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銀英伝人物評17<ヨブ・トリューニヒト>

2004年08月12日 17時58分13秒 | 銀英伝人物評
自由惑星同盟を滅亡させた張本人として汚名を残した政治家。
本伝開始時点で国防委員長。が、ヤンやキャゼルヌ、ユリアンらには嫌われてて、その理由はいまいち漠然としているのだが、自分は前線にでないくせに戦争を賛美しているあたりじゃないかと思う。
が、帝国への出兵については反対したため、結果的に先見の明があったということになろうか。出兵に賛成した政治家たちが失脚したため、アムリッツァの敗戦後に閣僚に残り暫定政府首班となる。後には正式に最高評議会議長として権力の頂点にたつ。救国軍事会議のクーデターが勃発したときは内通していたベイの知らせで避難し、地球教徒にかくまわれていた。

ハイネセンに帝国軍が攻めてきたとき、国家元首の権限において、あっさり降伏を決意。アイランズやビュコックが制止しようとするも地球教徒によって排除した。
バーラトの和約後、帝国へ居を移して、表舞台からいなくなったと思いきや、キュンメル男爵の謀反を憲兵に密告するシーンで再登場。
自由惑星同盟が滅ぶと、新領土の高等参事官として再びハイネセンに戻ってくる。この役職自体はラインハルトが与えたのだが、当然断ると思って与えたのにあっさり受諾したため、ラインハルトの意図が挫かれた形になり、ヒルダにも冷たく言われてしまう。
ロイエンタールの叛乱の時は、ロイエンタールがイゼルローン共和政府との取引材料にするために拘禁された。そしてロイエンタールがハイネセンに戻ってきたとき、射殺される。反逆したのに内心ではラインハルトへの尊敬の念をロイエンタールが持っていたのを見抜けなかったからだ。
密かにローエングラム王朝内に立憲君主制を樹立させるべく裏工作をしていたが水泡に帰した。原作では「ふたつの異なる体制をひとつの資質によって操縦しようとした稀有な男」みたいなことが書かれている。

ルビンスキー、地球教とは三者が互いを利用しあう関係であった。そのため、国防委員長時代から手足として使っていた憂国騎士団を地球教に帰依させて使い、言論を封鎖した。
権力を握るための才能は豊富にあったし、その権力を維持するための才能もあった。ようするに権謀術数には非常に優れた才能をもっていたのだが、銀河帝国正統政府の樹立を認めたことによりラインハルトに出兵の口実を与えてしまった点は見逃せない。ヒルダのような抜群の政治センスを持っていたというわけではなく、要は政治業者の類ということだったのだろう。

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2 コメント

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Unknown (通りすがり)
2010-04-09 16:59:05
いや、政治センスはあったのではないかと。
同盟を存続させる気がゼロ(あるいは途中で無くなった)なだけであって。
帝国領侵攻作戦を反対だけして素通りさせたあたりではあくまで現体制をひきずり下ろすことだけが目的だったのに、
それが予想の遥か斜め上の敗戦に至った(=まさか軍部がフォークを掣肘できないとは思わなかった)ことで、
「こりゃもうダメだ」とばかりに地球教と接触し、ルビンスキーと似たような戦略に切り替えたのではないかな、と思います。
そうであったとすれば、銀河帝国正統政府の樹立はまさに願ったりかなったりでしょう。

ロイエンタールの称したとおり、彼はバケモノです。
個人的には、ロイエンタールが彼を殺していなければ、新銀河帝国内で勢力を拡大し、
ミッターマイヤーやケスラーを延々と苦しめ続けただろうと思ったり…
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Unknown (YT)
2016-11-11 01:12:58
>銀河帝国正統政府の樹立を認めたことによりラインハルトに出兵の口実を与えてしまった点は見逃せない。ヒルダのような抜群の政治センスを持っていたというわけではなく、要は政治業者の類ということだったのだろう。


まぁ、フェザーンを占領するとは、夢にも思ってなかったと思われます。
今までみたいに、イゼルローン回廊で戦うと思い込んでいたのでは?
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