十二時、二時、三時、四時半と決まっている。
一度のこともあれば、二度、三度あるときもある。

毎日、疲労を極める生活に、自分でもびっくりしている。
雪だるまが転がるように、いつの間にか(数ヶ月で)状況は変わってしまった・・・。

今日の父は、自分の身体を支えることもできなくなった。
内臓疾患からのものか、精神的落ち込みが原因なのか、
それとも足の踏ん張りがきかないのか・・・
ベッドの上で、何もできない。
自分でやろうともしない。
巨体を抱きかかえる私に、“協力しよう”という意志もみえない。
発する言葉は、かなり自虐的で絶望的な内容ばかりだ。
聞いていると、“いやぁ~な気持ち”でイッパイになる。


前向きに転換させようと努力しても、かなり落ち込んでいく現実を感じる。
このまま、時間がたっていくと・・・私の精神構造はどうなってしまうのか、
私のもろく“きしんでいる腰”は、どうなってしまうのか・・・
本当に、先が見えない介護生活は、ヘビーな現実だ。
寝不足のためか、今朝はちょっとした頭痛を感じたので、身体を横たえたのだが、
気持ちがたかぶって寝られなかった。
結局そのまま――不完全な気分のまま“次の作業が待っている”。

今の私の日常は・・・
プライベートな介護生活が、ほとんどを占めてしまい、他には何もできなくなってきた。
生産性や生計を慮ると、すでに生きる気力が萎えていく・・・。
     <※父は、国民年金のため、生活は貧窮以外の何ものでもない>
     <※私は今、働きたくても、働く環境を奪い取られつつある現状だ>

自分自身の人生が、かなり低迷を極めている。
低空飛行から、不時着陸の手前(?)って感じかも(笑)。

やりたいことはたくさんあるのに、確実に目標を達成できる可能性もあるのに、
そのために費やす時間&労力は・・・すべて介護に注がれてしまっている。

それでも、何とか「生き抜いていける」とは思っているけれど・・・
根拠のない期待だったりもする(笑)。
「私は、そんなにヤワな人間ではない」「今までだって大丈夫だった」と感じつつも・・・
なんとなく打ち寄せてくる不安を掃いきることができずにいる(笑)。
だって、だって、「にんげんだもの」。
それがフツーだよネ。


それにしても・・・先週、発注したポータブルトイレのカタログが待ち遠しい。
福祉用具専門相談員の人は、きっと“切実感を感じていないのだろう”と思う。
私が、日々腰の痛みを感じながらケアしていることを、担当者は知らないのだろう。
ちゃんと説明して、伝えなければ・・・。
早々に、再度お願いをしてみよう。
適切なアドバイスがもらえるかもしれないし・・・。


頭に浮かぶ「無常」の二文字。
ちょいと危ないゾーンにさしかかってきた自分自身を感じる。
ここで、ふんばらないと、危険地帯に突入しそうだ。
いかにして、もちこたえさせて、
いかにして、ふんばらせようか。
この私自身を―。

現段階で、好転的な“環境の変化”をのぞむのは、厳しいことなのだろうか。

まずは・・・
とりあえずは・・・・・「何でもいいから、今夜は“大好物”を食べるとするか!」。