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プログラマ視点でみたシリコンバレー シーズン3(1)

2019年01月27日 01時40分27秒 | テレビ番組
今回からシーズン3です。
衝撃的な最後で終わったシーズン2最終話の直後から開始になります。


第1話「創設者に優しい」

CEOをクビになったと聞いたリチャードは怒りに震えラビーガに乗り込みます。
ローリーは、リチャードをCTO(最高技術責任者)にして開発に専念させ、CEOはベテランの経営者を雇う腹積もりでした。
しかし、自分が作った会社なのにそこの従業員に成り下がることに納得いかないリチャードはパイド・パイパーを辞めて転職することにします。

翌日、モニカがリチャードを引き留めに来ますが、耳を貸しません。
しかし次のCEOはジャック・バーカーという実績豊富なCEO経験者に決定しました。アーリックはラビーガに乗り込んでジャック・バーカーを挑発しようと試みますが、逆に彼におだてられてあっさり取り込まれ、リチャードにもジャックと会うことを勧めます。
リチャードは自分が辞めればジャレッド、ディネシュ、ギルフォイルも辞めてパイド・パイパーは立ち行かなくなるだろうと思い込んでいましたが、ギルフォイルとディネシュは残る判断をします。
自分なしでパイド・パイパーの開発をできると思い込んでる二人を罵倒したリチャードは、ジャレッドが探し出してくれた就職先の中で最も条件のいいフラタービーム社に話を聞きに行きますが、そこで彼に任せられるプロジェクトは微妙なものでした。

フーリーでは、ギャビン・ベルソンがニュークリアス失敗の責任をプロジェクトメンバーたちにとらせて全員解雇します。そしてまた、1700人の社員が違法契約のために退職になります。それらのおかげでプールできた資金でビッグヘッドに口止め料としての退職金2000万ドルを出して解雇します。

ギルフォイルとディネシュは、さっそくリチャードが書いたソースコードを見てみますが、結局リチャードの言った通り、彼抜きでのパイド・パイパーの開発は無理という結論になり、会社を辞めようと決めます。

フラタービームの契約書をピート・モナハンに見てもらいったリチャードは彼からジャックに一度会ってみることを勧められます。
ジャックに正直に気持ちを話すと、彼はリチャードが辞めるなら自分もオファーを断るといいます。
結局リチャードは残る決断をしました。


ついにこの話でミドルアウトのソースコードがでてきます。言語はC言語で書かれています。ギルフォイルとディネシュが首を捻っていた、0x79481E6BBCC01223というハードコーディングされた値は意味不明です(もっとも調べてわかるような代物ならギルフォイルたちも理解しているでしょうが)。



第2話「箱にはペア入り」

パイド・パイパーのCEOをクビになりCTOとなったリチャードでしたが、資金や場所について悩む必要がなくなり健康状態は良くなりました。
新しいCEOジャック・バーカーは新しいオフィス、新しい会社ロゴを用意し、リチャードたちも気に入ります。これまで会社の資金のために家を他人に貸していたジャレッドも、自宅に戻ることにしましたが、貸していた住人は屁理屈を言って居座ってしまいます。
残念ながら訴訟を起こそうにも1年待ちの状態で、州の法律も家主は保護していないのでジャレッドは泣き寝入りします。

フーリーではギャビン・ベルソンがフーリーサーチでエゴサーチした時にでてくる自分の悪口をヒットしないようにしろと部下に命じます。失敗の責任をとらされてクビになったニュークリアスの部隊に退職前の最後の仕事として割り振られました。

翌日リチャードたちが出社すると営業部隊の人たちがいました。ジャックいわく世界一の営業部隊とのこと。
彼らの前で今後の戦略を説明するリチャードでしたが、リチャードがBtoCのプラットフォームを開発するつもりなのに対し、彼らはジャックからBtoBと説明を受けていたため混乱します。

アーリックはチアン・ヤンに見切りをつけ、屋敷を退去するよう言い渡しますが、ジャレッドが居座られた話を聞き、自分もこのまま居座ることに決め、アーリックをいらだたせます。

ジャックからもBtoBのプロダクトを作れと言われたリチャードはギルフォイルとディネシュにその話を伝えますが、彼らはそれほど気にしません。当初のプランが後回しになったとしても自分たちに競合できる企業はないからです。
しかし、ニュークリアスの部隊がついにミドルアウトの仕組みに気付きます。彼らはそれをギャビンには伝えず、よその会社に売り込むことにしました。

BtoB向けのプロダクトについて営業部隊と議論するリチャードでしたが、彼らはニューラルネットやディープラーニングの機能は売りづらくなるからいらないと主張します。そこでジャックを説得するも、会社にとってのプロダクトは株、だから株価が上がるものをつくるべきだ、といい営業部隊の肩を持ちます。そしてたまたまリチャードが悪い例えとして出したデータセンターに置くためのデータストレージが営業部隊に気に入られ、それを開発する方向に舵が切られました。


ジャレッドが部屋を貸すために利用したAirbnb(エアービーアンドビー)は実在のユニコーン企業です。日本でも民泊の仲介で利用されています。
フーリーサーチでギャビンの悪口がヒットしないようにしろと命じた際、部下がアルゴリズムの中立性を崩すのはGoogleでも問題になったというせりふがありますが、おそらくGoogleがかつて中国に進出していた時、中国共産党の悪口をいうサイト等がヒットしないようにしたことを指していると思われます。ちなみにブラウザに表示されていたURL(hooli.com)は実際にあります。もちろんpiedpiper.comもあります。シーズン5終了時点の会社情報が掲載されています。
パイド・パイパーに組み込まれているニューラルネットとは、人間の脳神経伝達の動きをモデル化した数理のことです。正解データ(教師データといいます)をたくさん与えて、正解に共通するものを学習し、精度の高い判断ができるようにする、というものです。リチャードも営業部隊に「ニューラルネットはパターンを認識することでアルゴリズムを最適化し処理速度が向上する」と言っています。これを削除することはディープラーニングが使えないことを意味します。