どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(短編小説)『草津にて』

2017-08-17 01:24:30 | 短編小説
   なぜ、そんな気になったのであろうか。「湯もみ」を見ようなどという気に・・・・。  湯畑をひとめぐりしたとき、右手の古びた小屋から入場開始を告げる呼びかけがあり、その鼻にかかった案内嬢の呼びこみに、好奇心をくすぐられたという面はたしかにあった。  吉村は、祭りや見世物に人一倍の興味を持っていた。  ただ、人混みの隙間にほの見える影のようなものを意識する癖があって、子供のころか . . . 本文を読む
コメント (3)